過去最高の観客動員数21,000人を記録したシクロクロス東京。沢山のシクロクロスバイクが集まった今大会より、女性クロッサー達のこだわりのバイクをピックアップして紹介していきます。



松田千裕さん(Toyo Frame)Toyo Frame

松田千裕さん(Toyo Frame)Toyo Frame松田千裕さん(Toyo Frame)Toyo Frame
シクロクロス全日本王者の竹之内悠と4名の女性レーサーによって結成された新たなCXチーム「Toyo Frame」に所属する松田千裕さん。細身のクロモリチューブで組まれたフレームに、細身のクロモリフォークを組み合わせたバイクは松田さんに合わせてカスタムメイドされた1台で、特に乗り心地とペイントにこだわっているという。

「フェミニンな感じではなく、カッコいい感じを目指しました」というペイントは、アメリカ系のビンテージカーのペイントを得意とする大阪府富田林市の「ペイントアートファブ」によるもの。ホッドロッドカーを彷彿とさせるピンストライプや、金を使用したTOYOロゴなど、他のCXバイクとは一線を画すクールな仕上がりとなっている。

TOYOオリジナルのステムを使用するTOYOオリジナルのステムを使用する ハンドルバーは大きく送っているハンドルバーは大きく送っている

希少なカンパニョーロEURUSのシルバーカラーに、デュガスのタイヤをアッセンブル希少なカンパニョーロEURUSのシルバーカラーに、デュガスのタイヤをアッセンブル 贅沢に金を使用して描かれたTOYOロゴ贅沢に金を使用して描かれたTOYOロゴ


パーツでこだわっているのはカンパニョーロのコンポーネントとスギノのクランクという松田さん。「大腿が長めなので」とのことから、クランク長を女性としては長めの170mmとした点が特徴的だ。シャクリの大きなハンドルのセッティングは、色々試して一番しっくりきた結果なのだとか。



ちゃんぬさん(ChanNu Cycling)KINFOLK

ちゃんぬさん(ChanNu Cycling)KINFOLKちゃんぬさん(ChanNu Cycling)KINFOLK
大阪・アメリカ村の古着屋さん「Chan Nu」のオーナーであり、70~80年台のカルチャーを取り入れた独自のサイクルファッションでCX界に新しい波を起こしているちゃんぬさん。バイクは群馬県・桐生のライジンワークスが制作し、ストリート系バイクを得意とする「KINFOLK」だ。

ラメが華やかなペイントはCOOK PAINT WORKSによるもので、「80s的なパーティー感」をイメージしたのだとか。「ネオン管をイメージしたグラフィックのオリジナルジャージとのコーディネートがバッチリでお気に入りです」とはちゃんぬさん。KINFOLKに乗り換えてから成績も上向きだという。

群馬県・桐生のライジンワークスが制作し、ストリート系バイクを得意とするKINFOLK群馬県・桐生のライジンワークスが制作し、ストリート系バイクを得意とするKINFOLK ラメが華やかなペイントはCOOK PAINT WORKSによるものラメが華やかなペイントはCOOK PAINT WORKSによるもの

メンフィスデザインやネオン管をイメージしたという、ちゃんぬさんプロデュースのオリジナルジャージメンフィスデザインやネオン管をイメージしたという、ちゃんぬさんプロデュースのオリジナルジャージ ホイールはStansのリムを用いた手組みホイールはStansのリムを用いた手組み


パーツを見回してみると、Gevenalleのシフター、NoTubesのリムとフィルウッドのハブで組んだハンドビルドホイール、Paulのカンチブレーキなど、かなり通好みなアッセンブルとなっている。ちゃんぬさんによると「かっこいいバイクに乗っている友人から『ダサい』と言われない様に!」と大阪府大阪市プロショップHutte 8to8(ヒュッテ ハトヤ)にお任せで組んでもらったものとのこと。



鈴木成美さん(Mile Post Racing)BMC Crossmachine CX01

鈴木成美さん(Mile Post Racing)BMC Crossmachine CX01鈴木成美さん(Mile Post Racing)BMC Crossmachine CX01
東京・永代橋近くに店舗を構えるプロショップ「Mile Post」の店長婦人である鈴木成美さん。BMCを得意とする同ショップだけあり、鈴木さんもBMCのバイクを使用する。モデルはカーボン製の最新モデル「 Crossmachine CX01」だ。鈴木さんによるとCX01の最大の持ち味は軽さなのだとか。

「とにかく重量的に軽いですね。前に乗っていたアルミのCXバイクとは比べ物にならないほど、シケインでバイクを持ち上げるのがラクになりました。しかし、チームメイトから『バイク軽いんだからもっとがんばれ』みたいな檄が飛んで来るので、レースの辛さ自体は変わらないかもしれません(笑)。値は張りますが、女性CXレーサーにもオススメですね。真剣に競技するのであれば、気に入ったバイクに乗ることが大事になってきますし、私自身CX01は大のお気に入りですから」。

写真中央のステッカーは、2014年の全日本MTB選手権のXCで負傷した新谷直也選手の回復を願うもの写真中央のステッカーは、2014年の全日本MTB選手権のXCで負傷した新谷直也選手の回復を願うもの 「この軽い操作感だけは譲れないですね」というコンポは、シマノDURA-ACEとULTEGRAのDi2のミックス「この軽い操作感だけは譲れないですね」というコンポは、シマノDURA-ACEとULTEGRAのDi2のミックス

万が一の時のフレーム破損を防ぐため、フレームの各部にはプロテクターを貼り付けている万が一の時のフレーム破損を防ぐため、フレームの各部にはプロテクターを貼り付けている Di2のジャンクションはコラムスペーサーに取り付けているDi2のジャンクションはコラムスペーサーに取り付けている


パーツアッセンブルには、女性CXレーサーの参考になる多くのこだわりが詰まっている。「この軽い操作感だけは譲れないですね」というコンポーネントは、シマノDURA-ACEとULTEGRAのDi2のミックス。ステム長が充分でないことから、コラムスペーサーにDi2のジャンクションを取り付けている。

タイヤはチャレンジで、フレームとのカラーコーディーネートを考えて必ず白いトレッドのタイヤを装着しているのだそう。また、タイヤのカラーについてはチームメイトのバイクと見分けやすくするためでもあるという。リザードスキンのバーテープは1.8mmの最も薄い対応タイプで「手の小さな私にもマスト。手持ちのバイクには全て巻いています」という程のお気に入りアイテム。フレームの各部にはカーボン柄のプロテクターを貼り付け、不意の破損を防止しているという。



砂川美穂子さん(カワワグミ)リドレー X-RIDE DISC

砂川美穂子さん(カワワグミ)リドレー X-RIDE DISC砂川美穂子さん(カワワグミ)リドレー X-RIDE DISC
やんちゃ盛りの息子さんと一緒に登場して下さった砂川美穂子さん(カワワグミ)のバイクは、リドレーアルミ製ディスクブレーキモデル「X-RIDE DISC」。実は本格的なスポーツバイクはX-RIDEが初めてだそうで「せっかくシクロクロスを始めるなら、本場ベルギーのバイクでしょ!」とリドレーを選んだとのこと。乗り味については「グングン加速する感じと頼もしさがお気に入りのポイントで、一緒に踏ん張ってくれる感じがあります」とのこと。

ハンドルはSim Works by NITTOハンドルはSim Works by NITTO 35mmというショートステムを用いてポジションを出している35mmというショートステムを用いてポジションを出している

「せっかくシクロクロスを始めるなら、本場ベルギーのバイクでしょ!」とリドレーを選んだという「せっかくシクロクロスを始めるなら、本場ベルギーのバイクでしょ!」とリドレーを選んだという HEDのリムにクリスキングのハブを組み合わせた手組ホイールHEDのリムにクリスキングのハブを組み合わせた手組ホイール


このバイクに乗り始めて=スポーツバイク歴は9ヶ月ほどとのことだが、自転車のカスタマイズにも精力的。ホイールは行きつけのショップであるBlueLugで手組みしてもらったものだそうで、HEDのリムにクリスキングのハブを組み合わせている。「クリスキングのハブのお陰もあって、漕ぎ出しがギア2枚分ぐらい軽いですね」。



photo&text:Yuya.Yamamoto

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