ロードレースとは・・・

世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」。この舞台で繰り広げられるドラマの影響力は計り知れない。そしてここにもツールで見た偉大な選手に刺激を受け、自分を信じた選手がいた。

ロードレースとは、スタートからゴールをするまでの、その順位を競う競技です。

文字におこすと簡単に聞こえますが、コースも距離も様々。厳しい数千メートル級の山々を越える200km超のレースもあれば、5〜60kmのショートディスタンスで真っ平らなコースを走るレースもあります。

ですので、瞬発力だけが突出していても、それを生かせるゴール前までの攻防まで、辿りつけなくては意味がありません。

どんなに急勾配の山道を速く駆け上がれても、そのままゴールに駆け込む独走力がなければ、勝ち星はあげられません。

東日本ロード、ホームストレートに単独で現れた長沼隆行(宇都宮ブリッツェン)。チーム結成初戦・初勝利という快挙をもたらした東日本ロード、ホームストレートに単独で現れた長沼隆行(宇都宮ブリッツェン)。チーム結成初戦・初勝利という快挙をもたらした photo:Hideaki.TAKAGI勝つための全ての要素を持った選手のみが一番でゴールに飛び込むことができ、歓喜を味わう事が出来るのです。

しかし、最初に書いた通り、コースは様々。

ゴール勝負が得意な<スプリンター>選手向きのコース・山登りが得意な<クライマー>選手向きのコース。

僕は体重の軽さと、心肺機能を生かし、山登りが得意な選手を指す<クライマー>と呼ばれる選手の部類に分類されます。

本来は全ての要素を兼ね備えた選手を指す<オールラウンダー>と呼ばれる選手である事にこした事はありませんが、僕の自転車人生はこの<クライマー>であるという事でここまで走ってきたと言っても過言ではありません。

1998年ツールドフランス。数千メートル級の急な山道で、あえぎながら懸命に登る世界のトッププロを尻目に、重力を感じさせない圧倒的なスピード差で、他の選手を置き去りにするその選手を目にした時、僕は言い知れぬ感情になったのを覚えています。

その選手の名前はマルコ・パンターニというイタリア人の選手でした。

オールラウンダー選手を振り切り、スプリンター選手の追随を許さないその圧倒的な登りの強さは、クライマーでもその一本の能力に磨きをかければ、登りで得た最大限のアドバンテージを生かし、ゴールまでアドバンテージを保ったまま、逃げ切れるという事を僕の脳裏に焼き付けてくれました。

もちろん、平地が速いにこした事はないし、それでいて、スプリント能力があれば、勝利への可能性は、グッと近付きます。

実際マルコ・パンターニ自身、他の能力もトップクラスでした。

しかし、当時の単純な僕には、登りがあれば、勝負できる。登りがあるから、なんとかなる。

マルコ・パンターニの走りを見て、そういう自信を持って、<何か>に賭ける。と言うことの、美学、と言うかカッコ良さを感じました。

それから僕は平地の練習をしながらも、「この練習は登りにまでに足を温存する練習だ。山で力を発揮するための練習なんだ。」と、常にそのイメージ・カッコ良さ、を考えて練習していると言ってもいいと思います。

全日本実業団富士山ヒルクライムロードレース2009、残り2kmを過ぎ、共に先頭を走っていた森本を引き離して独走態勢に入る長沼全日本実業団富士山ヒルクライムロードレース2009、残り2kmを過ぎ、共に先頭を走っていた森本を引き離して独走態勢に入る長沼 photo:Haruo.Fukushima
何事も自信を持つ、と言う事はとても大事な事だと思います。

自信を持って、行動しなければ、それはきっと成功しないでしょう。

と、いうより少なくとも自信がなければ、その行動にうつす事は少ないのではないでしょうか?

自信という字は、自分を信じる、と書いて、自信です。

自分で100%失敗すると思っている事にチャレンジする事はないと思います。

わずかでも、自分を信じているからそれに挑戦するのではないでしょうか?

全日本実業団富士山ヒルクライムロードレース2009、独走し優勝。右手を挙げてゴールする長沼全日本実業団富士山ヒルクライムロードレース2009、独走し優勝。右手を挙げてゴールする長沼 photo:Haruo.Fukushima僕にとって、選手としての自信は<クライマー>であるという事に他なりません。

「コレなら負けない」「コレがあるから大丈夫」そう自分に言い聞かせ、それを信じて行動する事が自分の支えになります。

僕は本年度から、発足したての日本初の地域密着型プロチーム<宇都宮ブリッツェン>に移籍をしました。新しい試み、と言うのは時に他人から、無謀だ、と言われる事もあるでしょう。

しかし、自分は出来る。自分を信じて行動すれば、それは無謀ではなく挑戦なのです。

自分が心底信じたら、それは成功失敗に関わらず、自分を裏切る事はありません。

何故なら自分が信じたからです。

こんな時代だからこそ、これからも、自分は自分を信じてみたいと思っています。

その中で、いつか、応援してくれる皆様・これからロードレースを目にする皆様に、僕がマルコ・パンターニをはじめて見た時のような衝撃・感動を赤い稲妻に乗せて届けていきたい、と考えており、僕がそうする事で、地域密着型プロチーム<宇都宮ブリッツェン>を知ってもらい、地域の活性化に一役かえれば。と思っています。

これからも、変わらぬ応援のほど、よろしくお願いいたします。


プロフィール
長沼 隆行 ながぬま たかゆき
1985年生 24歳
チーム結成デビュー戦の東日本ロード優勝で、柿沼監督を男泣きさせた宇都宮ブリッツェンの「山のエース」。今年はすでに、Jツアー第1戦東日本ロードレースと、Jツアー第5戦全日本実業団富士ヒルクライムで優勝している。

ブリッツェン宇都宮プロレーシングチーム公式サイト
Panaracer デュロ PT
パンクが多いことで知られる広島森林公園コースで開催されたロード全日本選手権において、「宇都宮ブリッツェン」を始めパナレーサーサポートのプロ4チームはパンクゼロを達成。PT(ProtectionTechnology)構造の優れた耐パンク性能を実証した。

700×23C/230g
700×25C/260g
ブラックサイド、ブラウンサイド


注)重量は平均重量のため実際の製品重量とは多少の誤差があります。
税込参考価格:5940円
Panaracerサポート選手の注目リザルト 2009年6月
ツール・ド・コリア(UCI 2-2) チーム総合1位
EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン
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Jサイクルツアー第3戦 全日本実業団個人タイムトライアル 総合2位
長沼隆行選手(宇都宮ブリッツェン)
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全日本選手権タイムトライアル 4位
岡崎和也選手(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)
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実業団西日本ロード 女子優勝
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真鍋和幸選手(NIPPOコルナゴ)
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トライアスロン アイアンマンジャパン五島長崎 総合11位
谷新吾選手
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