ロードレースメジャー化に向けて!

誰もが注目したJサイクルツアー開幕戦、全日本実業団東日本ロードを制したのは赤い稲妻「宇都宮ブリッツェン」だった。しかし、エースの清水は考える。「勝つだけではだめなんだ」と。彼の胸に期するものとは。

ロードレーサーなら誰もが耳にした事があるであろう、アジア最大の1dayレース「ジャパンカップ」。その開催地宇都宮で、日本初となる地域密着型プロチーム『宇都宮ブリッツェン』が産声を上げてから早くも4ヶ月が経とうとしています。

宇都宮を初めて訪れた4ヶ月前、ジャパンカップが開催される街なので、市民の皆さんのロードレースへの関心度も高いだろうと思っていたのですが、残念ながら思ったほどロードレースのことはあまり浸透していませんでした。

清水良行とチームカーのスバル・レガシイツーリングワゴン清水良行とチームカーのスバル・レガシイツーリングワゴン ジャパンカップという大会の名前は知ってもらえているのですが、具体的に何をどうするのかは知られていないのが現状です。まずこの街を『自転車の街』に変えて行こう! ここから僕達の挑戦は始まりました。

僕は昨年までの3シーズン、ヨーロッパを中心にロードレース活動をしてきました。ヨーロッパの第一線で走れる様になる事こそがプロロードレーサーだと思い、プロ入りしてから直ぐ、環境が厳しくても、がむしゃらにヨーロッパで走って来ました。しかし以前から、我が国日本のロードレースをもっと盛り上げる事は出来ないだろうか?という考えもありました。

ヨーロッパでロードレースは、プロスポーツとして世間に認められています。しかし日本でのロードレースの認知度は低く、プロスポーツとしてなかなか世間に認められていません。

僕は幼い頃から(小学生とか)当たり前の様に遊びの感覚で野球やサッカーをして来ました。それは日本では野球やサッカーがメジャースポーツで人気が高く、いつも身近にあるスポーツだからだと思います。その感覚でまず多くの人にロードレースを知って欲しい。

ロードレースもピラミッド型だと思います。まずは底辺(競技者人口)があって初めて高さ(強い選手)が生まれる。だから競技人口を増やし、その中で才能豊かな選手を発掘し、世界へと挑戦させる様にして行く過程を作りたいと思いました。

日本人が野球で世界一になった様に、ロードレースでも日本人は世界一を狙えます。まずは、日本のロードレースを盛り上げない事には日本でのロードレース認知度は上がらないし、才能豊かな選手は現れないだろうと考えました。

「ヨーロッパで築かれているあのロードレース人気を、日本でも展開したい。人任せではなく自分の力で少しずつ日本のロードレースを変えて行きたい」と思い、その動力源となるチームである宇都宮ブリッツェンに加入する事にしました。

市民イベントへの協力参加も積極的に行うのが宇都宮ブリッツェンのカラーだ市民イベントへの協力参加も積極的に行うのが宇都宮ブリッツェンのカラーだ 活動は今まで通りレース活動を中心として、その他にも自転車普及の為の自転車スクールやサイクルイベント、そしてPR活動(ラジオ・TV出演等)も積極的に行っています。日本のロードレースを盛り上げる為には、まず1人でも多くの人にロードレースに興味を持って頂かない事には始まりませんから。

簡単に言うと、レースで勝つだけではダメなんです。勝つ事はもちろん大切ですが、僕達地域密着型チームは、レースで勝利して周りを惹きつけ、1人でも多くのファンを増やしながら(ロードレースを知ってもらいながら)、スポンサーを獲得して行かなければなりません。

レースに勝って自己満足で終わってしまったら、次に何も生まれないんです。地道にコツコツと自転車普及活動やPR活動を行ってきて、少しずつ宇都宮の街にロードレースが浸透して行っているのが実感出来ます。

例えば、ラジオの生放送に出演した日の帰りに食堂に寄ったら、たまたまそこに居たお客さんから『ラジオ聞いてました。頑張って下さい!』と言われたり、ロードレーサーで街中を走っていたら声を掛けられたり、交差点の一時停止を無視して進んだら、それを見ていた御方から注意の電話が事務所に入ったりとか、少しずつ「見られるチーム」に変わってきています。

活動の成果が、良い意味でも悪い意味でも身近に実感できるのが地域密着型チームの良い所だと思っています。地道にコツコツと、焦らず正確に真っ直ぐな気持ちでやって行きたい。

Jツアー第1戦 東日本ロードレース メイン集団から抜け出す清水良行Jツアー第1戦 東日本ロードレース メイン集団から抜け出す清水良行 photo:Hideaki.TAKAGI 今回は宇都宮で始まった地域密着型チームですが、今後は国内にこういったチームが増えて行くのが理想です。だから地域密着型プロチーム第1期生の僕達が失敗する訳にはいかないんです!

今シーズン、僕はチームからエースの役職を頂きました。初めての経験だし、エースと言う言葉を言われてもまだピンと来ないし、自分の中でまだエースという存在になることができているとは思っていません。

昨シーズンまで僕はアシスト選手でした。アシストというのは簡単に言うとエースの風避け。自分の成績を問わず、エースが勝てる様にアシストする事です。
だからエースは絶対的存在でなくてはならないし、アシスト選手から「この人の為なら自分が犠牲になれる」と思ってもらえるようでなくてはエースは務まらない。日々の練習から生活態度までもが大切です。

一つの目標として言えるのは、各レースのスタートラインに並ぶ時にエースと言う存在に成れている事。「今年は自分が成績を出さなければならない」そう考えるだけでプレッシャーで逃げ出したくなる時もあります。

しかし、1人で戦うのではなくチームメイト・スタッフ・応援してくれるファンの方々と一緒に戦うんだと考えれば、凄く強い気持ちになれます。自分のひとり相撲になるのではなく、チーム全員で戦って行くチームを目指します。

栃木県庁の前に集結する宇都宮ブリッツェンのフルメンバー栃木県庁の前に集結する宇都宮ブリッツェンのフルメンバー
今後の僕達の活動成果を問われるのが、10月に宇都宮で開催されるジャパンカップ。どれだけの「ブリッツェンファン」に足を運んで貰えるかどうかが勝負だと思っています。

僕達の挑戦は始まったばかり。
ロードレースのメジャー化を目指して、今日もチームメイトと一丸になり頑張ります。

プロフィール
清水 良行 しみず よしゆき
1982年生 27歳
岡山県出身。3シーズンをイタリアを中心とするヨーロッパで活動。今年初めてシーズンを通した国内活動をすることに。国体トラック競技での優勝経験を持つスピードマン。

宇都宮プリッツェンプロレーシングチーム公式サイト
Panaracer バリアントEVO3 PT
東日本ロードで優勝した宇都宮ブリッツェン・長沼選手が使用していたタイヤ。PT(ProtectionTechnology)シールド構造の採用で、グリップ性能、転がり抵抗、耐パンク性能を高次元でバランスさせたオールラウンドレーシングモデル。

700×23C/230g
700×25C/260g
ブラックサイド、レッドサイド
注)重量は平均重量のため実際の製品重量とは多少の誤差があります。

税込参考価格:5660円
Panaracerサポート選手の注目リザルト 2009年4月
ツール・ド・フィニステール(UCI 1-1) 28位
グレゴール・ガズヴォダ選手(スロベニア、EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)
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トロ・ブロ・レオン(UCI 1-1) 52位
岡崎和也選手(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)
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ツール・ド・八ヶ岳 チャンピオンクラス 3位
細田雄一選手(稲毛インター)
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Jグランプリ第4戦 クリテリウムin舞洲 JCFエリート 3位
辻俊行選手(TACURINO-KS Material)
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Jサイクルツアー第1戦 東日本ロード 優勝&2位
優勝 長沼隆行選手(宇都宮ブリッツェン)、2位 辻善光選手(マトリックス パワータグ コラテック)
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ツール・ド・ブルターニュ(UCI2.2)個人総合37位
清水都貴選手(EQA・梅丹本舗・グラファイトデザイン)
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トライアスロン ITU ワールドカップ 石垣島大会 17位
細田雄一選手(稲毛インター)
第113回 ボストンマラソン(アメリカ) 車イス女子 優勝(3連覇)
土田和歌子選手(サノフィ アベンティス)
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