シクロクロスUCIワールドカップ第7戦がベルギーのゾルダーで開催された。コースはサーキットを使った高低差と直線区間の多いレイアウト。テクニックとパワーを要する厳しいレースを制したのはエリートカテゴリーで2勝目となるケヴィン・パウエルズ(ベルギー、テレネット・フィデア)だった。

リードを広げる ケヴィン・パウエルズ(ベルギー・テレネット・フィデア)リードを広げる ケヴィン・パウエルズ(ベルギー・テレネット・フィデア) photo:CorVos12月26日、ベルギーのゾルダーでシクロクロス・ワールドカップ第7戦が開催された。会場となったのはリエージュ地方に位置するゾルダーサーキット。かつてF1が開催されたことのあるサーキットで、2002年に同会場で開催されたロード世界選手権では、マリオ・チッポリーニが優勝している。

サーキットのオンロードから、サーキット脇のオフロードに入り込むようにしてシクロクロスのコースが設置され、オフロード区間は難易度の高い上りや下りの連続となる。

欧州を襲った寒波はしばし勢力を弱め、ここ数日は気温の高い日が続き、先週末に積もった雪はほぼ溶けている。とはいえ、朝の冷え込みは氷点下となるため、路面は凍り、さらにサーキット区間は、クルマのオイルがしみ込んで非常に滑りやすい状態でレースは開催された。

序盤から好調だったのは優勝したケヴィン・パウエルズ。ラボバンクの2選手とともに早い段階から先頭パックを形成し、有力選手を擁する追走パックをリードする。追走パックには、現段階でポイント首位につける世界チャンピオン、ニールス・アルベール(ベルギー、BKCPパワープラス)、彼を追うスヴェン・ネイス(ベルギー、ランドバウクレジット)、ゼネク・スティバル(チェコ、テレネット・フィデア)らが入る。

斜陽を浴びてゴールするケヴィン・パウエルズ(ベルギー・テレネット・フィデア)斜陽を浴びてゴールするケヴィン・パウエルズ(ベルギー・テレネット・フィデア) photo:CorVos中盤になり、追走パックからアルベールが抜け出し、先頭パックに合流。ほどなくして、ラボバンクの2選手が脱落し、勝負はパウエルズとアルベールに絞られるが、パウエルズの勢いは止まらない。最後は単独で両手を挙げて夕陽をバックにゴールラインへ飛び込んだ。

パウエルズはジュニア時代に世界チャンピオンを獲得している25歳。熾烈なポイント争いを繰り広げる有力選手たちを押さえての堂々たる勝利。シリーズランキングを8位から5位にランクアップさせた。

ランキングトップは今大会2位につけたアルベールが維持。ワールドカップの残りは2戦。ランキング2位のスティバルにも逆転の可能性が大いにあり、熱戦が繰り広げられるだろう。

ニールス・アルベール(ベルギー、BKCPパワープラス)が2位となりランキングトップを維持ニールス・アルベール(ベルギー、BKCPパワープラス)が2位となりランキングトップを維持
日本から参戦した辻浦圭一は44位、松井正史59位/エリート、豊岡英子は28位/女子、竹之内悠は42位/アンダー23でレースを終えている。


●リザルト●
エリート男子
1位 ケヴィン・パウエルズ(ベルギー・テレネット・フィデア) 1h04'30"
2位 ニールス・アルベール(ベルギー、BKCPパワープラス) +22"
3位 スヴェン・ネイス(ベルギー、ランドバウクレジット)+33"
44位 辻浦圭一(日本・チームブリヂストンアンカー)+5'14"
59位 松井正史(日本・シマノドリンキング)-6Lap

女子
1位 マリアンヌ・フォス(オランダ)43'27"
2位 キャサリン・コンプトン(アメリカ)+25"
3位 ダフニー・ファンデンブラント(オランダ)1'12"
28位 豊岡英子(日本・パナソニックレディーズ)6'58"

U23
1位 トム・ムーセン(ベルギー)51'51"
2位 エリア・シルベストリ(イタリア)+14"
3位 ティグマン・エイシング(オランダ)+24"
42位 竹之内悠(日本・TREK)
優勝したケヴィン・パウエルズ(ベルギー・テレネット・フィデア/中央)優勝したケヴィン・パウエルズ(ベルギー・テレネット・フィデア/中央) photo:CorVos

text&photo:Sonoko Tanaka
photo:CorVos

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