3月25日に行なわれたセッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ第3ステージ。終盤に飛び出したプリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ)が逃げ切り勝利を飾り、昨年ジャパンカップで3位に入ったイヴァン・サンタロミータ(イタリア、リクイガス)が総合首位に立った。

サンタロミータとのスプリントを制したプリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ)サンタロミータとのスプリントを制したプリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ) photo:www.gsemilia.itエミリア・ロマーニャ州の内陸部を舞台にした第3ステージは、標高600級の山岳が多数設定された山岳ステージ。ゴール39km手前のバリガッツォ峠(標高1217m)と、ゴール8km手前で登場するヴァリコ・ディ・ガイアート(最大勾配11%)が勝負どころだ。

レース序盤から逃げを試みたルーベンス・ベルトリアーティ(スイス、アンドローニ・ジョカトーリ)ら6名は、バリガッツォ峠の上りで全て吸収。この上りでアタックが決まらず、集団が一つのまま頂上を通過した。

表彰台 中央は総合リーダーのイヴァン・サンタロミータ(イタリア、リクイガス)表彰台 中央は総合リーダーのイヴァン・サンタロミータ(イタリア、リクイガス) photo:www.gsemilia.itゴール20km手前で動いたのは、昨年のTOJ(ツアー・オブ・ジャパン)覇者セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)やルスラン・ピドゴルニー(ウクライナ、ISD・ネーリ)ら16名。この先頭グループから、ゴール15km手前で更に山岳賞ジャージを着るプリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ)と、総合2位イヴァン・サンタロミータ(イタリア、リクイガス)が飛び出した。

ニエミエツとサンタロミータの2人は協力して後続を引き離し、ゴール8km手前のヴァリコ・ディ・ガイアートも越えてゴールへ。リカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)やホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ)の追撃は届かず、スプリント一騎打ちを制したニエミエツが優勝した。

ニエミエツはポーランド出身のクライマーで、2002年のプロデビュー以降ずっとイタリアチームに所属している。昨年ジロ・デル・トレンティーノの難関山岳ステージで強豪を抑えて優勝。トゥールマレー峠が設定されたルート・ドゥ・スッドでは総合優勝。今シーズン初勝利を飾った29歳の中堅選手は総合3位に浮上した。

そして、ステージ2位のサンタロミータがチームメイトのオリバー・ザウグ(スイス)からリーダージャージを受け継いだ。「僕は生粋のクライマー。スイス国境の近くに住んでいて、バッソとよくトレーニングを積んでいる。彼の存在が僕の成長を後押ししているんだ。明日はスプリンター向きなので、チームの戦略はキッキのステージ優勝狙い。そして明後日の最終日で総合成績が決まる。生まれて初めて手にしたリーダージャージを守り切ってみせるよ」。昨年のジャパンカップで3位に入ったサンタロミータはチームリーダーとして大会制覇を目指す。

注目のリカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)は2日連続ステージ3位に。総合ではサンタロミータとタイム差58秒の総合2位につけている。「今日は地元のコースだったけど、観客の声に応えることは出来なかった。脚の感触が良くなかったんだ。明後日のステージに全力投球するよ」。果たしてリッコは地元エミリア・ロマーニャの復帰第一戦で、リクイガスの牙城を崩すことが出来るだろうか。

レース展開はレース公式サイト、選手コメントはガゼッタ紙より。

セッティマーナ・コッピ・エ・バルタリ2010第3ステージ結果
1位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ)            4h47'44"
2位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、リクイガス)
3位 リカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)            +48"
4位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)     +49"
5位 セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)          +55"
6位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ)         +1'13"
7位 フォルトゥナート・バリアーニ(イタリア、ミケ)             +1'31"
8位 ルスラン・ピドゴルニー(ウクライナ、ISD・ネーリ)
9位 リカルド・キアリーニ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)
10位 レオナルド・ベルタニョッリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)

個人総合成績
1位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、リクイガス)           11h13'40"
2位 リカルド・リッコ(イタリア、チェラミカ・フラミニア)            +58"
3位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ)              +1'12"
4位 ホセ・セルパ(コロンビア、アンドローニ・ジョカトーリ)          +1'27"
5位 リカルド・キアリーニ(イタリア、デローザ・スタックプラスチック)     +1'46"
6位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、コルナゴ・CSFイノックス)     +1'55"
7位 セルヒオ・パルディージャ(スペイン、カルミオーロ・NGC)          +2'01"
8位 レオナルド・ベルタニョッリ(イタリア、アンドローニ・ジョカトーリ)    +2'07"
9位 ルスラン・ピドゴルニー(ウクライナ、ISD・ネーリ)             +2'16"
10位 ジャクソン・ロドリゲス(ベネズエラ、アンドローニ・ジョカトーリ)     +2'34"

ポイント賞
フランチェスコ・キッキ(イタリア、リクイガス)

山岳賞
プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ミケ)


アンドローニ・ジョカトーリ

text:Kei Tsuji
photo:Cor Vos

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