2010年4月14日、スペインで第25回ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン(UCI2.1)が開幕。初日の集団スプリントでテオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム)が優勝を飾った。パリ〜ルーベから連戦の別府史之(日本、レディオシャック)は18位で初日を終えている。

ミゲール・インドゥラインとアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)ミゲール・インドゥラインとアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) photo:Vuelta Ciclista a Castilla y León1985年に第1回大会が開催され、今年で開催25回目を迎えるブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオンは、その名の通りスペイン北部のカスティーリャ・イ・レオン州を舞台にしたステージレース。5日間の短い日程ながら、カテゴリー1級の頂上ゴールや15kmの個人タイムトライアルが設定された本格派だ。

昨年は新城幸也(Bboxブイグテレコム)が出場し、個人TTでリードを広げたリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、当時アスタナ)が総合優勝。ランス・アームストロング(アメリカ、当時アスタナ)はこのスペインレースで鎖骨を骨折した。2009年大会の模様はこちら

笑顔で第1ステージを走るアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)笑顔で第1ステージを走るアルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ) photo:Vuelta Ciclista a Castilla y León例年3月下旬に開催されていたが、ツアー・オブ・カリフォルニアが2月から5月に開催時期を移した影響で、5月下旬〜6月上旬に開催されていたボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャが3月下旬に。その煽りを受けて、カスティーリャ・イ・レオンの開催時期は今年から4月下旬に移された。

レースには過去に2度総合優勝しているアルベルト・コンタドール(スペイン)擁するアスタナを始め、ケースデパーニュ、エウスカルテル、フットオン・セルヴェット、ラボバンク、レディオシャックが出場。

アスタナがコントロールするメイン集団アスタナがコントロールするメイン集団 photo:Vuelta Ciclista a Castilla y León総合優勝候補はコンタドールの他にもデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)やティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック)、イゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル)、エセキエル・モスケラ(スペイン、シャコベオ・ガリシア)。パリ〜ルーベを走り終えたばかりの別府史之(レディオシャック)も出場した。

開幕を告げる第1ステージはカスティーリャ・イ・レオン州北部のブルゴスにゴールする比較的平坦な157kmのコース。序盤からアタックが繰り返され、数名が逃げては吸収されて行く。この日最大の逃げもタイム差は3分止まり。

ブラウンらを敗ったテオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム)ブラウンらを敗ったテオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム) photo:Vuelta Ciclista a Castilla y León結局逃げはラスト4kmで全て吸収され、サーヴェロ・テストチーム主導の集団スプリントへ。グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)の力を持ってしてもサーヴェロの牙城は崩れず、テオ・ボスが持ち前のスプリント力を発揮して勝利した。

テオ・ボスは言わずと知れたトラックスター。2004年のアテネ五輪のスプリント銀メダリストで、世界選手権ではスプリントで3度世界チャンピオンに。1kmタイムトライアルとケイリンでも世界の頂点に輝いている。

今シーズン3勝目を飾ったテオ・ボスは、サーヴェロ・テストチームの公式サイトの中で「今日のチーム戦略は集団スプリントで勝つこと。ラスト25kmを全力で牽き続け、逃げを吸収してスプリント勝負に持ち込む作戦だった。先週末のパリ〜ルーベの疲れが残っていたので完調は言えなかったけど、チームメイトのおかげで良いポジションをキープ出来た。他のスプリンターが動くのを待ってから勝負したんだ。明日はまたチャンスがあるかもしれない。全力でステージ優勝を狙うよ」とコメント。総合リーダージャージに袖を通した。

別府史之は集団前方の18位でゴール。コンタドールはそのすぐ後ろの19位でゴールしている。

レース展開はレース公式サイトより。

ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン2010第1ステージ結果
1位 テオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム)          3h52'08"
2位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
3位 パブロ・ウルタスン(スペイン、エウスカルテル)
4位 パブロ・ラストラス(スペイン、ケースデパーニュ)
5位 フィリペ・カルドソ(ポルトガル、ラ・ロタ・ドス・モベイス)
6位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック)
7位 ミカエル・カヴィアトコブスキ(ポーランド、カハ・ルラル)
8位 エドガー・ピント(ポルトガル、ラ・ロタ・ドス・モベイス)
9位 ハビエル・アラメンディア(スペイン、エウスカルテル)
10位 エドワード・キング(アメリカ、サーヴェロ・テストチーム)
18位 別府史之(日本、レディオシャック)

個人総合成績
1位 テオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム)          3h52'08"
2位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
3位 パブロ・ウルタスン(スペイン、エウスカルテル)
4位 パブロ・ラストラス(スペイン、ケースデパーニュ)
5位 フィリペ・カルドソ(ポルトガル、ラ・ロタ・ドス・モベイス)
6位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック)
7位 ミカエル・カヴィアトコブスキ(ポーランド、カハ・ルラル)
8位 エドガー・ピント(ポルトガル、ラ・ロタ・ドス・モベイス)
9位 ハビエル・アラメンディア(スペイン、エウスカルテル)
10位 エドワード・キング(アメリカ、サーヴェロ・テストチーム)
18位 別府史之(日本、レディオシャック)

ポイント賞
テオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム) 

山岳賞
イバン・マヨス(スペイン、フットオン・セルヴェット)

チーム総合成績
ケースデパーニュ

text:Kei Tsuji
photo:Vuelta Ciclista a Castilla y León