2010年4月15日、ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン(UCI2.1)第2ステージで再びテオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム)のスプリントが炸裂した。小豆色のリーダージャージを着るボスは、グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)を下して2連勝。

ラボバンクのペースアップによってラスト17kmで集団分裂ラボバンクのペースアップによってラスト17kmで集団分裂 photo:Vuelta a Castilla y León今大会最長の209.9kmで行なわれた第2ステージ。中盤に設定された3級山岳を除いてフラットなコースレイアウトだ。

序盤から逃げを試みたのは、イバン・マヨス(スペイン、フットオン・セルヴェット)やステフェン・クルイスウィック(オランダ、ラボバンク)ら4名。前日にも逃げ、山岳賞ジャージを着るマヨスは3級山岳を先頭通過。山岳賞のリードを広げることに成功している。

2日連続でブラウンを下したテオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム)2日連続でブラウンを下したテオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム) photo:Vuelta a Castilla y León最大6分のリードを得た逃げグループだったが、サーヴェロ・テストチームやアスタナの集団コントロールによりそのリードは縮小。結局ゴールまで17kmを残して逃げは吸収。ここからラボバンクがペースアップを図ると、先頭集団は22名に絞られた。

アスタナやラボバンクが先頭集団にライダーを多数送り込む中、リーダージャージを着るボスは孤立してしまう。やがて後方から続々と選手が合流し、集団は50名ほどに膨れ上がった状態でゴールになだれ込んだ。

前日2位のグレーム・ブラウン(オーストラリア)を何とか勝たせたいラボバンクが集団を率いてゴールスプリントに突入。先頭でスプリントを開始したブラウンには、リーダージャージのボスが対抗した。

2人が横に並んでスプリントを繰り広げたブラウンとボス。ダンシングでスピードを乗せ、シッティングで最後まで追い込んだボスが先着した。

ポイント賞ジャージを袖を通したテオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム)が花束スローポイント賞ジャージを袖を通したテオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム)が花束スロー photo:Vuelta a Castilla y Leónボスはステージ2連勝。サーヴェロ・テストチーム公式サイトの中でボスは「ラスト20kmを切ってからラボバンクがスピードを上げたとき、いつのまにか集団が20名弱に絞られていた。その時点で周りにチームメイトが誰もいなかったけど、遅れてステファン(デニフル)が合流。ステファンにはゴール前で助けられたよ。とにかく今日は距離の長いステージだったので、厳しいレースだった」とレースを振り返る。

ボスは総合首位をキープ。しかし翌日はカテゴリー1級の頂上ゴールが設定された今大会最難関の山岳ステージ。ボスがリーダージャージを失うことは確実だ。

アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)やデニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)を始め、総合有力選手たちは先頭集団でゴール。ティアゴ・マシャド(ポルトガル)やヤネス・ブライコヴィッチ(スロベニア)のアシストに徹する別府史之(レディオシャック)も先頭集団でゴールしている。

レース展開はレース公式サイトより。


ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオン2010第2ステージ結果
1位 テオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム)          4h45'55"
2位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
3位 オスカル・グラウ(スペイン、ブルゴス2016・カスティーリャ)
4位 パブロ・ウルタスン(スペイン、エウスカルテル)
5位 エンリケ・マタ(スペイン、フットオン・セルヴェット)
6位 フィリペ・カルドソ(ポルトガル、ラ・ロタ・ドス・モベイス)
7位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)
8位 ステファン・デニフル(オーストリア、サーヴェロ・テストチーム)
9位 デニス・メンショフ(ロシア、ラボバンク)
10位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック)
43位 別府史之(日本、レディオシャック)

個人総合成績
1位 テオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム)          8h38'03"
2位 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ラボバンク)
3位 パブロ・ウルタスン(スペイン、エウスカルテル)
4位 フィリペ・カルドソ(ポルトガル、ラ・ロタ・ドス・モベイス)
5位 ティアゴ・マシャド(ポルトガル、レディオシャック)
6位 エドガー・ピント(ポルトガル、ラ・ロタ・ドス・モベイス)
7位 アルベルト・コンタドール(スペイン、アスタナ)
8位 アルノー・ジャネソン(フランス、ケースデパーニュ)
9位 ダビド・ガルシア(スペイン、シャコベオ・ガリシア)
10位 マヌエル・アントン(スペイン、ブルゴス2016・カスティーリャ)
27位 別府史之(日本、レディオシャック)

ポイント賞
テオ・ボス(オランダ、サーヴェロ・テストチーム) 

山岳賞
イバン・マヨス(スペイン、フットオン・セルヴェット)

チーム総合成績
ラボバンク

text:Kei Tsuji
photo:Vuelta a Castilla y León