自転車が盗難されそうになると、警告アラームを鳴らすと同時に連携したスマホに通知してくれるオルターロック。万が一持ち去られてしまった場合でも内蔵GPSによって追跡可能な盗難防止・追跡デバイスが、第2世代にアップデートされている。



デバイスの屈曲によってエアロを阻害しない作りとなった 新型オルターロックデバイスの屈曲によってエアロを阻害しない作りとなった 新型オルターロック
2019年にデビューした自転車向けスマートデバイスのオルターロック。振動を検知できるセンサーを搭載し、誰かが愛車を持ち去ろうとした際にそのセンサーが反応すると、その場でアラームを鳴らすとともにペアリングしているスマホに通知してくれるという盗難防止デバイスだ。

さらにアラーム音を無視して持ち去られてしまった場合に備え、オルターロックはGPS(位置測位機能)を装備。一定の間隔でGPSをトラッキングすることで、愛車がどこに持ち去られてしまったのかをスマホ上で確認することが可能となっている。スマホが示す場所の周辺を調べることで、愛車を見つけられる可能性が向上している。

これらの機能を実現する上で重要なポイントは、SigfoxというIOT向けの遠距離通信規格を使用していること。現在スマートロックと呼ばれているものの多くはBluetoothによってスマホとペアリングしており、Bluetoothの通信圏外に出てしまうと機能が活かせないという弱点を抱えていた。オルターロックではBluetoothとSigfoxを併用し、それぞれの役割を持たせることで、スムーズな操作と遠距離での通信による通知を受け取ることが可能となっている。

サイドからみるとボトルケージと馴染んでいるサイドからみるとボトルケージと馴染んでいる

この基幹機能をそのままにハードとソフトの両面からブラッシュアップした第2世代がデビューしている。使い勝手の向上や不具合発生のリスクを抑えるための改良と、ロードバイクのスッキリとしたルックスを崩さない筐体への変化が大きなポイントだ。

ボディはエアロロードの扁平なチュービングにもマッチするスリムな形状に。重量も46g(ボルトなし)、53g(ボルトあり)と軽量になっている。非常に限られたスペースに電子機器を詰め込んでいるが、今作ではボルトを通す部分を別パーツにするなど、構造自体を進化させることで、最大4Nmまで取り付けネジの締め付けトルクを向上させた。しっかりとボルトで固定しつつ、中の電子機器を守れる仕様となっている。

筐体のスリム化に加え、アラームの音を外に届けるための穴が前作に比べてサイズアップしていることも、見て取れる変化の一つ。音量自体も前作よりも15dBアップした最大98dBまで向上しており、音圧自体は約3倍に達しているという。オルターロックが異変を検知したら、大きな音で周囲の目をひきつけやすくなるため、盗難抑止となる可能性も大きくなっているはずだ。

アラーム部分の穴も前作に比べると大きくなっている。ボルト取り付け位置も別パーツで補強しているアラーム部分の穴も前作に比べると大きくなっている。ボルト取り付け位置も別パーツで補強している 横幅がコンパクトとなった新型オルターロック横幅がコンパクトとなった新型オルターロック

デバイスとボルトの合計重量は53gデバイスとボルトの合計重量は53g
ソフト面では振動検知に関わるアルゴリズムをアップデートしている。特に横方向から小突かれるような衝撃に対する反応をブラッシュアップしており、イベント会場や駐輪場で不意に当てられた時にアラーム/通知が作動しにくくなっている。もちろん、自転車をラックから降ろす、自転車に乗るなど盗難と思われるような動きに対しては反応するようにチューニングは施されている。

また、自転車を離れ盗難防止機能をスタンバイ状態にする部分も第2世代では変更されている。これまではスマホとオルターロックとのBluetooth連携が切れた時にスタンバイ状態にするオートガードモードが備えられていたが、確実にスタンバイ状態にセットできるよう手動設定のみの仕様となった。

クリック感のある物理ボタンによってスタンバイのオン/オフを操作できるクリック感のある物理ボタンによってスタンバイのオン/オフを操作できる
この変更のために、スマホからの操作だけではなく、デバイスに備えられた物理ボタンでスタンバイのオン/オフが可能となっている。物理ボタンから操作を行うと、オルターロックは確認のためのビープ音を鳴らしてくれるため、ボタンを押せているかどうかの判断はつきやすい。スタンバイ操作のためにワンアクション必要となるが、オン/オフを切り替える方式となったことで、不具合も起きにくく愛車を守るための装備としては安心感は増したと言えるだろう。

今作の位置測位システムはGPSに加えてWi-Fiでも行われるようになった。GPSが位置を捉えにくい屋内などでも、Wi-Fiのアクセスポイントがあればオルターロックは位置情報を取得することが可能。屋内駐輪場などに停める場合でも安心できるようになっているはずだ。

充電はデバイス上部に備えられたUSB Type-Cで行う充電はデバイス上部に備えられたUSB Type-Cで行う
アプリも初代のリリース時よりガラリと変わっており、より直感的に操作しやすいシンプルな作りになっている。振動検知時だけではなく常時、定期的に位置情報を取得する"定期送信"や、"アラームの鳴動回数"など設定できる項目も増加している。

デバイス単体の価格は税込で10,780円、サービス料はサービスの利用料は月額の場合は396円、年額プランの場合は3,960円。現在販売されているファーストロットは店舗在庫のみ、次回入荷は8月を予定しているとのこと。気になる方はチェックをしておこう。

シンプルな画面となり直感的に操作が行えるシンプルな画面となり直感的に操作が行える 詳細設定には昨日の説明なども記載されているためわかりやすい詳細設定には昨日の説明なども記載されているためわかりやすい トップページの情報タブからバイクの情報やメンテナンス記録、ニュースなどを確認することができるトップページの情報タブからバイクの情報やメンテナンス記録、ニュースなどを確認することができる




オルターロック ジェネレーション2
サイズ :長さ159mm×幅38mm×厚さ9mm
重量:約50g
稼働時間:最大1.5ヶ月(再充電可)
通信方式:Bluetooth Low Energy / Sigfox
測位方式:GPS(GNSS) / Wi-Fi
防塵/防水:IP66
価格(税込):10,780円(盗難防止ボルト付き11,660円)
サービス料(税込):月額396円(年額プラン3,960円)