今回は、ボーラ・ハンスグローエのバイクをピックアップ。第12ステージで独走勝利を挙げたニルス・ポリッツや、第16ステージで逃げ切ったパトリック・コンラッドらが使用したのはスペシャライズドのオールラウンダー、TARMAC SL7、そしてSHIV TTだ。



パトリック・コンラッドのスペシャライズド TARMAC SL7パトリック・コンラッドのスペシャライズド TARMAC SL7 photo:Makoto AYANO
ペテル・サガン(スロバキア)によるマイヨヴェール獲得を目指し、ツールへと乗り込んだが、第12ステージでサガンはDNS。しかし、同ステージで逃げから単独でフィニッシュへと駆け込んだニルス・ポリッツが今ツール初勝利をチームにもたらした。

更に16ステージではパトリック・コンラッドによって、もうひとつの逃げ切り勝利を獲得。当初予定していたのとは異なる形ではあっただろうが、チームとしては大きな成功を収めることとなった。

ホイールはロヴァールのRapide CLXをメインに使用ホイールはロヴァールのRapide CLXをメインに使用 photo:Makoto AYANOバーテープはスパカズバーテープはスパカズ photo:Makoto AYANOローターはDURA-ACEグレードのSM-RT900を採用ローターはDURA-ACEグレードのSM-RT900を採用 photo:Makoto AYANO


そんなボーラ・ハンスグローエの走りを支えているのはスペシャライズドのTARMAC SL7、そしてTTバイクのSHIV TTだ。ノーマルロード、TTバイク共にディスクブレーキモデルというのも去年から継続している。

シマノグローバルサポートチームであるボーラのコンポーネントはもちろん油圧ディスクブレーキのDURA-ACE DI2。軽量性、そして横風の影響を重視してXTRのディスクローターを選択するチームも存在するが、ボーラは全選手がDURA-ACEグレードのSM-RT900を使用していることが大きな特徴。パワーメーターもシマノ純正のFC-R9100-Pを採用する。

TTバイクもディスクブレーキモデルのSHIV TTTTバイクもディスクブレーキモデルのSHIV TT photo:Makoto AYANO
3Dプリントと思わしき複雑な形状のDHバーを使用する選手も3Dプリントと思わしき複雑な形状のDHバーを使用する選手も photo:Makoto AYANOサドルの先端部分に滑り止めを施す。前乗り前提のTTバイクならではの工夫だサドルの先端部分に滑り止めを施す。前乗り前提のTTバイクならではの工夫だ photo:Makoto AYANO


ハンドル/ステムはTARMAC SL7の純正モデルを使用する選手もいれば、PRO製品をチョイスする選手も。極太のVIBE SPRINTステムとVIBEアルミハンドルをセットするのはサガンの女房役であるダニエル・オス。一方、パトリック・コンラッドはステム一体型ハンドルのSTEALTH EVOを使用していた。。

ホイールはロヴァールのRapide CLXとAlpinist CLXをステージ毎に使い分けている。昨年はチューブラータイヤへのリクエストが強かったのか、旧モデルでもあるCLX50を使う選手も見られたが、今ツールではほぼ全員がクリンチャーオンリーの新型を使用していた。タイヤはスキンサイドのTURBO COTTONをチョイスする選手が多数。チューブラーに近いしなやかな乗り心地が好評なのだろうか。

極太のVIBE SPRINTステムを使用するダニエル・オス極太のVIBE SPRINTステムを使用するダニエル・オス photo:Makoto AYANOパトリック・コンラッドはステム一体型ハンドルのSTEALTH EVOを使用パトリック・コンラッドはステム一体型ハンドルのSTEALTH EVOを使用 photo:Makoto AYANO


ダニエル・オスのバイクにはROMIN MIRRORのプロトタイプと思われるサドルが装着されていた。ダニエル・オスのバイクにはROMIN MIRRORのプロトタイプと思われるサドルが装着されていた。 photo:Makoto AYANO
サドルやボトルケージ、ヘルメットやシューズなどはスペシャライズド、サイクルコンピューターはワフーと昨年とほぼ同じ構成であるボーラだが、ダニエル・オスのサドルには要注目。3Dプリントによるパッドを採用していることが特徴だが、現在市販されているPOWER WITH MIRRORとは異なる形状、おそらくROMINシリーズのMIRRORエディションと思われるサドルが使用されていた。

text:Naoki Yasuoka
photo:Makoto AYANO

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