「8年前の優勝から時が経ったものの、私の走りは何も変わっていない」と語るのは、シクロクロス世界選手権女子エリートを制したマリアンヌ・フォス(オランダ)。2位のブラントや男子U23覇者ウィズーレ、女子ジュニアで優勝したバックステッドなどのコメントを紹介します。



女子エリート優勝 マリアンヌ・フォス(オランダ)

8年振りに世界選手権を奪還したマリアンヌ・フォス(オランダ)8年振りに世界選手権を奪還したマリアンヌ・フォス(オランダ) photo:Nobuhiko Tanabe
とても難しいレース、かつルシンダに勝つのが困難であることは明らかだった。レースでは彼女がプレッシャーをかけてきたので私もやり返した。彼女からリードを奪うことが難しかったので、心を落ち着かせ、最終周回にやるべき動きを実行した。前回の優勝から随分と時が経ったものの、私の走りは何も変わっていない。いつもの走りをしたまで。ただ、今年は特に家族とチームがサポートしてくれた。それがこの勝利につながったのだろう。

2位 ルシンダ・ブラント(オランダ)

ベルギー国内選手権に続いてマリアンヌ・フォス(オランダ)に破れたルシンダ・ブラント(オランダ)ベルギー国内選手権に続いてマリアンヌ・フォス(オランダ)に破れたルシンダ・ブラント(オランダ) photo:Nobuhiko Tanabe
最後のスプリント勝負はまるでトラック競技のようだった。力を尽くしての2位。私たちがペースを上げてもフォスは冷静についてきた。それが(レース中)とても気になっていた。その後彼女の爆発的なスプリントによって、あっという間に3mの差をつくられた。それが「追いかけなければ負ける」と思った瞬間だった。

全力を出した結果なので自分を責めるなんてことはしない。お互い知り尽くした仲で、互いにすべきことが分かっていたレースだった。彼女には、私にない大きな武器があっただけ。ロングスプリントをしようと思ったけれど、そこまで力が持たなかった。それでも今季は素晴らしいシーズンだと言える。

10位 サンヌ・カント(ベルギー)

ベルギー選手権王者のサンヌ・カントベルギー選手権王者のサンヌ・カント photo:Nobuhiko Tanabe
コースに埃がたくさん舞っていたせいで、まるでタバコを吸ったのかと思われるほど顔が汚れてしまった。今日の調子は悪くなかったが、最高でもなかった。終始自分のリズムを探しながら走っていた。

私は「フォスに勝つ選手がチャンピオンになるだろう」とレース前に言っており、どうやらそれが的中したみたい。自分が若い頃に憧れ、いまだにその気持ちが変わらないマリアンヌ(フォス)が勝利した。彼女は私のお手本で、彼女は多くが夢に見るしかできないほど数の世界タイトルを持っている。34歳になったいまも、彼女はいまだ世界のトップに君臨している。(31歳の)私にもまだ、望みはあるのかもしれない。



男子U23優勝 ヨラン・ウィズーレ(ベルギー)

ベルギーが2000年以来の男子U23レース表彰台独占に成功したベルギーが2000年以来の男子U23レース表彰台独占に成功した photo:Nobuhiko Tanabe
まだこの勝利が信じられない。この世界チャンピオンジャージを一生脱ぎたくないほど嬉しいよ。

いつもスタートが苦手なのだが、今日は上手くスピードに乗ることができた。最初の登りも上手くこなし、他の選手たちよりも速くクリアしている気がした。その後は加速が決まり、ライバルたちから数mの差をつけることができた。フルスピードで踏み切る方がチームメイトが後ろで良いポジションにつけるからね。そのおかげもあり、その後は自分のペースでラップを重ねることができたよ。

ベルギー人で表彰台を独占することができてとても嬉しい。特にチームメイトであるフェルストリンゲ(ベルギーU23王者)と一緒なんてこの上ない喜びだ。これで次のレースはお互いがチャンピオンジャージを着て臨むことができるのだから。



女子ジュニア優勝 ゾーイ・バックステッド(イギリス)

アルカンシェルを獲得した17歳ゾーイ・バックステッド(イギリス)アルカンシェルを獲得した17歳ゾーイ・バックステッド(イギリス) photo:Nobuhiko Tanabe
ベルギーで中止になった昨年の世界選手権からずっとこのアルカンシェルを目標に頑張ってきた。だから特別な気持ちがするし、あの大会中止が私のやる気に火をつけたんだ。

このコースは私に向いている大好きなレイアウトだった。昨日初めて走ったのだけど、今日よりも昨日の方が下りがスリッピーだった。だからこそ自信を持って走れたんだ。更に今朝はコースの一部が凍っていて、ますます私にとって良い条件が揃ったんだ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Nobuhiko Tanabe