マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)がミラノ〜サンレモで使用したドロッパーポストについて、UCI(国際自転車競技連合)が声明を発表。2014年に既に承認されており、一定の基準を守れば使用できる旨を明確化した。



シートポストを指差しフィニッシュするマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)シートポストを指差しフィニッシュするマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos
ミラノ〜サンレモから一夜明けた3月20日、UCIがドロッパーポストについて公式見解を明らかにした。「UCI機材委員会は2014年の時点でロードレースにおけるドロッパーシートポストの使用を承認している。その際はサドル高の最高位置と最低位置にある時に、UCI規則第1.3.013条で定める5cmのセットバック既定(サドルの先端部がボトム・ブラケットの中心を通る垂線より少なくとも5cm後方に位置しなければならない)を準拠する必要がある」と、条件とともに承認を改めて強調した。

ドロッパーポストとは乗車時にサドル高を上下できるシートポストのこと。ハンドルバーに装着したスイッチで操作が可能で、主にマウンテンバイクで使われる技術だ。3月19日開催のミラノ〜サンレモを制したマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)が、勝負所であるポッジオの下りで使い、またフィニッシュ時にシートポストを指差したことも相まって話題となった。

モホリッチはダウンヒルにおけるドロッパーポストの優位性について「サドルを下げることで重心が下がり、ハンドリング性とバイクコントロールが向上する」と説明。加えて「ドロッパーポストがなければ、身体の構造的にあれほどのスピードを出すことは不可能だっただろう」と、空力性能の向上にも繋がると語った。

ロードバイクにドロッパーポストを搭載する例はモホリッチが初めてではなく、2014年のツール・ド・フランスでヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナカザフスタン)がスペアバイクに使用し、2016年にはニバリやヤコブ・フルサン(デンマーク)などアスタナの選手たちが使う姿が確認されている。ちなみに当時の目的はレース中にサドル高を下げることで脚の負担を軽減することであり、下りのアドバンテージのためではなかった。

なお、モホリッチがメリダ SCULTURAで使用したドロッパーポストは、同メーカーとMTBで提携するフォックスのSL Performance Eliteであることが明らかとなっている。


text:Sotaro.Arakawa

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