引き続きデンマークを舞台としたツール2日目。スプリント勝利を挙げたファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)は「復活に向け力を貸してくれた人々に捧ぐ勝利」と語った。再び2位に終わったファンアールトやピーダスンなど、選手たちのコメントを紹介します。



区間優勝 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)

ステージ初優勝を飾ったファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル)ステージ初優勝を飾ったファビオ・ヤコブセン(オランダ、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:Luca Bettini
ここに辿り着くまで長いプロセスを経て、一歩ずつ確実に進んできた。その過程でたくさんの人の助けを借り、この勝利はそんな人達たちへの恩返しでもある。彼らの助けが決して無駄ではなかったと証明することができた。幸運にも僕はいま自転車競技を楽しむことができている。更に幸運にも勝利を掴むことができるまでになった。本当に信じられないし、ここまで連れてきてくれた人々に感謝を伝えたい。

チームのサポートのおかげもあり、橋を渡り切ってから何の問題もなく連続コーナーを抜け、最終ストレートに突入することができた。モルコフのリードアウトからファンアールトの背後につき、残り数百メートルでサガンと接触があったが、幸いお互い落車することもなかった。

残り150mからスプリントを開始して前にいた2人を追い抜いた。勝利を掴むことができて本当に嬉しい。レースを言葉で振り返るのは簡単だが、スプリントでは脚には痛みに苦しんでいた。

だがこのために僕らは日々トレーニングを重ね、勝利のためにレースを走っている。ツール・ド・フランスのステージ優勝だ。(自転車に乗り始めてからの)15年間、ずっと夢に見ていたことが現実になった。スプリンターとしてツールは大舞台であり、大きな声援を送ってくれたデンマークのファンに感謝したい。また、家で観戦してくれたファンも楽しめたレースだったら嬉しいね。

区間2位&マイヨジョーヌ ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)

ボーナスタイムにより総合首位に立ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)ボーナスタイムにより総合首位に立ったワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:Luca Bettini
もっと展開の多いステージになると思っていた。だが最後はそれほど悪くない結果に落ち着いた。ツールでのステージはいつも混沌としており、常に注意深くいなければならない。僕たちが強いチームであるおかげで、常に集団先頭にいることができた。特に中間スプリントポイントと最終スプリントでのクリストフ・ラポルトの働きは素晴らしかった。

マイヨジョーヌを袖に通すことができて特別な気持ちがするよ。これまで何度か(マイヨジョーヌ着用に)迫っていたものの、今回は見事に着ることができた。2日連続の2位は悔しいがマイヨジョーヌは良いご褒美となった。このジャージを誇りとともに守っていきたい。いまだステージ優勝を狙うチャンスはたくさんあるのだからね。

僕はヤコブセンを尊敬している。皆彼がどんな苦難を乗り越えここまでたどり着いたのか、よく知っているはずだ。それに彼はとてもいい奴なんだ。そんな彼にこそ今日の勝利はふさわしい。

区間3位 マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)

母国勝利にあと一歩まで迫ったマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)母国勝利にあと一歩まで迫ったマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsuji
観客が作る雰囲気はクレイジーなほど最高で、コースで応援してくれた全ての人々に感謝を伝えたい。このレースを特別なものにしてくれたおけげで、僕ら選手は鳥肌が立ちっぱなしだったよ。

残り200mからスプリントをはじめたのだが、最後はファビオが物凄いスピードで追い抜いていった。僕にできることは何もなかった。だから彼の勝利を祝福したい。単純に彼が僕よりも速かっただけだ。

勝利の争いに入ることができたので、今日の結果には概ね満足している。もし全てが僕の思い通りに進んだならば、スプリント勝利も可能だ。明日もデンマークで勝利する夢のチャンスはある。

区間4位 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ボーラ・ハンスグローエ)

リードアウトがいなくても、選手の背後を乗り換え勝負できるのが僕の持つ才能の1つだろう。橋の後は皆がフルガスの戦いだった。とても厳しい展開から早めにスプリントを開始したかったのだが、向かい風に阻まれた。そのため他の選手の飛び出しに反応するしかできなかった。だが4位という結果にはとても満足している。

区間6位 ペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)

デンマークでも高い人気を誇るペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)デンマークでも高い人気を誇るペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー) photo:Team TotalEnergies
デンマークで自転車競技が盛んであると知っていたが、その盛り上がりは予想をはるかに超えていた。スタートからフィニッシュまでコース脇を観客が埋め尽くしていた。もし橋での観戦が認められていたら、きっと何千人もの観客がいたのだろうね。

区間13位 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)

良い位置で橋を抜けることができた。また、集団が乱れた最初の右コーナーとその後の左コーナーでもその位置を保持することができた。しかしそこからフィニッシュまで向かい風が吹付け、僕のすぐ後ろで落車が起きるなど混沌とした展開となった。そこからのことはよく覚えていないのだが、どこかのチームのリードアウトを求めて必死に選手を探したんだ。

そして最終コーナーでヤコブセンとサガンの後ろという良いポジションについた。だがその瞬間、誰かが僕のリアディレイラーに触れて折り曲がってしまった。チェーンがスプロケットの上を滑っているのを感じ、構わずスプリントポイント獲得するために踏み込んだ。

更にフィニッシュライン直前でチェーンが11速とフレームの間に落ちてしまったんだ。だから最後はペダルを踏むこともできなかった。少なくともポイントを獲得できたので良かったかな。中間スプリントポイントでの調子は良く、フィニッシュでの脚も良かっただけに残念だよ。

text:Sotaro.Arakawa

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