ツール・ド・フランスで活躍したプロチーム機材特集最終回はB&Bホテルズ KTMの機材にフォーカス。KTMの新型の軽量オールラウンダーであるREVELATOR ALTO、エアロロードのREVELATOR LISSE、TTバイクのSOLUSを紹介しよう。



軽量オールラウンダーのREVELATOR ALTO。第3世代となる新型モデルだ軽量オールラウンダーのREVELATOR ALTO。第3世代となる新型モデルだ
フレンチチームとして、今年もワイルドカードでツールへと臨んだB&Bホテルズ KTM。ステージ優勝こそつかめなかったが、アレクシー・グジャール(フランス)が何度も逃げを試みるなど、見せ場を作るべく奮闘した。

そんなチームのバイクサプライヤーとなるのが、オートバイメーカーとして有名なオーストリアのKTM。モトの開発で培った技術を応用したロードレーサーがフレンチチームの3週間を支えてきた。

新型のREVELATOR ALTO新型のREVELATOR ALTO
コンポーネントはシマノだがクランクのみFSAを用いる。パワーメーターのPOWERBOXの使用率が高かったコンポーネントはシマノだがクランクのみFSAを用いる。パワーメーターのPOWERBOXの使用率が高かった
今年、チームが主力バイクとして投入したのが新型のオールラウンダーであるREVELATOR ALTO。独創的なフレームワークが特徴的なKTMのロードレーサーだが、今作はかなりオーソドックスなシルエットの、トレンドを掴んだ一台へとブラッシュアップしているようだ。

REVELATOR ALTOのALTOとは、イタリア語で「高み」を意味するという通り、軽量なクライミングバイクとして開発されている一方、ケーブルフル内装やセミエアロチュービングを採用することで高速域にも対応する最先端のオールラウンダーとして開発されていることが見て取れる。

シートステーのデザインが特徴的なエアロロード、KTM REVELATOR LISSEシートステーのデザインが特徴的なエアロロード、KTM REVELATOR LISSE
一方で、KTMバイクらしい異形のシルエットが特徴的なエアロロード、REVELATOR LISSEを駆る選手の姿も見られている。極太のオリジナルステムと幅広く張り出したシートステー、そして極細のフロントフォークと、他のバイクブランドには見られない設計思想が目を惹く一台だ。

コンポーネントはシマノのDURA-ACE。ワールドチームではないB&Bホテルズ KTMだが、全てのロードバイクがワイヤレス12速のR9200系で揃えられている。一方で、クランクセットのみFSAを採用しており、多くの選手がパワーメーター内蔵のPOWERBOX CARBONを使用していた。

TTバイクのSOLUS。TTステージのホイールもDTスイスを使用するTTバイクのSOLUS。TTステージのホイールもDTスイスを使用する
フロントに3バトンのヴィジョン METRON 3-SPOKEを履くスペアバイクもあったフロントに3バトンのヴィジョン METRON 3-SPOKEを履くスペアバイクもあった DHバーもヴィジョンで統一するDHバーもヴィジョンで統一する


ホイールはDTスイスで、主にARC1100シリーズをリムハイトごとに使い分けていたようだ。タイヤはコンチネンタルのGP5000sTRを使用し、チューブレス率の高いチームの一つと言えそうだ。

TTバイクはKTMのSOLUSで、こちらもディスクブレーキモデルとなっている。コンポーネントやホイールはシマノ/FSAとDTスイスで、ロードバイクと共通だ。スペアとして用意されたリムブレーキモデルには、ヴィジョンの3バトン/ディスクホイールが組み合わされており、タイヤもミシュランが装着されるなど、過去の機材をやりくりしている様子も窺えた。