「信じられない」とグランツール初勝利を喜んだテイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM)。残り1kmで仕掛けたログリッチや前日に続き耐えたエヴェネプールなど、第2週目を終えた選手たちのコメントを紹介します。



区間優勝&総合8位 テイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM)

キャリア最大の勝利を挙げたテイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM)キャリア最大の勝利を挙げたテイメン・アレンスマン(オランダ、チームDSM) photo:CorVos
信じ難い勝利だ。ブエルタのクイーンステージを勝てるなんて。標高の高いシエラ・ネバダは皆が話題にしていた山岳。正直、今朝のスタート時の調子はそこまで良くなかったものの、他の選手たちの方がより脚に痛みを感じていたようだね。

最後に単独になった時点で無線から聴こえているマット・ウィンストン(監督)の言葉を聞くのを止めたんだ。その代わり400Wを超える力でペダルを踏み込むことに集中した。それが勝利に繋がった。信じられないよ。

(先行したソレルは)僕を待っているように感じた。しかしソレルが素晴らしい選手だと知っていたので、彼に勝てるかは半信半疑だった。だが急勾配区間で仕掛け、彼が遅れていったので「みんな限界だが、僕にはあと少しだけ力が残っている」と思ったんだ。本当に信じられないよ。

区間2位&総合3位 エンリク・マス(スペイン、モビスター)

エンリク・マス(スペイン、モビスター)とミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナカザフスタン)	がフィニッシュエンリク・マス(スペイン、モビスター)とミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナカザフスタン) がフィニッシュ photo:CorVos
今日の脚の感覚には満足している。昨日はペーシングに失敗したので、自分のペースで登るよう心がけた。時には賢く走らなければならない。いつも言っているように、僕らは一日一日を集中して走るだけだ。

区間3位&総合6位 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナカザフスタン)

アタックを成功させたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナカザフスタン)アタックを成功させたミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナカザフスタン) photo:CorVos
たった数秒しか稼ぐことができなかったが、諦めずにまたトライする。何より大事なのは総合争いに再び加わることができたこと。ステージ優勝か、はたまた総合で5位以上を狙うかという優先順位は決めていない。もちろんステージ優勝できれば嬉しいが、少しでも総合順位を上げようと毎日を走っている。

この2週間はとてもタフなブエルタとなっており、その厳しさは日に日に増しているように感じる。だから明日の休息日が楽しみだよ。

調子は徐々に良くなってきており、だからこそ第1週目に総合タイムを失ったことが悔やまれる。ジロ・デ・イタリアで負傷し、ブエルタ前はレースに出ていないのも同然の状態だった。そんな状態で僕はツール・ド・フランスを終えたばかりの選手たちと戦わなくてはならなかったんだ。だがその代償はすでに払ったし、いま大事なのは調子が上向きということだ。

区間4位&山岳賞 ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)

山岳賞のリードを拡げることに成功したジェイ・ヴァイン(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)山岳賞のリードを拡げることに成功したジェイ・ヴァイン(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos
今日の目標は山岳賞を守ることで、無事にその目標を達成することができた。1級山岳(アルト・デル・プルシェ)で力を使い過ぎてしまったが、最後に総合勢に追いついてくるか分からなかったので早めにポイントを取っておきたかったんだ。これでまだマイヨモンターニャを着て走ることができる。

区間5位&総合2位 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

ステージ5位でフィニッシュするプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)ステージ5位でフィニッシュするプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
最後少し疲れが出てしまった。脚がベストな状態ではなかったため、早めに仕掛けることができなかった。だがレムコ(エヴェネプール)からタイムを奪うことができて嬉しいよ。明日は皆が心待ちにしている休息日。マドリードでマイヨロホを着るという大きな目標に向け、今日は一歩を前に進むことができた。

区間6位&総合9位 ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン)

感覚は良く、複数の山岳があるステージは僕に向いている。だからチーム一丸となりレース展開を厳しくした。今日の標高の高い山岳では、自分の限界を超えないよう気をつけて登った。レムコの前を牽く理由がなかったので後ろにつき、最後はプリモシュ(ログリッチ)が飛び出し、ついていくことが難しかったがベストを尽くした。勝利したアレンスマンに賛辞を贈りたい。

区間7位&総合4位 フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)

総合4位に順位を上げたフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)総合4位に順位を上げたフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
約30kmに及ぶ長い登りかつ、標高も高かった。自分のリズムを心がけながら登り、ジョアン(アルメイダ)に合流した。そのおかげで総合上位陣とさほど離れることなくフィニッシュすることができた。日を追うごとに脚の痛みが少しずつ増しているが、今の総合順位に満足しているよ。なんたって僕はいま、表彰台が手に届くところにいるのだからね。

区間10位&マイヨロホ&ヤングライダー賞 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)

マイヨロホを守ったレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル)マイヨロホを守ったレムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:CorVos
これほど標高の高いフィニッシュ地点は初めて。それを考えればとても良い走りだったんじゃないかな。ユンボは良いレース展開を作り、それは僕のチームも同じことが言える。落車によって筋肉が硬直している感覚があるものの、日に日に良くなってきている。明日が休息日であることが嬉しく、今日失ったタイムはほぼゼロに等しい。僕らにとって良い日となったよ。

落車の影響で走りに集中することが難しかった。だがマイヨロホのまま第3週目に突入することができた。次の1週間はまた別のストーリーが待ち受けているだろう。第3週目の山岳はそれほど険しいものではない。昨日は最悪で、今日はそれよりもマシな日となった。タイムもほとんど失わなかったと言える。残り1kmでプロモシュ(ログリッチ)の仕掛けに対し、上手く対処することができたからね。

text:Sotaro.Arakawa
photo:Unipublic, CorVos