9月9日から11日の3日間に渡り、UCI2.2のステージレース「ツール・ド・北海道」が開催される。2019年以来3年ぶりの開催となるレースの各ステージと出場チームをプレビューする。



ツール・ド・北海道2022 全ステージコース図ツール・ド・北海道2022 全ステージコース図 ツール・ド・北海道ガイドブックより抜粋
今年のツール・ド・北海道は、道央地域を舞台に、3日間3ステージ計530kmのコースが設定された。本来であれば2020年に開催するために設定されたコースだが、折からのコロナ禍により2020年、2021年と2年連続で開催が見送られ、今回ようやく開催されることになった。

国内レースでは唯一となったワンウェイ(片道)コースの伝統を継承し、海岸線から山越えまで北海道の大自然の中を走り抜ける。各ステージを見ていこう。



第1ステージ 札幌市〜共和町 171km

第1ステージ スタート地点の豊滝除雪ステーション第1ステージ スタート地点の豊滝除雪ステーション photo:Satoru Kato第1ステージ コース序盤に現れる朝里スカイループ第1ステージ コース序盤に現れる朝里スカイループ photo:Satoru Kato

第1ステージ コース終盤は日本海の海岸線に沿って進む第1ステージ コース終盤は日本海の海岸線に沿って進む photo:Satoru Kato
初日は札幌郊外をスタート。日本海側を西に進んだ後、積丹半島を横断。半島の西側海岸線を南下して共和町にフィニッシュする171km。2級山岳3カ所、ホットスポット(スプリント賞)が2カ所設定される

20km地点付近に最初の山岳賞ポイント、54km地点付近で2回目の山岳賞と、序盤から登りと下りが繰り返される。120kmを過ぎて現れれる3回目の山岳賞の後は、海岸線までの下りとフィニッシュまで約20kmの平坦基調。一旦バラけた集団がまとまることになるか。



第2ステージ 倶知安町〜倶知安町 186km

2016年大会 羊蹄山をバックにリアルスタート2016年大会 羊蹄山をバックにリアルスタート photo:Hideaki TAKAGI
コース中盤に数百mだけ日本海沿いに出る(2016年大会)コース中盤に数百mだけ日本海沿いに出る(2016年大会) photo:Hideaki TAKAGIフィニッシュの「ひらふ坂」写真はニセコクラシック2019年大会フィニッシュの「ひらふ坂」写真はニセコクラシック2019年大会 photo:Satoru Kato

2日目は、倶知安町をスタートし、ニセコパノラマラインを登って1級山岳に指定される新見峠を越え、日本海側に出たあと倶知安町に戻る186km。今大会の最長コースとなる。

コース前半とフィニッシュは「ニセコクラシック」の150kmコースとほぼ同じと言えば、走ったことのある方は想像できるだろう。コース序盤の新見峠を越えた後、ニセコパノラマラインを下りきると平坦基調の区間が長く続く。

終盤は細かなアップダウンを繰り返した後、ラスト500mは「ひらふ坂」を登ってフィニッシュ。同じ場所がフィニッシュとなった2016年大会では集団でひらふ坂に雪崩れ込んでの登りスプリントとなったが、今回はどうなるか?



第3ステージ 倶知安町〜苫小牧市 173km

第3ステージ 羊蹄山をバックに東へ進む第3ステージ 羊蹄山をバックに東へ進む photo:Satoru Kato
第3ステージ 支笏湖から苫小牧に向かう道は直線長めの下り基調第3ステージ 支笏湖から苫小牧に向かう道は直線長めの下り基調 photo:Satoru Kato第3ステージ フィニッシュは苫小牧市ハイランドスポーツセンター第3ステージ フィニッシュは苫小牧市ハイランドスポーツセンター photo:Satoru Kato

最終日は、倶知安町をスタートし、再びニセコパノラマラインを登ったあと、羊蹄山の南をぐるっとまわって東進。支笏湖畔を通って苫小牧市内にフィニッシュする173km。

コース序盤、44km付近に設定される1級山岳は、「ニセコクラシック」の山岳賞ポイントと同じ。ここで山岳賞の行方が確定する。ニセコパノラマラインを下ると苫小牧市に向けて東進。コース後半、支笏湖の手前でアップダウンがあるものの、その後は下り基調となるため、最後はスプリント勝負となるか。



大学5チームを含む計14チームが出場

今大会はUCI2.2クラスのステージレースではあるが、ツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・熊野同様に、特例として参加チームは国内チーム中心での開催となる。

唯一の海外籍チームとなるEFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチームは日本人選手5名での出場。国内UCI登録チームと北海道地域選抜チーム、大学5チームが出場する。出場を予定していたチーム右京は、チーム内に陽性反応者が出たため参加を取りやめることになった。

全参加チームは以下の通り。

ツール・ド・北海道2022 出場チーム

EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム
愛三工業レーシングチーム
キナンレーシングチーム
マトリックスパワータグ
那須ブラーゼン
シマノレーシング
チームブリヂストンサイクリング
宇都宮ブリッツェン
北海道地域選抜
日本大学
京都産業大学
日本体育大学
鹿屋体育大学
東京大学

ツアー・オブ・ジャパンとツール・ド・熊野で優勝したチーム右京は出場せずツアー・オブ・ジャパンとツール・ド・熊野で優勝したチーム右京は出場せず photo:Satoru KatoTOJに続く国内勝利を挙げられるか?TOJに続く国内勝利を挙げられるか? photo:Satoru Kato

ツアー・オブ・ジャパン、ツール・ド・熊野と、国内UCIレースを席巻したチーム右京が不在となることで、総合優勝争いはEFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム、キナンレーシングチーム、マトリックスパワータグが中心となってレースが動くことになるか。2016年総合優勝の増田成幸擁する宇都宮ブリッツェンは1名少ない4名での出走となる。

9月3日に初開催されたキナン古座川ロードレース9月3日に初開催されたキナン古座川ロードレース photo:JCL2016年優勝の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)2016年優勝の増田成幸(宇都宮ブリッツェン) photo:Hideaki TAKAGI

また、愛三工業レーシングチーム、シマノレーシングチーム、チームブリヂストンサイクリングなどJプロツアー勢は7月中旬以来のロードレース公式戦。一方那須ブラーゼンなどJCL勢は1週間前に古座川ロードレースを走ったばかり。距離やレベルの差があるとは言え、この違いが影響するのか気になるところだ。

北海道選抜チームと大学5チームは、どこまで勝負に絡めるか。大学生はインカレから1週間足らずの連戦と、鹿児島からの移動が重なるので、まずは安全にレースをして欲しい。

なお、新型コロナウィルス感染拡大防止策を施した上での大会開催となるので、スタート/フィニッシュ地点などの会場は立ち入り制限区域が設定され、原則無観客での開催となる。スタートとフィニッシュのみ動画配信が予定されている。詳しくは下記リンクからツール・ド・北海道公式サイトでご確認頂きたい。


text:Satoru Kato

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