開催まで1ヶ月を切ったツール・ド・おきなわの市民レースコースが変更された。最終盤の勝負所である羽地ダム付近の区間が通行止めにより使用できず、番越トンネルを直進した山越えルートで名護のフィニッシュへ向かう。コース変更に伴って変わる勝負のポイントを含め解説する。



変更があるのはツール・ド・おきなわ市民レースの210kmコース、140kmコース、100kmコース。例年の勝負ポイントである羽地ダムの上り区間が土砂崩れによる通行止めとなっており、開催日までの復旧の見通しが立たないため、やむなくのコース変更となった。

大浦湾から番越トンネルの上りまでのコースに変更は無い大浦湾から番越トンネルの上りまでのコースに変更は無い photo:Makoto.AYANO
番越トンネルを右折した羽地ダムへの登りが2022コースから外れる番越トンネルを右折した羽地ダムへの登りが2022コースから外れる photo:Makoto.AYANO大浦湾から県道18号線に入り、羽地ダムへ向けて登り、番越トンネルまで上るコースに変わりはないが、例年はトンネルを抜けてすぐに右折していたところを直進することになる。18号線で山越えして名護市へと向かい、オリオンビール工場への高架橋を通過して名護市街へと入り、国道58号線に合流した地点で右折し、中央分離帯の右側車線を直進。21世紀の森体育館前にフィニッシュすることになる。

市内に至るまでの高低差は約200m。下りコーナーも厳しく路面の凹凸、滑り止め舗装の左右混在などから難所のひとつとなることで、大会事務局では安全対策を実施するとともに、選手に対しては新コースでの安全な走行と試走の必要性について注意を呼びかけている。

ダウンヒルを続けると名護市街のパノラマが突然開ける(2019年やんばる一周サイクリングより)ダウンヒルを続けると名護市街のパノラマが突然開ける(2019年やんばる一周サイクリングより) photo:Makoto.AYANO
■距離は6km短くなるが難易度は上がる。登りアタックが有利に

新コースは距離で約6km短くなるが、番越トンネルからさらに2つのトンネルを経ての山越えルートの上り区間はむしろ長く伸びることになる。東江原(あがりえばる)トンネルを越えて、頂上にあたる区間が緩斜面のアップダウンになるため明確な峠が存在しないが、その区間を経て名護市街への下りは急勾配のダウンヒルとなる。

下っている途中、名護の市街地が一望できるパノラマが広がる(写真)が、その先のオリオンビール工場手前の高架橋付近で急コーナーが連続し、しかも道路の左右車線で路面の滑り止め加工が異なるため、オーバースピードにならないことと、雨の日には特別な注意を払うことが必要になるだろう。

オリオンビール工場の脇から市街を抜けて、58号線へ出て右折し、例年とは逆方向からフィニッシュへと進行することになる。

例年のコースに比べると、下り切ってからフィニッシュまでの平坦区間が短くなるため、頂上からの逃げ切りを狙うには有利に。レース距離は約6kmほど短くなるが、登りで勝負したい人には有利になるはずだ。

安全面で言えば、頂上から名護への下り区間は落ちるような急勾配で、高架橋付近では高速コーナーが連続する。レース終盤の限界に近い状態で未知のダウンヒルに臨むのは危険であるため、過去にレース出場経験がある人でも変更区間はレース前日までに必ず試走して欲しい。(綾野真/CW編集部)

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