2019年大会以来3年ぶりの開催となる「ツール・ド・おきなわ」のロードレースが、11月13日に開催される。UCIレースとして行われる男子チャンピオン210kmと女子国際レース100kmをプレビューする。



2019年大会 太陽が昇ったばかりの名護の海岸線を行く集団2019年大会 太陽が昇ったばかりの名護の海岸線を行く集団 photo:Satoru Kato
「ツール・ド・おきなわ」は、サイクリングとロードレースの参加者をあわせて毎年数千人が集まるシーズン最後のビックイベント。折からのコロナ禍により、2020年、2021年と2年連続で中止されたが、今年3年ぶりに復活開催が決定した。

とは言え、まだ終息しないコロナ禍の情勢を踏まえ、参加者数は例年の2/3に絞り、国内在住者のみ出場可という条件での開催となる。サイクリングイベントには沖縄から近い台湾や香港からの参加者が多かったが、今大会は外国籍の人は国内在住者に限っての参加とされている。

ロードレースのトップカテゴリーとなる「男子チャンピオンレース」も、例年通りUCI1.2クラスのレースとして行われるものの、国内チームのみ14チームで行われる。出場チームは以下の通り。
ツール・ド・おきなわ2022 男子チャンピオンレース出場チーム
愛三工業レーシングチーム キナンレーシングチーム
マトリックスパワータグ 那須ブラーゼン
シマノレーシングチーム チームブリヂストンサイクリング
チーム右京 宇都宮ブリッツェン
ヴィクトワール広島 さいたまディレーブ
レバンテフジ静岡 VC福岡
スパークルおおいたレーシングチーム 沖縄選抜
JPTかすみがうらロードレースで優勝したホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)JPTかすみがうらロードレースで優勝したホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) photo:Satoru Kato
JCL秋吉台カルストロードレースで優勝したベンジャミ・プラデス(スペイン、チーム右京相模原)JCL秋吉台カルストロードレースで優勝したベンジャミ・プラデス(スペイン、チーム右京相模原) Photo: JCL
シーズン後半に調子を上げてきているホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)、10月に合流して早速1勝を挙げたベンジャミ・プラデス(チーム右京)らが有力候補となるか。特にプラデスは2019年大会で3位に入っており、おきなわのコースは得意と言えそうだ。

2019年大会 U23賞の當原隼人(現・愛三工業レーシングチーム)2019年大会 U23賞の當原隼人(現・愛三工業レーシングチーム) photo:Satoru Kato2019年大会山岳賞の山本元喜(現・キナンレーシングチーム)2019年大会山岳賞の山本元喜(現・キナンレーシングチーム) photo:Satoru Kato

ツール・ド・北海道第2ステージ優勝の谷順成(那須ブラーゼン)ツール・ド・北海道第2ステージ優勝の谷順成(那須ブラーゼン) photo:Satoru Katoツール・ド・フランスさいたまクリテリウムで逃げ集団に加わった中井唯晶(シマノレーシング)ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムで逃げ集団に加わった中井唯晶(シマノレーシング) phoro:Satoru Kato

JプロツアーU23賞の山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)JプロツアーU23賞の山本哲央(チームブリヂストンサイクリング) photo:Satoru Kato2022年JCLチャンピオンの小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)2022年JCLチャンピオンの小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) photo:宇都宮ブリッツェン

2019年大会で沖縄選抜チームから出場してU23賞を獲得した當原隼人(愛三工業レーシングチーム)、同じく2019年大会で山岳賞を獲得した山本元喜(キナンレーシングチーム)、ツール・ド・北海道でステージ優勝した谷順成(那須ブラーゼン)、シーズン終盤でも好調を維持している中井唯晶(シマノレーシング)や山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)らが勝負に絡んでくるか。

一方、おきなわ3回優勝の増田成幸を怪我で欠く宇都宮ブリッツェンは、ベテラン阿部嵩之やJCLチャンピオンの小野寺玲らで戦う。



女子国際ロードレース 金子広美2度目の優勝なるか?

2019年大会 国際女子の先頭集団で走る金子広美(イナーメ信濃山形・バイクサンド・R×L)2019年大会 国際女子の先頭集団で走る金子広美(イナーメ信濃山形・バイクサンド・R×L) photo:Makoto.AYANO
植竹海貴(Y's Road)植竹海貴(Y's Road) photo:Satoru Kato10月の全日本選手権を走る渡部春雅(明治大学)10月の全日本選手権を走る渡部春雅(明治大学) photo:Makoto AYANO

100kmで行われる女子国際ロードレースは、牧瀬翼、大堀博美(MOPS)、植竹海貴(Y's Road)、金子広美(イナーメ信濃山形)渡部春雅(明治大学)らを中心にレースが動くか。特に金子は10月の全日本選手権での勢いのまま、2014年以来2度目の優勝を狙ってくると思われる。シーズン後半はおきなわに向けて調整していたと言う植竹や、2019年大会はジュニアギアながら8位に入った渡部がどこまで勝負に絡むかも注目したい。



残り16km以降のコースが変更

前回大会までの番越トンネルを抜けた時点で右折していたのを、新コースでは直進することになる前回大会までの番越トンネルを抜けた時点で右折していたのを、新コースでは直進することになる
今年のコースは羽地ダムへのルートが通行出来ないため、残り16km以降が変更されている。斜度きつめな登りが続き、下り切ると名護のフィニッシュが目の前となるので、最後の勝負どころとなる点は変わらない。変更された部分の詳細は市民レースのプレビューを参照頂きたい。


text:Satoru Kato
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