現シクロクロス世界王者ピドコックとファンデルプール、ファンアールトの3人が相まみえたエグザクト・クロス第5戦。男子はワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)がライバルたちに約1分差をつけ勝利し、女子はシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が今季2勝目を挙げた。



16日間に10レースが詰め込まれたシクロクロスのハイシーズンがやってきた。その初戦となったのはオランダとの国境に面するベルギー・モルを舞台とするエグザクト・クロス(旧ブリコ・クロス)の第5戦、ジルフェルメールクロスだ。

三大シリーズに次ぐUCI2クラスのベルギー国内シリーズ戦にもかかわらず、世界王者トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)のビッグスリーが集結。ライトアップされた夜のレースに加え、たっぷりと敷き詰められた砂の直線と急勾配坂が特徴のコースとなっている。

女子エリート:20歳ファンアンローイが独走勝利

砂が敷き詰められたピットセクションをランで通過するシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)砂が敷き詰められたピットセクションをランで通過するシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) photo:CorVos
ホールショットを決めたゾーイ・バックステッド(イギリス、EFエデュケーション・TIBCO-SVB)は終始4番手をキープホールショットを決めたゾーイ・バックステッド(イギリス、EFエデュケーション・TIBCO-SVB)は終始4番手をキープ photo:CorVos2位争いをするルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)とアンマリー・ワースト(オランダ、777)2位争いをするルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)とアンマリー・ワースト(オランダ、777) photo:CorVos

雨が選手たちに振り注ぐなかスタートした女子レースでは、ジュニアカテゴリーで走るゾーイ・バックステッド(イギリス、EFエデュケーション・TIBCO-SVB)がホールショットを決める。だがバックステッドはメカトラですぐさまピットインに飛び込み、代わりにシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が早くも先頭に出る。

1周目から順調に飛ばすファンアンローイに対し、手首の骨折以来勝利のないルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)やバックステッドが遅れを喫する。唯一膝の故障で約2ヶ月ぶりのレース復帰となったアンマリー・ワースト(オランダ、777)が従したもものの、ファンアンローイは1周目の後半で更にペースを上げ単独先頭となる。そしてロード世界選手権のU23ロード&TT王者でもある20歳のファンアンローイが今季2勝目を決めた。

独走で今季2勝目を飾ったシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)独走で今季2勝目を飾ったシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) photo:CorVos
エグザクト・クロス第5戦 女子エリート表彰台エグザクト・クロス第5戦 女子エリート表彰台 photo:CorVos
「(ロードの)スペイン合宿を終えた直後だったので自分のコンディションがわからなかった。雨の中タフなコースだったが、そこまでテクニカルではなかったので楽しんでレースができた。余裕を持って自分のラインを走り、力を発揮できた」とファンアンローイは勝利を喜んだ。

2位にはチームメイトであるブラントが48秒遅れでフィニッシュし、ワーストが3位。序盤から積極的な走りが目立ったバックステッドはジュニアではトップを獲りながらもエリートでは4位と表彰台を逃した。

男子エリート:ファンデルプールを圧倒したファンアールトが優勝

ファンデルプールを引き離すワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)ファンデルプールを引き離すワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
レースが大きく動いたのは4周目の砂セクションだった。ビッグスリーにクイントン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンスCXチーム)とローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ)が加わった5名先頭パックから、ファンアールトのアタックにファンデルプールが追従し、ピドコックら3名が千切られた。

最初こそ先頭交代していたファンデルプールだったもの、6周目に入りファンアールトのハイペースにファンデルプールが必死についていく展開に移行。そして7周目の砂の登り坂を乗車でクリアしたファンアールトに対し、下車を強いられたファンデルプールで、勝負あり。差の拡大を確認したファンアールトは直後の8周目でこの日のファステストラップをマークし、そのまま独走で今季2勝目を掴み取った。

砂セクションでミスのあったトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)砂セクションでミスのあったトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
独走勝利したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)独走勝利したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
12月4日のUCIシクロクロスワールドカップ第8戦でファンデルプールに敗れたファンアールトがリベンジを達成。「レース中盤でマチューがペースを上げ、先頭集団が混沌とした状態になった。彼に必死についていき、2人になってから攻撃のチャンスが必ずやってくると信じていたんだ」とレースを振り返るファンアールト。「ここモルでの成績は良く、いつも高速レースが展開される。だから今日も勝利を飾ることができて本当に嬉しいよ」と喜びを語った。

一方、56秒差で2位フィニッシュとなったファンデルプールは「もちろんこの結果には満足していない。だから来るレースではファンアールトに対抗できるようにしなければならない。さもないと今日のようにただ彼の後ろを走るレースになってしまう。この結果を受け入れ、前を向いていきたい」とコメントした。

エグザクト・クロス第5戦 男子エリート表彰台エグザクト・クロス第5戦 男子エリート表彰台 photo:CorVos
ファンアールトとファンデルプール、そして3位だったピドコックの3名は、12月26日にオランダ・ガーフェレで行われるUCIワールドカップ第11戦で3度目の対決を行う予定だ。
エグザクト・クロス第5戦 女子エリート結果
1位 シリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) 46:54
2位 ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) 0:48
3位 アンマリー・ワースト(オランダ、777) 1:11
4位 ゾーイ・バックステッド(イギリス、EFエデュケーション・TIBCO-SVB) 1:20
5位 アニック・ファンアルフェン(オランダ、777) 1:30
6位 ヤラ・カステライン(オランダ、クレラン・フリスタッズ) 1:56
7位 ラウラ・フェルドンショット(ベルギー) 2:05
8位 クラーラ・ホンスティンガー(アメリカ、EFエデュケーション・TIBCO-SVB) 2:54
9位 レオニー・ベントヴェルデ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) 3:25
10位 アンナ・ケイ(イギリス、777) 3:33
エグザクト・クロス第5戦 男子エリート結果
1位 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) 58:28
2位 マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) 0:56
3位 トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) 1:20
4位 ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) 1:37
5位 クイントン・ヘルマンス(ベルギー、トルマンスCXチーム)
6位 ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) 3:14
7位 コルネ・ファンケッセル(オランダ、トルマンスCXチーム) 3:15
8位 ヒェルベ・カイペルス(ベルギー、プロキシマス・アルファモーターホーム・ドルチーニCT) 3:27
9位 ティモ・キーリッチ(ベルギー、クレラン・フリスタッズ) 3:38
10位 ウィツェ・ミューセン(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) 3:52
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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