過去3連覇しているスプラットが鋭いアタックを見せたサントス・ツアー・ダウンアンダー女子レース第2ステージ。緩斜面スプリントで地元在住のアレクサンドラ・マンリー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)が勝利した。



バードウッドからウレイドラを目指すツアー・ダウンアンダー第2ステージ photo:CorVos

サントス・ツアー・ダウンアンダー・ウィメン2023第2ステージ image:Santos Tour Down Under
今年よりワールドツアーに昇格したサントス・ツアー・ダウンアンダー。全3ステージで行われる2日目の舞台は、アデレード近郊のバードウッドを出発して南西にあるウレイドラを目指す90km。今大会最短距離に加え、獲得標高差が700m以下ではあるものの、フィニッシュ10km手前に最大勾配14.4%のロフティ・サミットがレースが展開を生んだ。

気温28度と真夏のオーストラリアにしては穏やかな気候の中、リーダージャージを着るダリア・ピクリク(ポーランド、ヒューマンパワードヘルス)を先頭に全73名の選手たちがスタートした。前日と同じく逃げが生まれない展開が続いたこの日、残り30kmでようやく11名の先頭集団が形成。一方のプロトンでは、連続する細かのアップダウンにピクリクと前日2位のクララ・コッポニ(フランス、FDJ・スエズ)らスプリンターが耐えきれず遅れを喫した。

ロフティ・サミットに突入したプロトンは、8日前にオーストラリア王者に輝いたローディー・チャップマン(トレック・セガフレード)がコントロール。その背後からチームメイトで過去3度の総合優勝経験のあるアマンダ・スプラット(オーストラリア)が頂上手前で飛び出し、レース先頭に躍り出た。

ロフティ・サミットでアタックしたアマンダ・スプラット(オーストラリア、トレック・セガフレード) photo:CorVos

緩斜面のスプリントで先頭を駆けるアレクサンドラ・マンリー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) photo:CorVos

”トレーニングコース”と語る地で勝利を挙げたアレクサンドラ・マンリー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) photo:CorVos

一時は12秒差のリードを奪ったスプラットだったが、FDJやZAAFサイクリングチームが複数名入った追走集団が残り1kmでスプラットをキャッチ。フィニッシュ手前の鋭角コーナーを利用したアレクサンドラ・マンリー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)が先頭へ。そのままマンリーは緩斜面の最終ストレートを駆け上がり、迫るジョージャ・ウィリアムズ(ニュージーランド、EFエデュケーション・TIBCO-SVB)を突き放し勝利した。

「チームが一日を通して私を守ってくれた。(終盤は)スプラットとの差を詰め、そのまま徐々に加速した。完璧なリードアウトからの勝利を、自分の庭のような場所で達成できて本当に嬉しい」とは南オーストラリア在住のマンリー。「ロフティ・サミットは練習でも辛い登り。それを耐え、地の利を活かし勝利できて本当に嬉しい」と語った。

この結果、マンリーが総合首位浮上。タイム差なしの2位でフィニッシュしたウィリアムズが8秒差で2位となり、積極的な走りを見せたスプラットは10位で総合5位(14秒遅れ)と、最終日を前に好位置につけている。

今季初勝利とリーダージャージを獲得したアレクサンドラ・マンリー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) photo:CorVos

女子ツアー・ダウンアンダー2023第2ステージ結果
1位 アレクサンドラ・マンリー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) 2:23:33
2位 ジョージャ・ウィリアムズ(ニュージーランド、EFエデュケーション・TIBCO-SVB)
3位 ニーナ・バイスマン(オランダ、ヒューマンパワードヘルス)
4位 ダニエル・デフランセーズ(ZAAFサイクリングチーム)
5位 グレース・ブラウン(オーストラリア、FDJ・スエズ)
個人総合成績
1位 アレクサンドラ・マンリー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) 5:26:20
2位 ジョージャ・ウィリアムズ(ニュージーランド、EFエデュケーション・TIBCO-SVB) 0:08
3位 グレース・ブラウン(オーストラリア、FDJ・スエズ)
4位 ルビー・ローズマンギャノン(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) 0:13
5位 アマンダ・スプラット(オーストラリア、トレック・セガフレード) 0:14
その他の特別賞
ポイント賞 アレクサンドラ・マンリー(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)
山岳賞 アマンダ・スプラット(オーストラリア、トレック・セガフレード)
ヤングライダー賞 ヘンリエッタ・クリスティ(ニュージーランド、ヒューマンパワードヘルス)
チーム総合成績 EFエデュケーション・TIBCO-SVB
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos