最終山岳ジュベルジャイスに登り詰めるUAEツアー第3ステージは、この日が25歳の誕生日であるエイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター)がプロ初勝利。また区間2位のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が総合首位に立った。



アンブレラ・ビーチからジュベルジャイスに向かうUAEツアー第3ステージ photo:CorVos

今大会2つ設定された山頂フィニッシュの1つ目、ジュベルジャイスがUAEツアー(UCIワールドツアー)3日目に登場した。最終日に上り詰めるジュベルハフィートに比べ倍近い21.1kmの距離ながら、平均勾配は5.4%とジュベルジャイスの破壊力は低め。しかしラスト2kmは7%まで勾配が上がるため、前日までの総合順位がシャッフルされるには十分の登りだ。

最終山岳まで平坦路が続くこの日はツアー・ダウンアンダーを制したジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ)が膝痛により棄権。タデイ・ポガチャル(スロベニア)が不在のなか、スポンサーの母国での活躍が至上命題であるUAEはアダム・イェーツ(イギリス)一人に活躍を託すこととなった。

アンブレラビーチをスタートした第3ステージで逃げたのはグリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネの2人に、ワールドチーム昇格後未だ勝利のないアルペシン・ドゥクーニンクのエドワルト・プランカールト(ベルギー)らを加えた4名。レース前半はリーダーチームのイネオス・グレナディアーズがプロトン牽引を担当し、一時6分弱まで拡がったタイム差はUAEが先頭に出ると一気に縮小していった。

この日2つある中間スプリントはエドワルト・プランカールト(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)がいずれも先着 photo:CorVos

スポンサーに勝利でアピールしたいUAEチームエミレーツが要所で集団を牽引する photo:CorVos

最終山岳ジュベルジャイスを登るプロトン photo:CorVos

ジュベルジャイス(距離21.1km/平均5.4%)の登りに差し掛かり、クイックステップの牽引から再び先頭に人数を揃えたUAEがプロトンの選別にかかる。しかしUAEは思うようなスピードに持ち込むことが出来ず、山岳中腹でアルベルト・トレス(スペイン)とエイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア)のモビスターコンビにアタックを許してしまった。

メイン集団に対しリードを奪ったトレスが役割を終え、フィニッシュまで残り10kmでルビオの単独走が始まる。ルビオは逃げから唯一粘ったサムエーレ・ゾッカラート(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)を抜き、マウロ・シュミット(スイス、スーダル・クイックステップ)に牽引が代わったプロトンに対し33秒差でフラムルージュ(残り1km地点)を通過した。

緩勾配のため決定的なアタックが決まらないプロトンを尻目に、ルビオが単独でフィニッシュラインに到達。この日が25歳の誕生日であるルビオが、ワールドツアーレースでプロ初勝利を掴み取った。

残り10kmでアタックを仕掛けたエイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) photo:CorVos

バースデー勝利を飾ったエイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) photo:CorVos

「これが現実だと信じることができない。この数年は多くの困難があり、ようやく正しい道に戻ってきた気持ちがする。最後の数kmは誰かが後ろから迫ってくるんじゃないかと力を残しながら登っていた。しかし誰の姿もなく勝利を掴むことが出来た。この勝利を自分自身と家族、そして母国コロンビアに捧げたい」と、ルビオは喜びを表現した。

ルビオは2019年のU23版ジロ・デ・イタリアで区間1勝と共に総合2位に入り、翌2020年にモビスターでプロデビューを果たした25歳。しかしルビオが語るように、ここまで何度も表彰台に上がりながらも勝利に一歩届かないでいた。

プロ初勝利がワールドツアーレースとなったエイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) photo:CorVos

区間優勝を逃し悔しがるレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

ルビオの14秒遅れでやってきたメイン集団ではレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が先着して2位でフィニッシュ。「僕のスプリントがあれば区間優勝できたと思うが、総合首位浮上はチームの走りに報いる結果だよ」と語ったようにエヴェネプールはボーナスタイムの-6秒を獲得し、同タイムで総合首位だったルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)を抜きリーダージャージを獲得した。

赤い総合リーダージャージに袖を通したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

UAEツアー2023第3ステージ結果
1位 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) 4:51:24
2位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) +0:14
3位 アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) +0:15
4位 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン)
5位 ルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)
6位 ハルム・ファンハウケ(ベルギー、チームDSM)
7位 トーマス・グローグ(イギリス、ユンボ・ヴィスマ)
8位 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)
9位 セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)
10位 ベン・ツィーホフ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
個人総合成績
1位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) 8:27:22
2位 ルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) +0:07
3位 ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:11
4位 ステファン・デボッド(南アフリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) +1:01
5位 ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス) +1:04
6位 ハルム・ファンハウケ(ベルギー、チームDSM) +1:10
7位 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)
8位 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) +1:11
9位 ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)
10位 アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) +1:12
その他の特別賞
ポイント賞 ルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ)
ヤングライダー賞 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
チーム総合成績 EFエデュケーション・イージーポスト
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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