アブダビの市街地を巡るUAEツアー第6ステージで、トップスプリンターひしめく混戦の中から抜け出したティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が勝利。区間2勝目とチームに今大会3勝目をもたらした。



ワーナーブラザースワールド・アブダビで行われたチームプレゼンテーション photo:CorVos

リーダージャージはこの日もレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が着用 photo:CorVos
スタートを待つポイント賞ジャージを着るティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos


春のクラシックの幕開けを告げるオンループ・ヘットニュースブラッドの同日、中東のアラブ首長国連邦ではUAEツアー第6ステージが行われた。舞台を首都アブダビに戻したこの日は、ワーナーブラザースワールド・アブダビからアブダビ・ブレイクウォーターを目指すフラットステージだ。

スプリント3連戦の最終日に逃げたのはローレンス・ワーバス(アメリカ、AG2Rシトロエン)に加え、黒の中間スプリントジャージを着るエドワルト・プランカールト(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)とそれを争うサムエーレ・ゾッカラート(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ)の3名。それをスーダル・クイックステップやジェイコ・アルウラーが追う、典型的なスプリントステージの様相を呈した。

UAEでは過ごしやすい気候だという気温32度の中、スタートが切られた photo:CorVos

序盤から逃げ集団を形成したローレンス・ワーバス(アメリカ、AG2Rシトロエン)ら3名 photo:CorVos

2つある中間スプリントはプランカールトが先着してプランカールトとのリードを拡大。この日のジャージ争いを終えた2人が残り10kmで吸収され、最後まで粘ったワーバスを残り5kmで集団が飲み込む。するとスプリントに向かうプロトンの緊張感が一気に高まった。

レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が落車のリスク回避とティム・メルリール(ベルギー)のために集団先頭で牽引を開始する。その後バーレーン・ヴィクトリアスに先頭が代わると、フラムルージュ(残り1km地点)の直前にマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン)がパンクの不運に見舞われた。

優勝候補の一人が脱落した集団は、前日勝者ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)をネオプロ1年目のブレイク・クイック(オーストラリア)が引き上げ先頭へ。しかし残り150mからの緩い左カーブでフルーネウェーヘンが外へ膨らむと、その隙間をサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)を引き連れたダニー・ファンポッペル(オランダ)が逃さず入り込んだ。

最終コーナーを利用し先頭に出たティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

区間2勝目を挙げたティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:UAE Tour

そしてスプリント開始のタイミングが早すぎたフルーネウェーヘンや、逆に出遅れたベネットを尻目にポイント賞ジャージを着るメルリールが加速。終盤に緩いコーナーが連続し、集団が入り乱れたスプリントでも18秒間に渡って平均1,130Wm、最大1,430mを出力し、最高速70.7km/hでフィニッシュしたメルリールが両手を上げてガッツポーズを決めた。

リードアウトが崩れながらも、初日と2日目のチームタイムトライアルに続く区間3勝目を掴んだメルリール。「今日は再び混沌のスプリントだった。しかし、見ての通り最終盤に展開をコントロールするチームは僕ら以外になく、熟練したチームメイトたちが僕を勝利に導いてくれた」と、今年加入したスーダル・クイックステップに早くも3勝目をもたらしたメルリールはそう語った。

2位にはベネットが入り、3位は好機を逃したフルーネウェーヘン。4位以降はオラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)とアーヴィッド・デクレイン(オランダ、チューダー・プロサイクリングチーム)が続き、3日連続のスプリントバトルが締めくくられた。

残り1kmでパンクの不運に見舞われたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン) photo:CorVos

表彰台で勝利を喜ぶティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:UAE Tour

翌日はUAEツアーのジュベルハフィート(距離10.8kmkm/平均6.6%)を駆け上がる大会最終日。総合リーダージャージを着用するエヴェネプールが「2位と僅か9秒しかないものの、リードが全くないよりはいい。明日は何が起こるかわからないものの、僕たちは勝利を目指しベストを尽くすのみだ」と語るように、ジュベルハフィートの頂上で第5代総合優勝者が決定する。

UAEツアー2023第6ステージ結果
1位 ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) 3:41:12
2位 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)
3位 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)
4位 オラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
5位 アーヴィッド・デクレイン(オランダ、チューダー・プロサイクリングチーム)
6位 サム・ウェルスフォード(オーストラリア、チームDSM)
7位 ヘルベン・テイッセン(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)
8位 エミルス・リエピンシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)
9位 フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)
10位 イタマル・アインホルン(イスラエル、イスラエル・プレミアテック)
個人総合成績
1位 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) 19:55:40
2位 ルーク・プラップ(オーストラリア、イネオス・グレナディアーズ) +0:09
3位 ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) +0:13
4位 ステファン・デボッド(南アフリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) +1:03
5位 ワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス) +1:06
6位 ハルム・ファンハウケ(ベルギー、チームDSM) +1:12
7位 アンドレアス・レックネスン(ノルウェー、チームDSM)
8位 エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) +1:13
9位 ゲオルグ・シュタインハウザー(ドイツ、EFエデュケーション・イージーポスト)
10位 アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) +1:14
その他の特別賞
ポイント賞 ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
ヤングライダー賞 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
チーム総合成績 EFエデュケーション・イージーポスト
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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