UCIワールドツアー開幕戦のツアー・ダウンアンダーを走ったバイクを紹介していくシリーズの最終回である第5弾。トレック・セガフレード、UAEチームエミレーツ、イスラエル・プレミアテック、ロット・デスティニーの4チームを紹介します。vol.1234



トレック・セガフレード

トレック・セガフレード / トレック マドン photo:Kei Tsuji

タイトルスポンサーであるトレックに乗り、パーツ構成にも大きな変化が見られなかったトレック・セガフレード。2022年はエモンダに乗る選手が多かったが、2023年はマドンに乗る選手がぐっと増えた印象で、ホイールやサドル、ハンドルやステムの他、ヘルメットにもトレック系列のボントレガーを採用する。軽量性ではなく保持力重視で選ぶバットケージは25年以上形状を変えていない異例の長寿アイテムだ。

スラムのレッドで組み上げられ、パワーメーターはもちろんクオーク。変更点としては、スラムが買収したタイムのペダル(久々にトップチームへの供給となる)を新たに採用することでついにシマノペダルを卒業した。タイヤはピレリのチューブレスレディで、28mmを標準とする。

ペダルは昨年まで使用していたシマノからタイムへ photo:Kei Tsuji
ボントレガーの名品ボトルケージ「バットケージ」 photo:Kei Tsuji

バイク トレック
グループセット スラム
ホイール ボントレガー
ペダル タイム
パワーメーター クオーク
タイヤ ピレリ
サドル ボントレガー
ジャージキット サンティーニ
ヘルメット ボントレガー
コンピューター ワフー


UAEチームエミレーツ

UAEチームエミレーツ / コルナゴ V4Rs photo:Kei Tsuji

2022年のシーズン後半に投入されたコルナゴのプロトティーポ(プロトタイプ)が、V4Rsとして正式にUAEチームエミレーツのメインバイクに。UCIワールドツアーランキングの首位を争ったユンボ・ヴィスマと同様にUAEチームエミレーツも大々的にパーツ構成を変更したチームで、グループセットをカンパニョーロのスーパーレコードからシマノのデュラエースにスイッチした。

ペダルもシマノだが、ホイールは新たにエンヴィを採用した。パワーメーターをSRMからシマノに、コンピューターをSRMからワフーに、さらにタイヤをピレリからコンチネンタルに変更するなど、コルナゴのフレームとプロロゴのサドルを除いてほとんどのパーツを変更したと言える。

細部までチームカラーに合わせた赤色のBBはセラミックスピード photo:Kei Tsuji
ペダルもグループセットと同じシマノにチェンジ photo:Kei Tsuji


ホイールはエンヴィ、タイヤはコンチネンタルという組み合わせ photo:Kei Tsuji
バイク コルナゴ
グループセット シマノ
ホイール エンヴィ
ペダル シマノ
パワーメーター シマノ
タイヤ コンチネンタル
サドル プロロゴ
ジャージキット ピセイ
ヘルメット メット
コンピューター ワフー


イスラエル・プレミアテック

イスラエル・プレミアテック / ファクター OSTRO VAM photo:Kei Tsuji

UCIプロチームに降格しながらも多くのUCIワールドツアーレースに出場するイスラエル・プレミアテック。メインバイクはファクターのオストロVAMで、シマノのデュラエースで組み上げられる。2022年は9100系デュラエースをメインに使用したが、2023年は9200系デュラエースで統一。しかしクランクやパワーメーターにFSA/ヴィジョンを使用するなど、デュラエースのフルセットとは言えない。写真のサイモン・クラーク(オーストラリア)のバイクにはヴィジョンの55Tアウターチェーンリングが装着されている。

ハンドル周りやホイールはブラックインクで、マキシスのタイヤを履く。コンピューターはハンマーヘッド。クリストファー・フルーム(イギリス)のみ特例としてローターのパワーメーターにオーシンメトリックの楕円チェーンリングを使用する。他にもセラミックスピードのビッグプーリーを使用する選手もいるなど、パーツ構成の統一感は薄い。

セラミックスピードのビッグプーリーを使用する選手も photo:Kei Tsuji
クリストファー・フルームは引き続きローターのパワーメーターにオーシンメトリックの楕円チェーンリングを使用 photo:Kei Tsuji

バイク ファクター
グループセット シマノ
ホイール ブラックインク
ペダル シマノ
パワーメーター FSA
タイヤ マキシス
サドル セライタリア
ジャージキット エコイ
ヘルメット エコイ
コンピューター ハンマーヘッド


ロット・デスティニー

ロット・デスティニー / リドレー Noah Fast Disc photo:Kei Tsuji

UniSAオーストラリアのメンバーとして出場したロット・デスティニーのカレブ・ユアン(オーストラリア)。身長165cmの「ポケットロケット」ことユアンはリドレーのノアファーストディスクのサイズXXSに乗る。ハンドルはリドレーのステム一体型。シマノのデュラエースで組み上げられ、スプリンター御用達のシフティングスイッチ(スプリンタースイッチ)も装備する。スプリンターらしい「遠く低い」ポジションだが、ハンドルは下げきっていない。

プロトン標準の54-40のチェーンリングとDTスイスのアーク1100ホイール、ヴィットリアのコルサTLR25mmがユアンのパワーを路面に伝達する。金色に輝くチェーンはKMC製。ペダルはルックからシマノ、パワーメーターは4iiiiからシマノに切り替えた(フレームに4iiiiのロゴは残っている)。参考までにクランク長は170mmで、サドル高は635mm。

KMCの金色に輝くチェーン photo:Kei Tsuji
リドレーのステム一体型ハンドル photo:Kei Tsuji

バイク リドレー
グループセット シマノ
ホイール DTスイス
ペダル シマノ
パワーメーター シマノ
タイヤ ヴィットリア
サドル セライタリア
ジャージキット フェルマルク
ヘルメット エコイ
コンピューター ガーミン
text&photo:Kei Tsuji

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