12ヶ所の石畳が登場するグランプリ・ド・ドナンが行われ、5名の先鋭集団によるスプリントをフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)が勝利。コロンビア人として大会初優勝を飾った。



直近のパリ〜ニースで区間2勝と好調のオラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

3月16日、北フランスにて12箇所の石畳セクターを越えるグランプリ・ド・ドナンが開催された。2017年まではアルデンヌ・クラシックの前哨戦としてイースター期間中の4月に行われていたレースだが、2018年より3月に移動。ドワルス・ドール・フラーンデレンとアムステルゴールドレースを制し、2019年に一躍ロードレースでの強さを見せつけたマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が優勝して、スターダムへの足掛かりとなった大会でもある。

ミニ・パリ〜ルーベとも呼ばれる194.7kmのレースにはそのパリ〜ルーベでの成功を目指すタコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)や、スプリンターのオラフ・コーイ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)やパスカル・アッカーマン(ドイツ、UAEチームエミレーツ)などが集結した。

石畳区間に苦戦する選手たち photo:CorVos

エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、トタルエネルジー)のアタックをきっかけに形成された5名による先頭集団 photo:CorVos

レースが動いたのは合計12セクターある石畳区間の8つ目(残り30km地点)。2008年に優勝経験のあるエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、トタルエネルジー)のアタックから6名のグループが形成される。ファンデルホールンやUAEチームエミレーツのミッケル・ビョーグ(デンマーク)とフアン・モラノ(コロンビア)という強力なメンバーは逃げ集団を捉えた後、5名に人数を減らしながら最終セクターに突入した。

唯一2名が入ったUAEはビョーグが牽引を担当し、モラノが最終盤に向けて脚を溜める作戦を実行する。そして300m地点を過ぎると、早くもモラノが腰を上げてスプリントを開始。既に今年のUAEツアーでスプリント勝利を挙げているモラノのスピードに、ボアッソンハーゲンやティム・ファンダイケ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)は及ばない。第64回目にして、モラノがコロンビア人による初優勝を掴み取った。

小集団スプリントを制したフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

グランプリ・ド・ドナン2023表彰台:2位ファンダイケ、1位モラノ、3位キーリッヒ photo:CorVos

「今日の脚は絶好調で、この勝利がとても嬉しい。チームによる走りは素晴らしく、最後はビョーグによる自己犠牲がこの勝利をもたらした。チーム全体で掴んだ勝利だよ。(勝利を挙げた)UAEツアーからいままでコンディションは最高で、この調子のままこの後のレースも結果を収めていきたい」とモラノは喜びを語った。

2位には元オランダU23王者である23歳のファンダイケが入り、アルペシン・ドゥクーニンクのディベロップメントチームに所属するティモ・キーリッヒ(ベルギー)が3位で表彰台に上がっている。
グランプリ・ド・ドナン2023結果
1位 フアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ) 4:37:54
2位 ティム・ファンダイケ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
3位 ティモ・キーリッヒ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
4位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、トタルエネルジー)
5位 ミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ) +0:05
6位 サムエル・ワトソン(イギリス、グルパマFDJ) +0:09
7位 ミラン・メンテン(ベルギー、ロット・デスティニー) +0:12
8位 タコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) +0:14
9位 トマス・ガシニャール(フランス、サンミッシェル・マヴィック・オーベル93) +0:17
10位 ポール・ラペラ(フランス、AG2Rシトロエン)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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