本日3月20日(月)、スペイン北東部を舞台としたボルタ・ア・カタルーニャが開幕する。タイ合宿明けの新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)をはじめ、共にジロ・デ・イタリアで総合優勝を目指すログリッチとエヴェネプールが出場。7日間のステージレースをプレビューする。



2021年にアダム・イェーツが制した超級山岳バルテル2000が大会2日目に登場する (c)CorVos

1911年に初開催され、今年で102回目を数えるボルタ・ア・カタルーニャ(UCI.ワールドツアー)が本日開幕する。グランツールと肩を並べるほど歴史深い7日間のステージレースの舞台は、スペイン北東部に位置するカタルーニャだ。

バルセロナを州都とし、プロチームの定番冬季合宿地としても知られる地を巡るレースは、今年も3つの山頂フィニッシュが登場する山岳の比重が高いレイアウト。そのため5月6日に開幕するジロ・デ・イタリアを見据えるオールラウンダーや、これから本格化するアルデンヌ・クラシックに向かう軽量なクラシックレーサーが調整に使う大会でもある。

大会2日目に早くもクイーンステージが登場

初日の集団スプリントが濃厚な丘陵ステージを経て、2日目を今大会のクイーンステージにする山頂フィニッシュが早くも登場する。超級山岳バルテル2000は全長17.7km、平均勾配6.1%、最大13%と過酷の一言。更に頂上の標高は2,135mで、今年のワールドツアーに登場するステージレースで最も標高の高いフィニッシュ地点となっている。

ボルタ・ア・カタルーニャ2023第2ステージ コースプロフィール image:A.S.O.

大会3日目も超級山岳クレウエタ峠と2つの1級山岳が登場する山岳ステージ。総獲得標高差が4,000m弱とクイーンステージの翌日としてはあまりにも過酷なレイアウトとなっており、この2日間で総合優勝の行方は見えてくるはず。そして4日目の平坦ステージで脚を休めた総合上位勢は、5日目に再び超級山岳に臨む。

ボルタ・ア・カタルーニャ2023第5ステージ コースプロフィール image:A.S.O.

第5ステージのフィニッシュ地点は超級山岳ロ・ポルト(距離8.5km/平均8.7%)。8〜9%の勾配がフィニッシュまで一定に続いていく過酷な山岳の頂上で、3日目に決まったリーダージャージの持ち主が変わるだろうか。そして逃げ切り向きな丘陵ステージの6日目、バルセロナを巡る平坦基調の大会最終日を経て、7日間の戦いに幕が下りる。



ログリッチとエヴェネプールによるジロ・デ・イタリア前哨戦

復帰戦であるティレーノ~アドリアティコで総合優勝を飾ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

今大会の縦軸となるのは、共に今年のジロ・デ・イタリアで総合優勝を目指すレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)とプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)による直接対決だろう。

世界王者エヴェネプールはUAEツアーで個人の区間優勝こそ掴めなかったものの、年々磨き上げている登坂力で総合優勝に輝いた。一方で昨年10月に肩の手術を受けたログリッチは、復帰戦となったティレーノ~アドリアティコで脅威の区間3勝を挙げ、総合優勝を獲得。本人が「調整のつもりで臨んだ」という言葉に反し、ジロに向けてこれ以上ない仕上がりを見せている。

UAEツアーを総合優勝したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

エクアドル王者ジャージで臨むリチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト) photo:CorVos
今年1月のレースで負った左膝の怪我から復帰したエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos


その戦いに割って入ると目されるのが今年EFエデュケーション・イージーポストに移籍したリチャル・カラパス(エクアドル)。チームは新エースを支えるべくコロンビア王者エステバン・チャベスやリゴベルト・ウラン(コロンビア)と経験豊富な強力布陣で臨む。また、チーム力で言えば膝の不調から復帰したエガン・ベルナル(コロンビア)と、ジロで総合エースを務めるゲラント・トーマス(イギリス)の2人がエースとして並ぶイネオス・グレナディアーズも引けを取らない。

UAEチームエミレーツはジョアン・アルメイダ(ポルトガル)とアダム・イェーツ(イギリス)をエースに据え、前回大会の総合優勝者であるセルヒオ・イギータ(コロンビア)を欠くボーラ・ハンスグローエはジャイ・ヒンドレー(オーストラリア)を総合エースとして臨む。

これが2023年の開幕レースとなる新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス) photo:Satoru Kato

そしてミケル・ランダ(スペイン)とジーノ・メーダー(スイス)、ジャック・ヘイグ(オーストラリア)と強力クライマーが揃うバーレーン・ヴィクトリアスのメンバーには、日本王者である新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)が選ばれた。

約1ヶ月間に及ぶタイでの個人合宿を行った新城にとって、これが2023年シーズンの開幕戦。各チームがグランツール並の強力なメンバーを揃え、厳しい山岳のステージであってもハイスピードな展開が予想されるだけに、チーム内における新城に役割は大きいはずだ。

text:Sotaro.Arakawa

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