今春よりフカヤが取り扱いを開始したグッドイヤーが、ロードタイヤラインアップを一新。ケーシングやコンパウンドを一新して、全方向に性能が向上したEAGLE F1 SuperSport Rを頂点に据えるラインアップを紹介しよう。



グッドイヤー EAGLE F1 SuperSport R (c)GoodYear

1898年に創業し120年以上もの歴史を持ち、世界的なタイヤメーカーとして知られるグッドイヤー。2018年に満を持して自転車用タイヤに参入し、ロード、ツーリング、グラベル、MTBのラインアップを一気に揃えたことで注目を集めたブランドであり、2023年から取扱代理店がフカヤとなり国内でも全てのモデルが手に入るようになった。

そんなグッドイヤーのロードタイヤラインアップが一新。これまで通り、ウルトラ・ハイパフォーマンスとハイパフォーマンスの2種類のラインが用意され、それぞれに3種類のタイヤがラインアップされる、計6種類で展開されるが、それぞれのタイヤにアップデートが施されている。その象徴となるのがフラッグシップモデル"EAGLE F1 SuperSport R"と"EAGLE F1 R"だ。

グッドイヤー EAGLE F1 SuperSport R (c)GoodYear

EAGLE F1 SuperSport Rのサイド部分は梨地の表面とされている (c)GoodYear

"R"の称号を得た新作は構造から見直されており、150tpiもしくは120ptiのケーシングをショートプライ設計により構成する。これは通常1枚のケーシングをトレッド直下で重ね合わせるところを、あえて重ね合わせない手法であり、よりしなやかで軽量なタイヤを実現するもの。

このケーシングの上に新たなDYNAMIC:UHPコンパウンドを採用することで、転がり抵抗を低減しつつ様々なコンディションにおけるグリップ力を高めた。グッドイヤーはエアロコーチなど第三者機関でのテストを行いながら、タイヤの開発を行なっていると、フカヤのプロショップ向け展示会に訪れた本国スタッフのマットさんはいう。

EAGLE F1 SuperSport RとF1 Rの構造。右側の耐パンク層が加えられているモデルがF1 Rだ (c)GoodYear

さらにグッドイヤーによると前作のEAGLE F1と比較し、EAGLE F1 SuperSport Rが100PSI時に36.1%、80PSI時に33.5%、60PSI時に31.9%もの転がり抵抗を低減。EAGLE F1 Rは100PSI時に15.7%、80PSI時に13%、60PSI時に14.8%の転がり抵抗低減を実現した。

この2つに開きがあるのはケーシングのtpiや耐パンク層の作りの違いがあるから。SuperSport Rはタイムトライアルも視野に入れたモデルであり、ケーシングは150tpi、耐パンク層も省略された決戦モデルだ。さらにチューブレスコンプリートとチューブタイプ(クリンチャー)という2種類が用意されており、チューブレスコンプリートの25Cで235g、クリンチャーで190gという重量を達成している。

グッドイヤー EAGLE F1 R (c)GoodYear

EAGLE F1 Rは矢印のようなトレッドが加えられている (c)GoodYear

グッドイヤーのチューブレスコンプリートとはいわゆるレディではなく、ピュアチューブレスとして作られている。ビードとビード間に空気保持層を備えながら、ビードチェーファーにもコーティングを施すことでリムウォールとの気密性を高めていることが特徴だ。ETRTOガイドラインに従って設計しており、ビードフックが備えられたリムとフックレスリムどちらにも適合する。

対してEAGLE F1 Rは120tpiケーシングに耐パンク層R:Shieldが備えられている。高密度に織られた特殊なベルトをトレッド下に配置することで、SuperSportモデルよりもオールラウンドに使えるタイヤに仕上がっている。こちらもチューブレスコンプリートとチューブタイプの2種類が用意されており、チューブレスの25Cは280gで、チューブタイプが205gだ。

グッドイヤー EAGLE (c)GoodYear

グッドイヤー VECTOR SPORT (c)GoodYear

そしてハイパフォーマンスグレードに位置付けられたEAGLEは、先代EAGLE F1の構造を引き継いだミドルグレードだ。ケーシングは耐久性の高い60tpiのシングルプライ構造を採用しつつ、新しいDynamic:HPコンパウンドを搭載することでこれまで以上のグリップ力と低転がり抵抗、耐パンク性能を獲得。

グリップ力に関してはセンター部分はスリック、サイド部分に梨地かつブーメラン形状のトレッドを配置することで性能向上を果たしている。さらにトレッド下はR:Shieldによって守られているため、突き刺しパンクのリスクも小さい。ラインアップはチューブレスレディとチューブタイプの2種類。

EAGLEとVECTOR SPORTのタイヤ構造。VECTOR SPORTは耐パンク層が2レイヤー式とされている (c)GoodYear

グッドイヤーのエンデュランスカテゴリーを担うのがVECTOR SPORTだ。60tpiのケーシングに、R:Shieldを2層加えることで圧倒的な耐パンク性能を獲得していることが特徴。さらにトレッド自体も厚めに作ることでトレッドライフを向上させており、ロングライフを実現している。

トレッドは耐パンク性能を高める配合を行なっているDynamic:HPコンパウンドで作られており、梨地のセンターに、サイドに杉目のパターンが施されている。さらにトレッドセンターからサイドに流れる矢印のパターンが、様々な路面状況に対応できるグリップ力を実現した。ラインアップはチューブレスレディとチューブタイプの2種類。

グッドイヤー PEAK SL RACE (c)GoodYear

また、ロードタイヤと同時に新たなMTBクロスカントリー向けタイヤPEAK SL RACEもデビューしている。これは既にラインアップされているPEAKをさらに軽量な680g(29x2.25)に仕上げたモデルであり、急峻な登り坂で勝負が決まるレースにおいてアドバンテージとなるタイヤだ。

トレッドは非常に薄く作られているが、ノブの高さは程よく設定されており、しっかりと路面をとらえる仕様だ。サイド部分まで小ぶりなノブが張り出しているため、バイクを倒した時も安定してグリップ力を得られるようになっている。コンパウンドはDynamic:A/T。

各モデルの価格やサイズについては以下の一覧をチェックしてもらいたい。

グッドイヤー EAGLE F1 R (c)GoodYear

グッドイヤー EAGLE F1 SuperSport R
タイプ:チューブレスコンプリート、クリンチャー
サイズ(チューブレスコンプリート):700×25C、28C、30C
サイズ(クリンチャー):700×25C、28C
重量:235g(700×25C/チューブレスコンプリート)
カラー:ブラック、タン
価格:チューブレスコンプリート 11,000円(税込)/ クリンチャー 9,680円(税込)

グッドイヤー EAGLE F1 R
タイプ:チューブレスコンプリート、クリンチャー
サイズ(チューブレスコンプリート):700×25C、28C、30C、32C、34C
サイズ(クリンチャー):700×25C、28C、30C、32C
重量:280g(700×25C/チューブレスコンプリート)
カラー:ブラック、タン(クリンチャー30/32Cはブラックのみ)
価格:チューブレスコンプリート 11,000円(税込)/ クリンチャー 9,680円(税込)

グッドイヤー EAGLE
タイプ:チューブレスレディ、クリンチャー
サイズ:700×25C、28C、30C、32C
重量:280g(700×25C/チューブレスレディ)
カラー:ブラック、タン(クリンチャー30/32Cはブラックのみ)
価格:チューブレスレディ 8,580円(税込)/ クリンチャー 7,590円(税込)

グッドイヤー VECTOR SPORT
タイプ:チューブレスレディ、クリンチャー
サイズ:700×25C、28C、30C、32C
重量:320g(700×25C/チューブレスレディ)
カラー:ブラック
価格:チューブレスレディ 9,020円(税込)/ クリンチャー 7,920円(税込)

グッドイヤー PEAK SL RACE
タイプ:チューブレスコンプリート
サイズ:29×2.25、2.4
重量:680g(29×2.25)
カラー:ブラック
価格:10,340円(税込)
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