ベルナルやイェーツ兄弟が揃うロマンディ開幕　初日プロローグをチェルニーが勝利

グランツールシーズンの訪れを告げるツール・ド・ロマンディが開幕。初日の6.82kmプロローグでヨセフ・チェルニー（チェコ、スーダル・クイックステップ）がTT世界王者フォスを下し、初日勝者に輝いた。

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レムコ・エヴェネプール（ベルギー、スーダル・クイックステップ）が2連覇を達成したリエージュ～バストーニュ～リエージュをもって春のクラシックが終了。そしてこのツール・ド・ロマンディ（UCIワールドツアー）からいよいよ、グランツールシーズンが幕を開ける。

4月25日（火）〜30日（日）で行われる第76回大会は、スイスアルプスを舞台にした6日間のステージレース。初日のプロローグ（個人タイムトライアル）から2、3日目の丘陵ステージを経て、4日目は登り基調の19km個人TTが登場。そして超級山岳にフィニッシュする5日目で総合優勝の行方が明らかになる大会は、集団スプリントが予想される最終日で締めくくられる。

バランスの良いステージが詰め込まれているだけに、出場したのはジロ・デ・イタリアやツール・ド・フランスを見据えるクライマーやオールラウンダーたち。大怪我からの完全復活を目指すエガン・ベルナル（コロンビア、イネオス・グレナディアーズ）やセルヒオ・イギータ（コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ）が出場し、サイモン・イェーツ（イギリス、ジェイコ・アルウラー）とアダム・イェーツ（イギリス、UAEチームエミレーツ）は今季初となる直接対決となった。

大会初日は選手の顔見せの意味合いが強い、ポール・バレーに設定された6.82kmを駆けるプロローグ。まずは地元スイスのTT国内王者であるジョエル・ズーター（チューダー・プロサイクリングチーム）が7分30秒というタイムでトップタイムを叩き出す。しかしすぐに平均時速55.173kmで駆け抜けたヨセフ・チェルニー（チェコ、スーダル・クイックステップ）がそれを5秒上回り（7分25秒）、それには優勝候補のイーサン・ヘイター（イギリス、イネオス・グレナディアーズ）も届かない。

チェルニーのチームメイトであるレミ・カヴァニャ（フランス）が1秒差と肉薄し、ついに現タイムトライアル世界王者であるトビアス・フォス（ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ）が出走する。しかしチェルニーのタイムに僅か1秒届かず、アルカンシェルジャージでの初優勝を逃す。その結果、29歳のチェルニーがワールドツアーレースでは初となる勝利を掴んだ。

「スピードの出るコースだったが全力でペダルを踏み込んだ。どうやら運も味方したみたい。高地トレーニングの後だったのでコンディションは良く、良い脚とバイクが僕に勝利をもたらしてくれた。世界王者に勝つなんて本当に素晴らしい結果だよ」と、プロ通算11勝目を飾ったチェルニーは喜んだ。

翌日の第1ステージはレース中盤に2つの2級山岳と3級山岳を越える丘陵ステージ。しかしフィニッシュまで約45kmの平坦路が続くため、フェルナンド・ガビリア（コロンビア、モビスター）やジャコモ・ニッツォーロ（イタリア、イスラエル・プレミアテック）、移籍後初勝利を狙うマーク・カヴェンディッシュ（イギリス、アスタナ・カザフスタン）らによる集団スプリントが期待される。