イネオスが登りで有力スプリンターをふるい落としたツール・ド・ロマンディ第1ステージ。集団スプリントを22歳のイーサン・ヴァーノン(イギリス、スーダル・クイックステップ)が制し、今春不調だったチームにプロローグに続く連続勝利をもたらした。



途中棄権となったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン) photo:CorVos

スイスアルプスを舞台に開催中のツール・ド・ロマンディ(UCIワールドツアー)は、前日のプロローグを経て第1ステージを迎えた。コースは中盤に2つの2級山岳を立て続けにクリアし、その後3級山岳を越える丘陵ステージ。フィニッシュまで約45kmは平坦路のため、スプリンターによるスプリント勝負が予想されるステージとなった。

この日は地元スイス出身のベテラン、ミヒャエル・シェアー(AG2Rシトロエン)ら5名が逃げグループを形成する。それをリーダーチームであるスーダル・クイックステップが牽引するメイン集団が追い、穏やかに進むと思われたレースをイネオス・グレナディアーズが激しくさせた。

逃げを打ったミヒャエル・シェアー(スイス、AG2Rシトロエン)ら5名 photo:Tour De Romandie

イーサン・ヘイター(イギリス)で勝利を狙うイネオスは最初の2級山岳でペースアップを敢行。すると逃げ集団とのタイム差が縮まると同時に、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター)やジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、イスラエル・プレミアテック)など優勝候補のピュアスプリンターたちがプロトンから遅れていった。

またメイン集団では、新型コロナウイルスに感染して未出走だったアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)のアスタナ・カザフスタンから、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス)が体調不良を訴えレース途中で棄権。更に前日に膝を負傷したルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)や腹痛のサイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー)など、有力選手たちが続々とレースを去ることになった。

エガン・ベルナル(コロンビア)を擁するイネオス・グレナディアーズが登坂区間で集団を選別にした photo:CorVos

プロトンは3級山岳(残り47km地点)を前に逃げグループを吸収し、残り16km地点の中間スプリントを「ボーナスタイムが与えられると勘違いした」と語るトビアス・フォス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ)が先頭通過。登りでメイン集団から遅れたスプリンターたちの集団(グルペット)がコースを間違うトラブルもありながら、勝負は有力スプリンターのいない集団スプリントに持ち込まれた。

UAEチームエミレーツやスーダル・クイックステップがトレインをぶつけ合いながら最終ストレートに突入する。イヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)が先頭に立ち、カスパー・ピーダスン(デンマーク、スーダル・クイックステップ)のリードアウトからイーサン・ヴァーノン(イギリス)がスプリントを開始。スピードに乗るヴァーノンは20歳のスプリンターであるティボー・ネイス(ベルギー、トレック・セガフレード)を引き離し、今季4勝目を掴み取った。

先頭に立つイーサン・ヴァーノン(イギリス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

今季4勝目を挙げたイーサン・ヴァーノン(イギリス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

初日プロローグで10位に入り、ヤングライダー賞ジャージを着用する22歳ヴァーノンによる勝利。「ワールドツアーで2度目の勝利は嬉しい。他のスプリンターたちが遅れるなか、自分には勝利に足る脚があると思っていた。シーズン序盤に3勝を挙げたがその後調子を崩し、コンディションを戻すことができたことも嬉しい」とチームに2連勝をもたらし、リーダージャージに袖を通したヴァーノンは喜んだ。

翌日はコース後半から2級や3級のカテゴリー山岳が詰め込まれた丘陵ステージ。そのため総合順位が大きくシャッフルされることが予想される。

リーダージャージを獲得したイーサン・ヴァーノン(イギリス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos
ツアー・オブ・ジ・アルプス2023第1ステージ結果
1位 イーサン・ヴァーノン(イギリス、スーダル・クイックステップ) 4:05:34
2位 ティボー・ネイス(ベルギー、トレック・セガフレード)
3位 ミラン・メンテン(ベルギー、ロット・デスティニー)
4位 ロマン・バルデ(フランス、チームDSM)
5位 ジャコポ・モスカ(イタリア、、トレック・セガフレード)
6位 ニック・シュルツ(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック)
7位 リリアン・カルメジャーヌ(フランス、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)
8位 クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、AG2Rシトロエン)
9位 イヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)
10位 クインテン・ヘルマンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
個人総合成績
1位 イーサン・ヴァーノン(イギリス、スーダル・クイックステップ) 4:12:59
2位 ヨセフ・チェルニー(チェコ、スーダル・クイックステップ)
3位 トビアス・フォス(ノルウェー、ユンボ・ヴィスマ) +0:01
4位 レミ・カヴァニャ(フランス、スーダル・クイックステップ)
5位 ニコ・デンツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +0:04
6位 ジョエル・ズーター(スイス、チューダー・プロサイクリングチーム) +0:05
7位 イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
8位 ミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ) +0:09
9位 マッテオ・ソブレロ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)
10位 イヴォ・オリヴェイラ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)
その他の特別賞
ポイント賞 イーサン・ヴァーノン(イギリス、スーダル・クイックステップ)
山岳賞 ジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード)
ヤングライダー賞 イーサン・ヴァーノン(イギリス、スーダル・クイックステップ)
チーム総合成績 スーダル・クイックステップ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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