プロローグ含め6日間に渡り行われた第76回ツール・ド・ロマンディ。アーリースプリントを成功させたフェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター)が最終日を制し、アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)が総合優勝に輝いた。



リーダージャージを着用してスタートを待つアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

獲得標高差4,300mの山岳決戦を終えたツール・ド・ロマンディ最終日は、スプリンターのためのコースレイアウト。中盤にかけて標高1,174mの2級山岳と3級山岳を越えるが、フィニッシュ地点のジュネーブに向かう約50kmは平坦路だ。

ロバート・スタナード(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)やトーマス・グローグ(イギリス、ユンボ・ヴィスマ)、現デンマーク王者アレクサンダー・カンプ(チューダー・プロサイクリングチーム)ら強力メンバーで構成された逃げグループは5名。しかしリーダーチームであるUAEチームエミレーツが牽引したメイン集団は、常に逃げ集団を射程圏内に置いた。

イーサン・ヘイター(イギリス)で区間2勝目を狙うイネオス・グレナディアーズもプロトンの牽引に協力したため、最大4分あったタイム差は徐々に縮小。しかしハイスピードで2級山岳に突入すると、この日の優勝候補フェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター)や初日勝者イーサン・ヴァーノン(イギリス、スーダル・クイックステップ)らが脱落。平坦区間でプロトンに追いついたものの、続く3級山岳で再び遅れを喫してしまった。

トーマス・グローグ(イギリス、ユンボ・ヴィスマ)ら5名が形成した逃げ集団 photo:Tour de Romandie

菜の花畑の間を進むアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos

登坂区間で遅れを喫したクリストファー・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック) photo:CorVos

この日全てのカテゴリー山岳をクリアし、残り40km地点で逃げとプロトンの差は27秒、その更に18秒後方で今年のル・サミンを制したミラン・メンテン(ベルギー、ロット・デスティニー)含むガビリア・グループが追う展開に。そして残り34kmでプロトンが逃げを捉え、その2km進んだ所でガビリアたちも合流を果たした。

再びひと塊となったメイン集団からはジョフリー・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン)が飛び出し、チューダーの2人(レイシェンバックとクルッカース)が追従する。最大17秒のリードを奪った3名は残り2km地点まで粘ったもののプロトンに飲み込まれ、6日間のツール・ド・ロマンディを締めくくる集団スプリントが幕を開けた。

ジョフリー・ブシャール(フランス、AG2Rシトロエン)ら3名が終盤にアタック photo:Tour de Romandie

最終コーナーから早くも先頭に立ったフェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター) photo:CorVos

ジュネーブの市街地に入り、集団先頭に人数を集めたのはイネオスとバーレーン・ヴィクトリアスによる赤の連合軍。そこに今季好調マグナス・コルト(デンマーク)を擁するEFエデュケーション・イージーポストも加わり、最終ストレートに向け各チームが体勢を整える。しかし、単騎のガビリアが残り300mから一気に番手を上げ、最終コーナーで先頭に立った。

虚を突かれたヘイターやニキアス・アルント(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)を尻目に、ガビリアはトップスピードに達する。そして何度も後ろを振り返る余裕をみせながら、ガビリアが両腕を拡げてフィニッシュラインを通過した。

ロマンディ最終日を制したフェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター) photo:CorVos

ジロ・デ・イタリアに向けて弾みとなる勝利を飾ったフェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター) photo:Tour de Romandie

「厳しい登りで集団から遅れたものの、チームメイトのおかげで復帰することができた。だから彼らに勝利で報いたかった。できるだけ危険を避け、隙間を見つけたので最終コーナーの直前で飛び出した。脚の調子は良く、素晴らしい勝利となった」とガビリア。「来るジロに向け厳しいトレーニングを積んだ。だからイタリアで良い結果を残す準備はできている」と5月6日開幕のジロ・デ・イタリアに向け、意気込みを語った。

そして総合優勝は前日のクイーンステージを制し、トップ集団でフィニッシュしたアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)の手に。

「レースをコントロールしてくれたチームメイトに感謝したい。今日だけではなく、1週間を通して彼らは完璧な走りを見せてくれた。この後は休み、次なる目標に向けて準備を進めたい」と語ったイェーツ。直近のレース予定は明らかにされていないものの、タデイ・ポガチャル(スロベニア)と共にツール・ド・フランスへの出場を予定している。

ツール・ド・ロマンディ2023表彰台:2位ヨルゲンソン、1位イェーツ、3位カルーゾ photo:Tour de Romandie
ツール・ド・ロマンディ2023第5ステージ結果
1位 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター) 3:58:01
2位 ニキアス・アルント(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス)
3位 イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
4位 ミラン・メンテン(ベルギー、ロット・デスティニー)
5位 ジャンマルコ・ガロフォリ(イタリア、アスタナ・カザフスタン)
6位 ルーカ・モッツァート(イタリア、アルケア・サムシック)
7位 ルイス・アスキー(イギリス、グルパマFDJ)
8位 マグナス・コルト(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
9位 マッテオ・ソブレロ(イタリア、ジェイコ・アルウラー)
10位 ディオン・スミス(ニュージーランド、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)
個人総合成績
1位 アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) 17:12:42
2位 マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、モビスター) +0:19
3位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) 0:27
4位 マックス・プール(イギリス、チームDSM) 0:38
5位 ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) 0:41
6位 キアン・アイデブルックス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) +1:21
7位 ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) +1:28
8位 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) +1:53
9位 エディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー)
10位 ラファウ・マイカ(ポーランド、UAEチームエミレーツ) +2:07
その他の特別賞
ポイント賞 イーサン・ヘイター(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
山岳賞 ジュリアン・ベルナール(フランス、トレック・セガフレード)
ヤングライダー賞 マッテオ・ヨルゲンソン(アメリカ、モビスター)
チーム総合成績 UAEチームエミレーツ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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