クリテリウム・デュ・ドーフィネはアルプス山岳3連戦がスタート。ゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が逃げ切り勝利を挙げ、終盤アタックを見せたヴィンゲゴーが総合首位を固めた。



総合首位でアルプス3連戦に臨むヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

スタート前に家族との時間を過ごすティシュ・ベノート (ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2023第6ステージ コースプロフィール image:A.S.O.


ナントゥアからクレスト・ヴォランまでの170.2kmで行われたクリテリウム・デュ・ドーフィネ第6ステージ。山岳フィニッシュ3連戦の中で最も難易度が低いとはいえ、ラストは2級、3級、3級山岳を立て続けに登るため、獲得標高差は3,400mに達する。

勝利の目がなくなったディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)がレースを去ったこの日は、山岳賞ジャージを着るドナヴァン・グロンダン(アルケア・サムシック)が太ももの負傷で途中リタイアする。逃げ切りに有利なレイアウトということもあり、スタート直後から逃げグループ形成のためのアタック合戦は熾烈を極めた。

アタック合戦の末、14名が逃げグループを形成した photo:CorVos

この日はウノエックス・プロサイクリングチームが積極的にプロトンを牽引した photo:CorVos

最初の平坦区間を平均時速53km/hで駆け抜けた結果、14名の逃げグループが成立。共に36歳のベテランであるジョナタン・カストロビエホ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)やアンドレイ・アマドール(コスタリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)が入り、ウノエックス・プロサイクリングチームやチームDSMが牽引するメイン集団に最大3分のリードを得た。

フィニッシュに向け連続する山岳の1つ目、2級山岳アラヴィス峠(距離7.8km/平均5.7%)が始まると、プロトンからヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ロット・デスティニー)がアタック。しかしウノエックスがこれを引き戻す一方で、先頭集団ではゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)の加速にカストロビエホとマチュー・ビュルゴドー(フランス、トタルエネルジー)が追従した。

人数を減らしながら2級山岳アラヴィス峠を登坂する逃げ集団 photo:A.S.O.

最終山岳でゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)がアタック photo:CorVos

通り雨に見舞われながら先頭の3名は、プロトンから1分32秒のリードを保ったまま2級山岳の頂上を通過。約10kmのテクニカルな下りをこなし、2つ連続する3級山岳もペースを落とさずに駆け上がる3名に勝負は絞られた。

残り2km地点を過ぎてツィマーマンがアタックしたものの、一定のペースで追うカストロビエホとビュルゴドーとの差は拡がらない。先にカストロビエホが諦め、ビュルゴドーがフィニッシュ手前300mでツィマーマンをキャッチ。そのままスプリントを開始したビュルゴドーにツィマーマンは食らいつき、最終ストレートで抜き返したツィマーマンが勝利を飾った。

「僕は勝利の喜びを何度も味わえるタイプの選手ではない。とても素晴らしい気持ちだよ。失うものがない僕に負ける怖さはなく、全力で踏み込んだ。それが勝利に繋がって本当に誇りに思うよ」と語るツィマーマンは25歳のジャーマンクライマー。ワールドツアーでプロ2勝目を挙げたツィマーマンは、初出場を予定しているツール・ド・フランスに向けて弾みをつけた。

一度ビュルゴドーに追いつかれながらも、抜き返したゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) photo:CorVos

キャリアハイとなる勝利を掴んだゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) photo:CorVos

一方のプロトンではケニー・エリッソンド(フランス、トレック・セガフレード)のアタックをティシュ・ベノート (ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が潰し、フラムルージュ(残り1km)でマイヨジョーヌを着るヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)が自ら仕掛ける。ヴィンゲゴーがレース後「調子が良かったから加速したのだが、登りが短すぎた」という通り、ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン)など総合上位勢を引き離すには至らず、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)を先頭にひと塊でフィニッシュした。

翌日は2つの超級山岳を越え、最後に昨年も登場した1級山岳クロワ・ド・フェール峠(距離13.1km/平均6.2%)を駆け上がる。ツールの総合優勝候補の一角であるタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)がいないものの、本戦にも関係する山岳争いとなるだろう。

調子の良さをアピールしながらマイヨジョーヌをキープしたヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

クリテリウム・デュ・ドーフィネ2023第6ステージ結果
1位 ゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) 4:02:50
2位 マチュー・ビュルゴドー(フランス、トタルエネルジー) +0:01
3位 ジョナタン・カストロビエホ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) +0:08
4位 ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) +0:48
5位 ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン)
6位 アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)
7位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス)
8位 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)
9位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)
10位 エンリク・マス(スペイン、モビスター)
11位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)
個人総合成績
1位 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) 21:06:41
2位 ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) +1:10
3位 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ) +1:23
4位 アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) +1:26
5位 ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) +1:37
6位 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) +1:44
7位 ダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) +2:07
8位 ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) +2:54
9位 ミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ) +2:55
10位 トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム) +2:57
その他の特別賞
ポイント賞 クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)
山岳賞 マチュー・ビュルゴドー(フランス、トタルエネルジー)
ヤングライダー賞 ミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ)
チーム総合成績 UAEチームエミレーツ
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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