「今日は自分の日になると確信していた」鎌田晃輝が3名のスプリントを制して優勝

完走率3割未満のサバイバルレースを制したのは鎌田晃輝（VC福岡）。最後まで残った3名でのスプリント勝負を制し、U23 1年目にして全日本チャンピオンになった。レース詳細をレポート。

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日本サイクルスポーツセンターで開催されている全日本選手権ロードレース。2日目からはマスドスタートのロードレースが行われる。その最初のレースは、男子U23。5kmサーキットに競輪学校の3kmコースを加えて1周8kmとしたコースを14周する112kmで争われた。

朝から梅雨の晴れ間が広がり、気温が上昇する中スタートしたレースは、5周目に動いた。神村泰輝（早稲田大学）が単独先行し、後続に25秒差をつける。7周目に入ると犬伏輝斗（中央大学）と佐藤光（さいたま那須サンブレイブ）が神村に合流。その後佐藤は単独先行するも、津田悠義（キナンレーシングチーム）が中心となってペースアップした集団が9周目に全ての先行集団を吸収してひとつにまとめる。この動きで集団の人数は一気に20名ほどまで絞られる。津田の攻撃はその後も続き、残り4周となる11周目には8名まで絞られた。

残り3周となる12周目に入ると、集団前方で鎌田晃輝（VC福岡）の動きが目立ち始める。それまで動いた津田に代わり、残り2周からはほぼ先頭固定でペースアップし、最終周回までに5名まで絞り込む。残ったのは、鎌田、津田、天野、五十嵐洸太（弱虫ペダルサイクリングチーム）、上野颯斗 （京都産業大学）。

最終周回、秀峰亭前を過ぎてからの登り区間で天野と五十嵐が遅れて3名に。残り距離が徐々に少なくなっていくが、鎌田、津田、上野の3名は互いを見合うように牽制して残り1kmへ。そして最後のスプリント勝負に入っていく。

残り200mのホームストレート、鎌田、津田、上野の順に1列で姿を現す。鎌田の背後から津田が並びかけようとするも伸びず、鎌田が先着。フィニッシュラインを超えると雄叫びと共にガッツポーズを繰り返した。

鎌田は昨年香川県で開催されたインターハイのロードレースで優勝。ジュニアの世界選手権に出場している。松山学院を卒業し、今年からVC福岡に加入。5月に19歳になったばかりだ。

「中学2年生の頃から狙っていた全日本選手権、勝てて嬉しい。勝つことだけを考えて、全員をぶっ倒してやとうと思って臨んだ。

前半はあまり動かずに足を残して、後半に集中して動こうと思っていました。前を追って攻めていけば後ろは居なくなるだろうと思い、その作戦が狙い通りに決まりました。最終盤は他の選手たちも疲弊しているのが判ったので自分に利があると思い、「今日は自分の日になる」と確信していました。最後はガン踏みして引き離せればそれでいいし、ついて来られても厳しい展開に持ち込んで消耗させればスプリントでは自分が有利になると考えていました。夢は世界で闘える選手になることです」

一方、中盤以降のレースを主導した津田は、鎌田の強さを讃える。

「厳しいコースで、自分はマークされることも判っていたので序盤は脚を使わないように心がけて、後半の勝負どころに的を絞って動こうと思っていました。5、6人になったところで鎌田選手がいちばん脚があることが判ったけれど、そこから彼が攻撃し始めて、自分もタイミングを見つつ仕掛けたけれど、最後はやはり彼のほうが脚があったということです。鎌田選手は強かったです」