第1ステージ最終盤に兄弟アタックを決めてマイヨジョーヌを奪い、続く第2ステージも積極的な動きで首位キープに成功したアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)のバイクを紹介。カーボン製チェーンリングなど軽量パーツが組み込まれたコルナゴ V4Rsにフォーカスを当てます。



アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)のコルナゴV4Rs photo:So Isobe

バーテープはマイヨジョーヌに合わせて黄色くなった photo:So Isobe
コンピューターの化粧はちょっと雑 photo:So Isobe



アダム・イェーツ(イギリス)のステージ優勝とマイヨジョーヌ獲得、さらに王座奪還を狙うタデイ・ポガチャル(スロベニア)の積極的かつ圧倒的な登坂力。最強布陣で臨むUAEチームエミレーツはやはり、ツール・ド・フランス2023年大会最強の注目チームと言えるだろう。

昨年ツールで走らせた最終プロトタイプ"PROTOTIPO"を経て、今大会ではポガチャルやイェーツを含む全メンバーが新世代オールラウンダーのV4Rsを使用中。マイヨジョーヌを獲得したイェーツのゼッケン19番のバイクには、お約束の黄色いバーテープ、そしてワフーコンピューターの化粧シールがあしらわれていた。

ポガチャルたちは一体型ハンドル(未発表)を使うが、イェーツは別体式 photo:So Isobe
タイヤはコンチネンタルの軽量モデルであるGrand Prix 5000 TT TR。28c程度だと思われる photo:So Isobe



開幕2日間は全メンバーが50/56mmのSES 4.5ホイールを選択 photo:So Isobe

UAEはエンヴィとのパートナーシップを組み、ホイールとコックピットは同社製品をあつらえる。基本的にここまでの序盤ステージは全メンバーが前50mm/後56mmのSES 4.5ホイールを使用し、コンチネンタルの軽量タイヤであるGrand Prix 5000 TT TRを組み合わせている。

コックピットはエンヴィの「AERO STEM」と「SES AERO HANDLEBAR」で、STIレバーはやや内側に倒したセッティング。なおポガチャルを含め数名は未発表のステム一体型ハンドル(しかも複数の形状が存在している)を使用している。このハンドルに関しては別に紹介する予定。

UAEはジロ期間中にカーボン-Tiとのパートナーシップ締結を発表。複数選手がX-Carboing EVOチェーンリングを使用している photo:So Isobe

カーボンスパイダーのX-Rotor SteelCarbon 3ディスクローターを採用する photo:So Isobe

カーボンと金属をピンで接合する構造 photo:So Isobe
ボトルケージはエリートのLEGGERO CARBON photo:So Isobe



イェーツはじめUAEのバイクで目を引くのは、カーボン製のチェーンリングとディスクブレーキローターだ。これは今年5月に発表されたチームとイタリアの軽量パーツブランド「カーボン-Ti」のコラボレーションによるもので、イェーツやポガチャル、マルク・ソレルといったエース級選手がスペアバイクも含めて使っている模様。

ジロ期間中に発表されたばかりのX-Carboing EVOチェーンリング、X-Rotor SteelCarbon 3ディスクローター、そしてX-Lock EVOスルーアクスルの3アイテムを使っているほか、クランクアームとチェーンリングの段差を埋めるパーツ(一部はシマノだと思われる)も同社製品だ。

サドルはプロロゴのDimension Space。市販品には存在しないカーボンレールモデルだ photo:So Isobe

また、サドルはプロロゴ DIMESIONの幅広・肉厚モデルであるSPACEだが、本来ラインナップに存在しないのカーボンレール(NACK)仕様。小柄なイェーツだが、幅広タイプを選び、かつ特別品というのが興味深い。

コンポーネントはシマノDURA-ACE DI2だが、ボトムブラケットはセラミックスピード製。エンヴィやカーボン-Tiとのパートナーシップなど、UAEは新機材やサードパーティー系ブランドの採用に積極的な姿勢であることが分かる。

text:So Isobe in Bilbao, Basque

最新ニュース(全ジャンル)