プロトンで最も輝きを放つ、マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)のMadone SLRにフィーチャー。プロジェクトワンのスペシャルペイント、金色のスラム RED、そして56Tフロントシングル。見どころに溢れる一台を取り上げます。



マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)のMadone SLR photo:So Isobe

今ツール・ド・フランスにおいて最も派手なバイクは?と聞かれれば、誰もが間違いなくこの一台を挙げるだろう。この先の丘陵ステージで優勝を狙うマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が駆るMadone SLRは誰もが振り返るほどの輝きをパドックで放っている。

トレックはカスタムオーダープログラム「Project One(プロジェクトワン)」の最高級ペイント「ICON(アイコン)」シリーズのニューカラー8タイプをツール開幕に先んじて発表。リドル・トレックの出場メンバーはほぼ全員がいずれかのICONペイントを施したスペシャルバイクを駆りツールに出場中だ。

複雑な形状のIsoFlow周辺はChrome塗装が映えるポイント photo:So Isobe

セッティングによってはスプロケットもゴールドカラーが使われる(写真は通常カラー) photo:So Isobe
ゴールドなREDチェーン photo:So Isobe


平坦ステージではフロントシングルギアを運用。巨大な56Tを回す photo:So Isobe

中でもピーダスンのMadoneは、一般には限定受注となるレインボーメタリックの「Chroma Ultra-iridescent」が特徴。プロトン内で最も複雑な造形美を魅せるフレーム形状と相まって、その仕上がりは非常に艶やかだ。

また、スラムはピーダスンのために特別なゴールドカラーのチェーンとスプロケットが目立つRED eTap AXSを用意(メインバイクのみ)。丘陵ステージではフロントダブルの54/41T、山岳ステージでは50/37Tを使用しているが、平坦の第4ステージでは56Tのフロントシングルギアに切り替わっていた。パワーメーターはもちろんクオークで、ペダルはスラムが買収したタイムのX-Pro 10、チェーンウォッチャーはK-エッジ。なおピーダスンはスプリンターだが、追加スイッチ(Blips)を使用していない。

ピーダスンはMadoneの専用ハンドルユーザー。別体式ハンドル/ステムを使う選手も少なくない photo:So Isobe
伝統のボントレガーBat Cage。ゴムによる保持力アップもお馴染みの手法だ photo:So Isobe



ピレリのP ZERO RACE(28mm)。ピーダスンは常時茶色サイドを運用 photo:So Isobe

ホイールはトレック傘下であるボントレガーのAeolus RSL 51を基本に、平坦ステージでは同62へと変更。組み合わせるタイヤはピレリのP ZERO RACE(28mm)で、タイヤカラーは茶色サイドとブラックが半々といったところだろうか。

また、ボトルケージは脅威のラインアップ歴を誇るボントレガーの名品であるBat Cage。ボトルを抱える部分にゴムを嵌め込んで保持力を高めているのもチームに長年受け継がれているカスタマイズだ(軽量なXXXケージを取り付けている選手もいるが、やはり同様の処理が行われている)。

プロジェクトワンのICONカラーで彩られたリドル・トレックのバイク photo:So Isobe

ピーダスンはバスクからフランスに入国した第3ステージで9位、続くノガロサーキットにフィニッシュした第4ステージで10位。この先のステージでのさらなる上位入賞に期待が掛かる。

text:So Isobe in Tarbes, France

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