雨や強風がレースの難易度を上げたロード世界選手権U23ロードレース。序盤の逃げに乗り、残り27kmから単独となったアクセル・ローランス(フランス)が優勝。2度目の出場となった留目夕陽は36位で完走を果たした。



3日前のTT選手権を制したロレンツォ・ミレージ(イタリア) photo:CorVos
優勝候補筆頭に挙げられたティボー・ネイス(ベルギー) photo:CorVos


日本から単騎で挑む留目夕陽とスタッフとして帯同した中根英登氏 photo:CorVos

ロードレースやマウンテンバイク、BMXや室内自転車競技などが一堂に会するUCI自転車世界選手権大会も残すところあと2日。8月12日(土)に行われた世界選手権U23ロードレースは、日本から唯一の参戦となった留目夕陽を含む61カ国/126名の選手たちが出場した。

コースはグラスゴーの北西にあるローモンド湖を出発し、クロウ・ロード(距離5.9km/平均4.8%/最大9.7%)を越えてグラスゴー市街地コースに突入する168.4km。勝負所となるのは合計7度登るモントローズ通り(距離200m/平均10.8%/最大約14.5%)で、細かいアップダウンによって獲得標高差は2436mに達する。

序盤からU23の個人タイムトライアルを制したロレンツォ・ミレージ(イタリア)が動き、来年アルペシン・ドゥクーニンクへの加入が決まっているアクセル・ローランス(フランス)ら8名の逃げが形成された。一方のメイン集団は、シクロクロスのU23世界王者でリドル・トレック所属のティボー・ネイスを擁するベルギーがコントロールした。

ローモンド湖をスタートする126名の選手たち photo:CorVos

ロレンツォ・ミレージ(イタリア)ら8名が逃げた photo:CorVos

途中で視界を遮るほど大粒の雨に降られながらも、逃げグループはプロトンと50秒差で1周14.3kmの周回コースに突入。その直前にローランスがメカトラに見舞われ、チームメイトであるアントワーヌ・ユビ(フランス)の牽引によって集団に復帰。しかしそのユビがモントローズ通りの下りコーナー(残り72km地点)でタイヤを滑らせ落車し、逃げ集団から脱落した。

7名と逃げグループだったが、プロトンから飛び出したモビスター所属のイヴァン・ロメオ(スペイン)が合流する。再び8名となった先頭を1分差で追うメイン集団では濡れた路面に落車が多発し、来季スーダル・クイックステップに加入するワレ・ファンヘルヴェ(ベルギー)らがリタイアした。

ティボー・ネイスを擁するベルギーがメイン集団を先導した photo:CorVos

プロトンに食らいつく留目夕陽 photo:CorVos

残り27kmでアタックしたアクセル・ローランス(フランス) photo:CorVos

男子エリートで3位に入ったタデイ・ポガチャル(スロベニア)が「まるでクリテリウムみたいだった」と語るように、連続するコーナーでの加減速に逃げ集団からは続々と選手らが脱落していく。そしてミレージとローランスら4名の先頭に対し、30秒後方ではスーダル・クイックステップ所属のマルティン・スヴルチェク(スロバキア)ら4名が追走集団を形成した。

先頭ではジャック・ルートキングレイ(イギリス)が登り区間で積極的に仕掛ける。しかしこれは決め手に欠き、残り27km地点でローランスが飛び出した。

単独で追走したルートキングレイをスヴルチェクら第2集団が捉え、来年よりUAEチームエミレーツと4年の長期契約を結んだアントニオ・モルガド(ポルトガル)も協力してローランスを追いかける。残り10km地点で18秒、残り5kmで12秒まで差を縮めた集団は、最後のモントローズ通りの登りを越え、最終ストレートでローランスに迫る。しかし僅か2秒差でローランスが、逃げ切り勝利を決めた。

逃げ切り勝利を決めたアクセル・ローランス(フランス) photo:CorVos

表彰式でアルカンシエルに袖を通したアクセル・ローランス(フランス) photo:CorVos

「逃げることはプランにはなかった。しかし雨や危険なコーナーがあると分かっていたので、先頭集団にいた方が良いと思って逃げた。逃げ集団では絶好のタイミングまで待ち、それまで可能な限り力を温存することを意識した。そして4〜5名でフィニッシュラインになだれ込むのは嫌だったので仕掛けたんだ。勝利を実感したのはラスト500mを切ってから。ラスト1周は視界に星が現れるほど辛かったよ」と、ローランスはアルカンシエル獲得の喜びを語った。

ローランスは2021年にB&Bホテルズ KTMでプロデビューした22歳。昨年10月のクロ・レース第4ステージではジョナサン・ミラン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス)をスプリントで下し、チーム解散後はアルペシン・ドゥクーニンクの下部チームに加入した。そして来年はトップチームへの昇格が決まっている。

銀メダルを懸けたスプリントはモルガドが先着し、銅メダルはスヴルチェクが獲得した。

そして難易度の高いコースに加え、濡れた路面により落車が多発した混沌のレースで留目は、UCIポイントの獲得圏内である36位(4分54秒遅れの)で完走を果たした。「ロードは目標のポイント圏内でゴールする事ができ、去年の悔しい気持ちを少しは晴らせました。一からサポートしてくださったナショナルスタッフ本当にありがとうございました!次はツールドラブニールに出場します!」と留目はSNSに綴っている。

ロード世界選手権2023男子U23ロードレース表彰台:2位モルガド、1位ローランス、3位スヴルチェク photo:CorVos
ロード世界選手権2023男子U23ロードレース結果
1位 アクセル・ローランス(フランス) 4:04:58
2位 アントニオ・モルガド(ポルトガル) +0:02
3位 マルティン・スヴルチェク(スロバキア)
4位 ジャック・ルートキングレイ(イギリス)
5位 ロレンツォ・ミレージ(イタリア)
6位 モリッツ・クレッチー(ドイツ) +0:09
7位 アレク・セガールト(ベルギー) +1:01
8位 イヴァン・ロメオ(スペイン)
9位 マックス・ウォーカー(イギリス) +1:03
10位 ピエール・ゴーテラ(フランス) +1:41
36位 留目夕陽 +4:54
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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