第78回ブエルタはカンタブリア州都サンタンデールでの休息日を経て、ビスケー湾に面するリンクレス・プラヤで再開。マイヨロホの行方が明らかとなる超級山岳アングリルや10の3級山岳が登場する第20ステージなど、第3週目のコースを紹介します。



第17ステージに登場する「魔の山」アングリル photo:Kei Tsuji

9月12日(火)第16ステージ 
リンクレス・プラヤ〜べヘス 120.1km(平坦/山頂フィニッシュ)


9月12日(火)第16ステージ リンクレス・プラヤ〜べヘス 120.1km image:A.S.O.

第78回ブエルタ・ア・エスパーニャの第3週目は、平坦路から2級山岳を登り詰める120.1kmのショートステージで再始動する。ピレネー山脈での厳しい戦いを残り越え、休息日に身体を休めた選手たちはビスケー湾に面したカンタブリア州リンクレス・プラヤを出発。蛇行しながら沿岸を西に進み、アストゥリアスとの州境の街べヘスを目指す。

93.3km地点にある中間スプリントを通過後115.3km地点までは平坦路。そこから駆け上がる2級山岳べヘスは登坂距離4.8km/平均勾配8.8%とスプリンターたちを退ける難易度で、登りの入り口から14%の勾配が登場。一度3.8%と緩やかになった後、最大15%が現れる。総合順位が入れ替わるほどの長さはないものの、翌日のアングリル決戦に向けて選手たちの脚色が明らかとなるだろう。



9月13日(水)第17ステージ 
リバデセリャ〜アルト・デ・アングリル 124.4km(山岳/山頂フィニッシュ)


9月13日(水)第17ステージ リバデセリャ〜アルト・デ・アングリル  124.4km image:A.S.O.

アストゥリアス州のリバデセリャから「魔の山」とも呼ばれるアングリルへ。124.4kmのステージは出発地点から徐々に標高を挙げていき、残り56.4km地点から1級山岳コラディエラ峠(距離7.8km/平均7.1%)を登坂。下った先の中間スプリントを経て、今度は登坂距離5.4kmながら平均勾配が9.2%に達する1級山岳コルダル峠を駆け上がる。

その後8.7%のダウンヒルをクリアした選手たちは、「パンテオン(万神殿)」など様々な異名を持つ超級山岳アングリル峠に臨む。平均勾配こそ9.9%だが、これは序盤の緩斜面区間(とは言っても10%前後)と最後400mの下り区間を含む数字。終盤6.5kmからは度々20%オーバーで、平均約14%、最大24%というプロ選手でも蛇行して登るほどの激坂区間が待ち受ける。

前回アングリルにフィニッシュしたのは、コロナ禍で行われた2020年大会の第12ステージ。その時は今大会にも出場するヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト)が勝利し、遅れを取ったプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)がリチャル・カラパス(エクアドル、現EFエデュケーション・イージーポスト)にマイヨロホを奪われている(後に奪還)。



9月14日(木)第18ステージ 
ポラ・デ・アリャンデ〜ラ・クルス・デ・リナレス 178.9km(山岳/山頂フィニッシュ)


9月14日(木)第18ステージ ポラ・デ・アリャンデ〜ラ・クルス・デ・リナレス 178.9km image:A.S.O.

超級山岳アングリルを終えた次の日も、レースは険しい山々を越える。引き続き舞台となるカンタブリア山脈の、2級、1級、3級、1級、1級と、前日より800m増しの獲得標高差4,100mの登りが用意された。

ポラ・デ・アリャンデを出発した選手たちはまず2級山岳で足慣らし。その後登坂する1級山岳プエルト・デ・サン・ロレンツォ(距離9.9km/平均8.6%)は序盤に最大15〜16%が登場する難所で、3級山岳を挟み、この日のメインディッシュである1級山岳ラ・クルス・デ・リナレス(距離8.3km/平均8.6%)に至る。

合計2度登坂する最初のリナレス頂上には最大-6秒のボーナスタイムが設定される。登り口から平均10%の勾配を上がり、頂上に向かって緩やかになるため前半からアタックが繰り広げられる可能性が高い。そして一度下り、ボーナスタイム付きの中間スプリントを越えて再びリナレスを登り詰める。今大会最後の山頂フィニッシュで、ガッツポーズで勝利を喜ぶのは誰か。



9月15日(金)第19ステージ 
ラ・バニエサ〜イスカル 177.1km(平坦)


9月15日(金)第19ステージ ラ・バニエサ〜イスカル 177.1km image:A.S.O.

2連続の山岳決戦を終えたブエルタに、ようやくスプリンターにその出番が回ってきた。タイムカットを免れたスプリンターたちはカスティーリャレオン州ラ・バニエサを出発。コース上には背の低い丘がいくつか登場するものの、前日の山岳を経た選手たちにとって真っ平らに感じるはずだ。

逃げ向きとは言えないレイアウトではあるものの、それも当日の風次第。残り2kmの鋭角右コーナーを経て大集団によるスプリントが大方の予想だ。



9月16日(土)第20ステージ 
マンサナレス・エル・レアル〜グアダラマ 207.8km(丘陵)


9月16日(土)第20ステージ マンサナレス・エル・レアル〜グアダラマ 207.8km image:A.S.O.

最終日の舞台である首都マドリーは目と鼻の先。第20ステージは今大会最長距離207.8kmで争われ、これまで越えてきたような急坂ではないものの、獲得標高差が4,270mに達するタフなステージが用意された。

設定された山岳は10個の3級山岳。マンサナレス・エル・レアルをスタートしてまずは2つの山岳を越え、連続する3つの3級山岳(エスコンディダ、サンタマリア・デラ・アラメダ、ロブレドンド)を含む53.4kmコースを2周。更に最後にも2つの3級山岳を越える。

これ以上ない逃げ向きのレイアウトで、第2週目までに1度しか逃げていないトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・デスティニー)の激走が見られるだろうか。



9月17日(日)第21ステージ 
サルスエラ競馬場〜マドリード 101.1km(平坦)


9月17日(日)第21ステージ サルスエラ競馬場〜マドリード 101.1km image:A.S.O.

3週間に及ぶ戦いの末、選手たちはスペインの首都マドリードにたどり着く。最終日は2年連続でマドリード市街地を反時計回りに巡る平坦ステージ。前日に確定したマイヨロホ獲得者を先頭にパレードランを楽しみながら、選手たちは互いの健闘を称え合う。

残り54.7km地点の中間スプリントで前哨戦が争われ、終盤はヘアピンカーブが連続。ツールのシャンゼリゼ同様、最後は高確率でスプリンターたちによるスピードバトルが予想され、真っ直ぐな平坦路でスプリンターチームがトレインをぶつけ合う。そして最終ステージの優勝者と、栄光の総合優勝者が決定する。

text:Sotaro.Arakawa
image:Unipublic

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