写真判定の僅差　ウェルスフォードがフィリプセンら退けWT初勝利

ベルギーで開催中のレネウィ・ツアー第4ステージは、大会2度目の集団スプリントで決着。フィリプセンやコーイら強豪スプリンターを退けたサム・ウェルスフォード（オーストラリア、DSM・フィルメニッヒ）が、27歳にしてワールドツアー初勝利を手に入れた。

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スペイン・バルセロナで開幕したブエルタ・ア・エスパーニャと時を同じく、ベルギーを舞台に開催中のレネウィ・ツアー（UCIワールドツアー）。8月26日（日）に第4ステージを迎え、ベリンゲンからペーアーに向かう179.4kmの平坦コースで争われた。

この日はスタート直前にロット・デスティニーの下部チームに所属し、トレーニング中に命を落としたティール・デデッカー（ベルギー）への黙祷が捧げられた。そして喪章をつけたロットを先頭にスタートが切られ、ベルギー籍のフランダース・バロワーズを含む4名が逃げグループを作った。

残り65km地点を通過し、逃げ集団の姿が見えるまで迫ったメイン集団から、初日勝者のヤスペル・フィリプセン（ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク）がアタック。虚を突く動きに混乱するプロトンの中からニルス・エーコフ（オランダ、DSM・フィルメニッヒ）などが反応し、5名の先頭集団が誕生した。

慌ただしいプロトンの動きにシルヴァン・ディリエ（スイス、アルペシン・ドゥクーニンク）らが落車。再び1つになった集団からドゥシャン・ラヨビッチ（セルビア、バーレーン・ヴィクトリアス）が飛び出したものの長くは続かず、先頭通過者に-3秒が与えられるグリーンKMで激しいアタック合戦が繰り広げられた。

その結果、-2秒を加算したティム・ウェレンス（ベルギー、UAEチームエミレーツ）は総合首位キープに成功。残り8.5kmで発生した集団落車にマイク・トゥーニッセン（オランダ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ）ら15名以上の選手が巻き込まれるなか、勝負は集団スプリントに持ち込まれた。

DSM・フィルメニッヒらスプリンターチームが集団先頭でペースを作り、ヨナス・リカールト（ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク）の牽引で最終ストレートに突入する。ヤスペル・デブイスト（ベルギー、ロット・デスティニー）がエースのアルノー・デリー（ベルギー）を先頭まで引き上げ、スプリントバトルが幕を開けた。

デリーのスピードが伸び悩むなか、ティム・メルリール（ベルギー、スーダル・クイックステップ）が加速。しかしデリーの背後からサム・ウェルスフォード（オーストラリア、DSM・フィルメニッヒ）とフィリプセンが飛び出し、オラフ・コーイ（オランダ、ユンボ・ヴィスマ）も番手を上げる。そしてフィリプセンとウェルスフォード、コーイの3名がハンドルを投げ、写真判定の結果ウェルスフォードに勝利が告げられた。

「僅差で誰が勝ったのか分からなかった。僕とオラフ（コーイ）が僅差で、緩やかな登り坂だったのに加えて向かい風もあった。チームメイトのおかげだし、勝利に足る運が味方をしてくれた」と27歳のウェルスフォードは、ワールドツアー初勝利をそう喜んだ。