アジア競技大会のトラック競技は最終日を迎えた。女子スプリントで佐藤水菜が金、太田りゆが銅メダルを獲得し、女子オムニアムで梶原悠未が、男子マディソンで今村駿介と兒島直樹が金メダルに輝いた。



危なげなく女子オムニアムで金メダルを獲得した梶原悠未 photo:JCF

トラック競技としては最終日となった第19回アジア競技大会。中国の杭州で9月29日(金)に、女子オムニアムや男子マディソン、女子スプリント、男子ケイリンの決勝が行われた。

女子オムニアムには2020年の世界選手権で優勝、東京五輪銀メダリストの梶原悠未が出場した。梶原はスクラッチを1位、テンポレースを2位、エリミネーションでも1位と順調にポイントを加算していき、最終種目であるポイントレースでもトップでフィニッシュ。実力通りの走りで金メダルを獲得した。

表彰式で今大会2つ目の金メダルを獲得した梶原悠未 photo:JCF

女子チームパシュートに続く2つ目の金メダルを手に入れた梶原は、「今日は戦略的に走ることができて、思い通りのレース運びができました。今日の走りは、来年のオリンピックに繋がると思います。これからも応援よろしくお願いします」と語った。

続く男子マディソンには今村駿介と兒島直樹のペアが臨み、序盤に落車したものの、韓国と一進一退の展開を繰り広げる。そして最終のスプリント周回で先着し、韓国と同ポイントながら優勝を掴み取った。

男子マディソンに臨んだ今村駿介と兒島直樹 photo:JCF

落車に見舞われながらも金メダルを獲得した今村駿介と兒島直樹 photo:JCF

今村は「結果的に勝てて良かったです。途中の落車で、痛みとの闘いでしたが、それでも集中力を切らしたらダメだと思い耐えながら走りました」とコメント。一方の兒島は「余裕を持って戦えると思っていたのですが、序盤の落車で思うように走れなくて結果的に接戦となってしまいました。最後はきつかったですが、日本のためにも勝たなくてはいけなかったので、2人で息を合わせて、力を振り絞って頑張りました」と、今後の課題を語りながらも喜びを語った。

男子は太田海也が制した女子スプリントには、女子ケイリンを制した佐藤水菜と太田りゆが出場した。太田は準決勝で敗れながらも3-4位決定戦を制し、3位で銅メダルを獲得。一方の佐藤は準々決勝と準決勝と1本も落とすことなく決勝に進み、ユアン・リイン(中国)を相手に2本を先取して優勝した。

女子ケイリンとスプリントの2冠を達成した佐藤水菜 photo:JCF

女子スプリントの表彰式で笑顔を見せる佐藤水菜と太田りゆ photo:JCF

ケイリンに続き、その力を発揮した佐藤は「昨日の予選から、ジェイソンコーチと戦略的に戦って来たのが、良い結果に繋がったと思います。中国の選手はとても強く、アジアの中でも一番警戒していました。その中国の選手に対して、しっかり自分の力を出して勝ち切ったことは凄く自信になりました。この大会を通して、自分の気持ちも凄く前向きになれて、自身の成長も感じられたので、とても嬉しいです」と、今大会2つ目の金メダルを喜んだ。
女子オムニアム結果
1位 梶原悠未(日本) 138pts
2位 リー・ジー・ウィング(香港) 127pts
3位 リウ・ジャリー(中国) 121pts
男子マディソン結果
1位 日本(今村駿介、兒島直樹) 54pts
2位 韓国 54pts
3位 カザフスタン 37pts
女子スプリント結果
1位 佐藤水菜
2位 ユアン・リイン(中国)
3位 太田りゆ