記念すべき第30回目を迎えたジャパンカップは本日10月14日(土)、宇都宮市街を舞台とするクリテリウムで開幕。昨年より2周増えたロードのコースや、アラフィリップ&フルームら豪華メンバーをプレビューします。



2022年大会を制したニールソン・ポーレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) photo:Makoto AYANO

宇都宮で行われたロード世界選手権で、ルディー・ダーネンス(ベルギー)が優勝したのは1990年のこと。その2年後である1992年にメモリアルレースとして産声をあげたのが第1回ジャパンカップだ。それ以降、シーズンの締めくくるレースとして毎年世界のトップ選手たちが集結し、日本のロードレースファンを毎年熱狂させてきた。

2008年からは当時アジア最高峰のカテゴリーであるHC(現在はPro)にカテゴリーを上げ、2010年からは宇都宮市大通でクリテリウムレースが併催される2日間の巨大イベントに成長。その日本随一のサイクリングイベントが再び開幕する。

昨年のクリテリウムはエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)が2019年に続く2連勝を決め、ロードレースはEFエデュケーション・イージーポストのニールソン・パウレス(アメリカ)とアンドレア・ピッコロ(イタリア)がワンツーフィニッシュを飾った。2日間に渡るレースのコース詳細や、出場メンバーを紹介しよう。



10月14日(土):ジャパンカップ クリテリウム(15時40分〜)

宇都宮市大通り周回コース
周長:1周=2.25km
総距離:33.75km(2.25km×15周)
スプリント賞:4周、8周、12周


ジャパンカップ2023クリテリウム コースマップ image:Japan Cup

ジャパンカップクリテリウムの舞台は、宇都宮市の目抜き通りである宇都宮市大通りを規制して作られた直線コース。それを反時計回りに進む1周2.25km/全長33.75kmで争われ、選手たちはパレード走行を2周した後「バンバひろば」の正面に設置されたスタート/フィニッシュ地点を出発する。

コーナーは東部馬車道通り入り口と上河原交差点の2ヶ所。ラスト600mは直線路だが、フィニッシュラインは緩い登りを越えた先に引かれている。

今年大会3連覇の掛かるエドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) photo:Kei Tsuji

翌日のジャパンカップが登坂レースであるため、出場リストにはクライマーやパンチャー系の選手が目立つ。しかし今年も大会3連覇を目指すトゥーンスはもちろん、昨年2位だったアクセル・ザングル(フランス、コフィディス)や3位の岡篤志(JCLチーム右京)が出場。宇都宮ブリッツェンの退団が発表された小野寺玲はコロナ陽性で不出場だが、日本のチームではギリシャ王者ゲオルギオス・バグラス (マトリックスパワータグ)の走りにも注目だ。



10月15日(日):ジャパンカップ サイクルロードレース(午前10時〜)

宇都宮市森林公園周回コース
周長:1周=10.3km
総距離:164.8km(10.3km×16周)
山岳賞:3周、6周、9周、12周


ジャパンカップ2023ロードレース コースマップ image:Japan Cup

ジャパンカップ2023ロードレース コースプロフィール image:Japan Cup
UCIProカテゴリーのレースとして開催されるジャパンカップ本戦。第30回大会は昨年よりも”2周回多い”1周10.3kmx16周=164.8kmで争われ、その獲得標高差は2,960m(1周185m)に達する。1周の平均予想タイムは16分と算出されるため、レース時間は4時間半前後の戦いとなる見込みだ。

スタート地点は大型ビジョンや表彰台が設置される森林公園駐車場。そこから赤川ダムの脇を通り、僅か1kmで「古賀志林道」の登りが始まる。つづら折りの登り坂はジャパンカップをジャパンカップたらしめる名物スポットで、多くの観客が苦悶の表情で駆け上がる選手へ声援を送る。また3周、6周、9周、12周目をトップ通過した選手にそれぞれ山岳賞が与えられるため、激しい登坂バトルがその都度繰り広げられるだろう。

古賀志林道のつづら折れ photo:Makoto AYANO

その後は狭いコーナーが連続する3kmの下り坂。このテクニカルなダウンヒルでは観戦が全面的に禁止されているため、状況の把握はレース中継頼りとなる。

そして2.5kmの平坦区間を経て、田野町交差点からはスタート/フィニッシュ地点までは登り基調のワインディングが続いていく。ここは登りと下りで縦長となった集団からアタックが頻発する区間でもある。

ちなみに天気予報で日曜の宇都宮森林公園の天気は雨。そのため選手たちは濡れた路面と寒さの中での戦いとなりそうだ。



注目は若手のピッコロやアラフィリップ

アンドレア・ピッコロ(イタリア) photo:Makoto AYANO

優勝候補の筆頭に挙がるのは、昨年優勝したパウレスとワンツーフィニッシュを決めたアンドレア・ピッコロ(イタリア)。22歳でプロ初のフルシーズンを走ったピッコロは、グランツールデビューとなったブエルタ・ア・エスパーニャを完走。一時はマイヨロホを着用し、その後も逃げから積極的に勝利を狙うなど、将来のエース候補としてその力を見せつけた。

その若きエースを大怪我から復活したミケル・ヴァルグレン(デンマーク)らが支え、また直近のツール・ド・ランカウイで総合優勝を飾ったサイモン・カー(イギリス)もまたエースを担える存在だ。

対するは2013年以来、10年振りの出場となるスーダル・クイックステップ。一番の注目はもちろん元世界王者ジュリアン・アラフィリップ(フランス)だが、直前のワンデーレースでリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)を下したイラン・ファンウィルデル(ベルギー)も優勝候補の一人。またクライマーのファウスト・マスナダ(イタリア)もいるため、勝負手札の多さではトップと言える。

ひときわ大きな声援を受けるジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:Kei Tsuji

ルイ・コスタとアンテルマルシェ・サーカス・ワンティ photo:Makoto AYANO

EFとクイックステップにも劣らぬチーム力を誇るのがアンテルマルシェ・サーカス・ワンティ。ブエルタでの区間優勝を含め今季3勝と復活を遂げた元世界王者、ルイ・コスタ(ポルトガル)がエースを務め、また今年U23版リエージュ~バストーニュ~リエージュとU23のイタリア選手権を制した20歳フランチェスコ・ブサット(イタリア)も有力選手となる。

リドル・トレックはジュリオ・チッコーネ(イタリア)がいるが、落車によってイル・ロンバルディアを回避する怪我の影響もあり、エースは過去2度の覇者であるバウケ・モレマ(オランダ)が濃厚。そして今シーズンは勝利に一歩届かないギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)は、入念な試走で虎視眈々と勝利を狙う。

ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) photo:Makoto AYANO

KOMへと追い込んで走ったクリス・フルーム(イギリス、イスラエル・プレミアテック) photo:Makoto AYANO
土曜も日曜も活躍を期待したいエドワード・ダンバー(アイルランド) photo:Makoto AYANO


新城幸也を擁するバーレーン・ヴィクトリアスは昨年4位のハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・ヴィクトリアス)が表彰台以上の結果を目指す。そしてイスラエル・プレミアテックはクリストファー・フルーム(イギリス)はもちろんのこと、10月8日のパリ〜トゥールでトレーニー(研修生)の立場ながら金星を挙げたライリー・シーハン(アメリカ)がその未知数の力を発揮するか。

他にもジロ・デ・イタリア総合7位のエディ・ダンバー(アイルランド、ジェイコ・アルウラー)や昨年5位のマキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・デスティニー)に注目。日本チームから昨年3位で表彰台に上がったベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、ヴィクトワール広島)や小石祐馬(JCLチーム右京)、直前の怪我の影響がなければ留目夕陽(日本ナショナルチーム)も見逃せない存在となる。
ジャパンカップ・クリテリウム歴代優勝者
2022年 エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)
2019年 エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)
2018年 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)
ジャパンカップ・ロードレース歴代優勝者
2022年 ニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)
2019年 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
2018年 ロブ・パワー(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)

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