イネオス・グレナディアーズが元イギリス王者であるベン・スウィフトと、グランツールで山岳アシストを担うローレンス・デプルス(ベルギー)との契約延長を明らかにした。ゲイガンハートやマルティネスなど主力選手が退団したイネオスは、8月の移籍解禁から現時点で新加入わずか2名と今後の発表が待たれる。



グランツールで重要なアシストの役割を担うベン・スウィフト(イギリス) photo:CorVos

37歳のゲラント・トーマス(イギリス)と2年の契約延長を結んだイネオス・グレナディアーズは、その盟友であるベン・スウィフト(イギリス)とローレンス・デプルス(ベルギー)との契約更新を明らかにした。

「16年目、17年目のプロシーズンを続けられることに大きな喜びを感じている。若い選手たちと共に走り、チームの進歩に貢献したい」と喜びを語ったスウィフトは1987年生まれの35歳。チームが発足した2010年から所属し、UAEチームエミレーツで2年間走った後の2019年に復帰。これまで2度のイギリス選手権を制したベテランは、今年ジロ・デ・イタリアでトーマスの総合2位に貢献した。契約期間は2025年までの2年間。

若返りを狙うチームで、28歳にしてベテランの立場となったローレンス・デプルス(ベルギー) photo:CorVos

更にイネオスはローレンス・デプルス(ベルギー)と3年契約を発表。「ベルギーのことわざにもある通り、良い結果を得るには時間がかかるもの。来年以降の数年間で引き続き成長し、チームとしても成長と発展、そして物語を作ることができるよう頑張りたい」と語るデプルスは、2021年に加入した28歳のクライマー。今年はスウィフトと共にジロでトーマスをアシストし、自らも総合10位に入った。

しかしブエルタ・ア・エスパーニャでは初日のチームタイムトライアルで落車し、臀部を打ち付け無念のリタイアを喫した。現在はトレーニングを再開するまで回復し、公式リリースでは「僕の夢はチームとしてできる限り多くグランツールで勝つこと。イネオスはその夢を追い求めるベストなチームだと思っている」と意気込みを語った。

総合エースであるテイオ・ゲイガンハート(イギリス)がリドル・トレック、パヴェル・シヴァコフ(フランス)がUAEチームエミレーツ、ダニエル・マルティネス(コロンビア)がボーラ・ハンスグローエへ移籍するなど、2024年シーズンは大幅な戦力ダウンが予想されるイネオス。補強も現時点でモビスターからオスカル・ロドリゲス(スペイン)とアメリカのTTジュニア王者であるアンドリュー・オーガストの2人のみと、移籍市場での巻き返しが期待される。

text:Sotaro.Arakawa

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