スーダル・クイックステップはイタリアのクラシックレーサーであるジャンニ・モスコン(アスタナ・カザフスタン)の獲得を発表した。またチームは同選手が来季に向けた最後の移籍であり、ロースターの確定を伝えている。



スーダル・クイックステップへの移籍が発表されたジャンニ・モスコン(イタリア) photo:CorVos

「世界最大級のチームであるスーダル・クイックステップは、ここ数年クラシックレースで常にその動きを警戒しなければならないチームだった。なぜなら彼らは適切なタイミングで適切な場所にいてレースを厳しくするからね。このチームで走るのがプロ選手としての目標であり、それが来年叶うことになり嬉しい」と、ジャンニ・モスコン(イタリア、アスタナ・カザフスタン)は移籍の喜びを語った。

2016年にチームスカイ(現イネオス・グレナディアーズ)でプロデビューしたモスコンは29歳。”トラクター”と称されるスピードと爆発力でプロ1年目からアークティックレース・オブ・ノルウェーで総合優勝を飾り、2018年は4勝とツアー・オブ・グワンシーで総合優勝を挙げるなど活躍。しかしイタリアを代表するクラシックハンターである一方で、人種差別発言や2018年ツール・ド・フランスでの暴力行為による失格処分など、度々問題行動も起こしてきた。

2021年パリ〜ルーベでは積極的な走りで4位に入ったジャンニ・モスコン(イタリア) photo:CorVos

2021年は3勝を挙げ、コロナ禍により10月開催だったパリ〜ルーベでは逃げから4位入賞を果たしたモスコン。アスタナ・カザフスタンに移籍した2022年こそ新型コロナウイルス感染の影響に苦しんだものの、今年はジロ・デ・イタリアとツールを連続で完走するなど徐々に調子を取り戻している。

スーダル・クイックステップのパトリック・ルフェーブルGMはモスコンを「ジャンニのことはアマチュアの頃から知っている。U23の時に頭角を現した彼はプロになってもその才能を発揮している。我々のチームに加わる来年、彼は良い成績を残してくれるだろう」と評価。ファビオ・ヤコブセン(オランダ)やレミ・カヴァニャ(フランス)など主力の退団が相次ぐなか、ルーク・ランパーティ(トリニティレーシング)など若手中心の補強となっているため、ミケル・ランダ(スペイン)と共に即戦力であるモスコンに掛かる期待は大きい。

モスコンは来シーズンについて「クラシックが好きでこのチームの戦い方が好き。ウルフパック(チームの愛称)の一員として走るのが待ち遠しい」と抱負を語っている。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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