ポーランドのTT王者に8度輝いたマチェイ・ボドナル(トタルエネルジー)が、自身のSNSを通して現役引退を発表した。同選手は2017年ツールでも区間優勝を飾ったタイムトライアルスペシャリストで、ペテル・サガンとは2010年から同じチームで走った盟友だ。



2017年ツール第20ステージで勝利したマチェイ・ボドナル(ポーランド、当時ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji / TDWsport

「自転車競技は美しいスポーツ。おかげで世界中を巡り、素晴らしい人や異文化を体験することができた。しかし多くの犠牲を強いられる数少ないスポーツの一つでもある。家族や愛する人たちと離れ、自己犠牲の元で成り立っている」とマチェイ・ボドナル(ポーランド、トタルエネルジー)は、引退発表と共に自身のSNSに綴った。

「僕は選手キャリアのほとんどをアシストとして過ごした。そして幸運にもイヴァン・バッソやアルベルト・コンタドール、ヴィンツェンツォ・ニバリのような世界のトップ選手をサポートすることができた。だが、僕が最も長く共に走ったのはペテル・サガン。また彼らビックネームだけではなく、僕は全ての選手を彼らが世界チャンピオンと思い懸命にアシストした。特にミカル・クウィアトコウスキーの世界選手権制覇と、ラファウ・マイカのリオ五輪銅メダル獲得をチームメイトとして貢献出来たことは嬉しかった」。

ボドナルは2007年にリクイガスでプロデビューした38歳。ポーランドTT選手権で8度の優勝を誇るTTスペシャリストとして知られ、2017年のツールドフランス第20ステージでは同郷のミカル・クウィアトコウスキー(当時チームスカイ)を1秒差で下し、区間優勝した。

マチェイ・ボドナル(ポーランド、当時ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji / TDWsport

14年に渡り共に走ったボドナルとサガン photo:CorVos

本人が語るように、ロードレースではルーラーとしてアシストに徹したボドナル。特にペテル・サガン(スロバキア)とは2010年に加入したリクイガス・ドイモからティンコフ、ボーラ・ハンスグローエ、そしてトタルエネルジーと14年に渡り同じチームで走り続けた。そのためサガンも「ボドナルとは数え切れない距離を共に走り、世界を飛び回った。一緒に忘れられない瞬間や喜びを分かち合い、このスポーツの困難や挑戦にも直面した。ボディ(ボドナル)はこれからも僕の真の友人であり続ける」と、長文で引退するボドナルへ言葉を送った。

そしてボドナルは、「自転車競技は自己犠牲だけで成り立つものではなく、サポートしてくれる人たちや家族のおかげで続けることができた。だからこれからは家族や愛する人達との時間を過ごしたい」と引退発表を締めくくった。

text:Sotaro.Arakawa

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