国土交通省が、国が指定するナショナルサイクルルートの新たな候補となる3つのルートが選定されたと発表。既存3ルートに加わる候補として、北海道の「トカプチ400」、1400kmに及ぶ「太平洋岸自転車道」、富山の「富山湾岸サイクリングコース」が挙げられている。また、次期「自転車活用推進計画」に関するwebアンケートも実施中だ。



ビワイチをはじめ、3つのルートが選出されているナショナルサイクルルートビワイチをはじめ、3つのルートが選出されているナショナルサイクルルート
自転車活用推進法の施行に基づき、「日本を代表し、世界に誇りうるサイクリングルート」として2019年に導入されたナショナルサイクルルート。現在、「つくば霞ケ浦りんりんロード」(茨城県)、「ビワイチ」(滋賀県)、「しまなみ海道サイクリングロード」(広島県、愛媛県)の3ルートが第一次ナショナルサイクルルートとして設定されている。

ナショナルサイクルルートとして指定されるためには、事務局による候補ルートの選定ののち、第三者委員会による審査を経て、自転車活用推進本部長が指定するという手続きが必要となる。なお、コース設定にあたっては以下の5つの観点に立った評価が行われる。

(1)ルート設定:サイクルツーリズムの推進に資する魅力ある安全なルートが設定されている
(2)走行環境:迷わず安心、安全に走行できる環境が整備されている
(3)受入環境:サイクリストのニーズに対応したサポートが充実している
(4)情報発信:必要な情報が容易に入手可能である
(5)取組体制:質の高いサイクリング環境を維持し、更なる向上を図るための継続的な取り組み体制がある

今回は、その第一段階となる候補ルートに下記の3ルートが選ばれた。

トカプチ400(北海道)
トカプチ400(北海道)トカプチ400(北海道) (c)自転車活用推進本部事務局
JR帯広駅やとかち帯広空港をゲートウェイとし、北側は上士幌町・三国峠まで足を延ばし、南側は大樹町や豊頃町の太平洋沿岸部までを8の字につなぐ、全長403kmのコース。広大な樹海を望む道内国道最高標高の三国峠をはじめ、タウシュベツ橋梁や然別湖、十勝川温泉など、数多くの見どころを巡るルートとなっている。

太平洋岸自転車道(千葉県、神奈川県、静岡県、愛知県、三重県、和歌山県)

太平洋岸自転車道(千葉県、神奈川県、静岡県、愛知県、三重県、和歌山県)太平洋岸自転車道(千葉県、神奈川県、静岡県、愛知県、三重県、和歌山県) (c)自転車活用推進本部事務局
「太平洋岸自転車道」は銚子市(千葉県)~和歌山市(和歌山県)に至る太平洋岸の6県を跨ぐ全長1,487kmの長大コース。1973年度から大規模自転車道として整備が進んできたルートだが、自転車活用推進計画の中でも言及されたことで走行環境の整備や拠点づくりが進んでいる。

富山湾岸サイクリングコース

富山湾岸サイクリングコース富山湾岸サイクリングコース (c)自転車活用推進本部事務局
富山県の氷見市~朝日町の海岸沿いを繋ぐ全長102kmの「富山湾岸サイクリングコース」。背後に立山連峰を望む富山湾は「世界で最も美しい湾クラブ」に名を連ね、季節によっては蜃気楼も見えるなど日本でも指折りの景勝地。海沿いのサイクリングロードを繋ぐコースでは、例年イベントも開催されるなど、サイクリストフレンドリーなエリアとなっている。

以上、3つの候補ルートが、今後第三者委員会となるナショナルサイクルルート審査委員会によって、審査されることになる。



次期「自転車活用推進計画」に関するwebアンケート実施中

自転車活用推進法に基づき2018年6月に閣議決定された「自転車活用推進計画」の計画期間が2020年度で期日を迎えることから、次期計画の策定に向けた検討が進んでいる。

現在の自転車活用推進計画の4つの目標(自転車通行空間の整備、サイクル・ツーリズムの推進、シェアサイクルの普及、交通安全意識の向上)の中に、「多様な自転車の開発促進」と「損害賠償責任保険等の加入促進」という2つの項目が追加された次期計画の骨子が発表されている。

また、次期計画の策定に向け、広く意見を募集するためwebアンケートが実施されている。実施期間は2月7日(日)まで。アンケートはこちらのリンクより。



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