2016年に110周年を迎えるウィリエールから、記念モデル『Zero.6(ゼロセーイ)』が発表された。形状はZero.7を踏襲しつつ、その中身は全く別物。採算を度外視して作られたと言う110周年記念スペシャルエディションモデルを紹介しよう。



ウィリエール Zero.6ウィリエール Zero.6 (c)服部産業
ウィリエールのアイコンモデルである現行Zero.7(ゼロセッテ)を開発・発表した2年前に、既にZero.6の原型である600g台のフレームは出来あがっていた。しかし、当時の技術と素材ではウィリエールの望んだ運動性能と耐久性を両立することが困難で、性能に納得できず一度はお蔵入りになったという。そして2016年、三菱レイヨンの新しい素材を手にし、Zero.6はついに完成に致った。

2011年に発表された初代Zero.7は、フレーム(Mサイズ)重量750g、そして2014年発表された現行2代目のZero.7でフレーム(Mサイズ)重量780gだった(※注:2代目においてシートポストの径が細くなったのでトータル重量としては初代と2代目はほぼ同じ)。現行Zero.7は軽量化に振るのではなく、重量はほぼそのままに、エアロダイナミクスと走行性能と耐久性を飛躍的に向上させた。

新素材の採用と設計の見直しでフレーム重量680g(Mサイズ)を実現した新素材の採用と設計の見直しでフレーム重量680g(Mサイズ)を実現した (c)服部産業Zero.7と同様、直線的な造形のトップチューブ。シンプルに製品ロゴのみの上部Zero.7と同様、直線的な造形のトップチューブ。シンプルに製品ロゴのみの上部 (c)服部産業

ダウンチューブのWilierロゴは、グロス塗装のブラックで精悍なイメージダウンチューブのWilierロゴは、グロス塗装のブラックで精悍なイメージ (c)服部産業シートチューブには限定生産を示すシリアルナンバーが入るシートチューブには限定生産を示すシリアルナンバーが入る (c)服部産業

Zero.6は、シルエットこそほぼZero.7と同じにもかかわらず、全く新しい金型を使用し、わずかな軽量化のためにハイエンドフレームのアイコンであったBB386EVOからプレスフィット方式に変更。素材には三菱レイヨン最新のピッチ系カーボン繊維とパン系カーボン繊維を用い、Zero.7と比べフレーム重量で100g、フォーク重量で25gの軽量化を達成した。

三菱のピッチ系カーボン繊維は三菱ダイアリードカーボンという高弾性素材で、ウィリエール史上最高の65トンを採用。また、パン系カーボン繊維は三菱パイロフィルカーボンという高張力・高弾性素材のパイロフィルMR70という素材で、2014年1月に発表された最新のカーボン繊維だ。その数値はわずかではあるものの、東レのT1100Gを上回る素材だと言う。

カーボンフレームの製作工程をも見直し、ここにウィリエールの追い求めた超軽量・高性能でありながら必要十分な耐久性を持ったZero.6は完成した。サイズはXS、S、M、Lの4種類。入荷は5月頃を予定しているという。国内取扱は服部産業が行う。

テーパー形状のヘッドチューブ。フォーク上部には110周年を表すロゴが入るテーパー形状のヘッドチューブ。フォーク上部には110周年を表すロゴが入る (c)服部産業チェーンステイにはウィリエールの創設年「1906」の文字が入れられるチェーンステイにはウィリエールの創設年「1906」の文字が入れられる (c)服部産業

Zero.7より25g軽量化されたフォークZero.7より25g軽量化されたフォーク (c)服部産業滑らかに繋がるシートチューブとシートステイ滑らかに繋がるシートチューブとシートステイ (c)服部産業





ウィリエール Zero.6
素材:三菱ダイアリード65Tカーボン+60Tカーボン+三菱パイロフィルMR70カーボン+SEIフィルム+EPS
フレーム重量:680g
フォーク重量:335g
サイズ:XS、S、M、L
販売予定価格:フレームセット 税抜650,000円(2016年5月入荷予定)