サーヴェロのエアロロードS5がフルモデルチェンジ。ディスクブレーキ専用に開発するとともに、ヒンジ型のフロントフォークや新設計のY字型ステムを投入し、エアロダイナミクスをさらに強化した1台に仕上がる。S5に倣ってS3もモデルチェンジし、こちらは引き続きリム/ディスクブレーキの両モデルが揃う。



サーヴェロ S5(Black/Graphite/White)サーヴェロ S5(Black/Graphite/White) (c)東商会
スプリンターのマーク・カヴェンディッシュを始めとする、ディメンションデータのライダーたちの勝利を支えてきたサーヴェロのエアロロード「S5」。それまでのトップモデルS3の上をいくハイエンドグレードとして2011年に登場し、2014年に一度フルモデルチェンジを経た2代目が現行モデルであった。そして各社がこぞって新型エアロロードを発表してきた今年、サーヴェロからも3代目となる新型S5がデビューすることに。

ワールドツアーを走るハイパフォーマンスエアロロードとして、エアロダイナミクス、剛性、重量、ハンドリング、安定性など全ての要素を煮詰めスピードを追求した今作。バイクの発表とともに、来季ワールドチームのサンウェブへのサポートも正式にアナウンスされ、チームは開幕戦となるサントス・ツアー・ダウンアンダーでサーヴェロバイクを投入することとなる。

独自のY字ステムを採用し前方からの風をスムーズに後方に流すことで空力性能を改善させる独自のY字ステムを採用し前方からの風をスムーズに後方に流すことで空力性能を改善させる (c)cervelo斜めに2本伸びたステムアームが前方投影面積を減らすだけでなく、シフトワイヤーの内装化にも貢献する斜めに2本伸びたステムアームが前方投影面積を減らすだけでなく、シフトワイヤーの内装化にも貢献する (c)cervelo
ディスクブレーキ専用に開発することで空力性能を高めた新型S5ディスクブレーキ専用に開発することで空力性能を高めた新型S5 (c)cerveloサーヴェロにはお馴染みのBBright規格。カーボンレイアップの変更でBB剛性は25%アップしたサーヴェロにはお馴染みのBBright規格。カーボンレイアップの変更でBB剛性は25%アップした (c)cervelo

新型S5の大きな特徴はディスクブレーキ専用で開発された点だろう。2017年モデルでS3には追加されていたディスクブレーキモデルだが、S5では今回が初となる。ブレーキキャリパー位置の変更によりフォーククラウンをギリギリまで詰めることができ、結果ダウンチューブと前輪の距離を狭めることでエアロ性能を高めている。そのため今作では前輪に沿ってダウンチューブが切り欠きされた造形へアップデートされている。

またシートステーの設計自由度も増し、前作よりも滑らかな曲線を描く扁平形状を採用。後輪に沿って大きく湾曲したシートチューブのデザインは前作譲りで、リアセクションはS5らしさを残している。その上で大幅に改良されたのがフロントフォークだ。

サーヴェロ S5(フレームセット、Black/Olive/Fluoro)サーヴェロ S5(フレームセット、Black/Olive/Fluoro) (c)東商会サーヴェロ S5(フレームセット、Black/Red/White)サーヴェロ S5(フレームセット、Black/Red/White) (c)東商会

サーヴェロ S5(Riviera/Slate/Black)サーヴェロ S5(Riviera/Slate/Black) (c)東商会
通常の丸コラムではなく、ネジ止め用の細い金属シャフトがヘッドチューブを通り上部の専用パーツで留められるヘッドパーツシステムを採用する。これによりケーブル類の完全内装をよりスムーズに行えるユーザビリティに配慮した設計となるだけでなく、トライアスロンバイクのP5Xにも倣ったエアロヒンジ式のフォークデザインとなることで空力性能の強化にも寄与しているのだ。

さらにはロードバイクでは類を見ないY字型の専用ステムも大きなポイント。扁平形状とされた2本のアームによって前方投影面積を減らすとともに、その間を空気が抜けられる構造とすることで、従来ではステムにぶつかって抵抗となっていた前方からの風をスムーズに後方に流すことが可能となった。

サーヴェロ S3 Disc(Fluoro/Black/White)サーヴェロ S3 Disc(Fluoro/Black/White) (c)東商会
また一般的なステムはケーブルをハンドルからステムへ内装する際、直角に近い角度でルーティングしなければならなく、そのためフル内装を実現する昨今のディスクロードの中には電動コンポーネントのみ対応というものも少なくなかった。しかし、今回のY字ステムはハンドルに対して斜めにアームが接続することでケーブルの進入角度を緩めてくれ、機械式シフトのコンポーネントでも組み上げることが可能となっている。

これらデザインのアップデートと独自のエアロテクノロジーを盛り込むことで、前作に対し42gのドラッグ低減、5.5wのパワーセーブを叶えた他、BB剛性は25%アップ、ヘッドチューブのねじれ剛性は13%アップを果たしている。それでいてフレーム全体の重量は約100gもの軽量化も実現しているのだという。

サーヴェロ S3 Disc(Graphite/Black/Red)サーヴェロ S3 Disc(Graphite/Black/Red) (c)東商会
前輪に沿ってダウンチューブを切り欠きし距離を狭めることでエアロ効果を高める前輪に沿ってダウンチューブを切り欠きし距離を狭めることでエアロ効果を高める (c)cervelo真ん中を絞ったアワーグラス型のヘッドチューブ。ケーブル内装化を実現するステム・ハンドルも改良点だ真ん中を絞ったアワーグラス型のヘッドチューブ。ケーブル内装化を実現するステム・ハンドルも改良点だ (c)cervelo

ジオメトリーにも変更を加え、より長めのトレイル値と深いBB下がりを与えることで安定性を強化。サイズごとのハンドリング特性を合わせるため、全てのサイズでフォークオフセット量を微調整している。ステムの高さは専用のスペーサーパーツによって5mm単位で、ハンドルバーは0、2.5、5度の3つの角度で調整可能だ。タイヤクリアランスは最大28mm。ノーマルステムが使用可能なアダプターパーツも用意される。

そして新型S5に倣ったフォーク・ダウンチューブデザインやケーブルのフル内装システムを採用し、モデルチェンジを果たしたセカンドグレードS3も登場。前作と比較しディスクブレーキモデルで13wの、リムブレーキモデルで6.9wのパワーセーブを実現しており、引き続き十分に戦闘力の高い1台に仕上がる。

S5、S3共通でディスクブレーキはフラットマウント、前後12mmスルーアクスルを採用する。またスルーアクスルは90度回転させるだけで素早い着脱を可能とするR.A.Tシステムを用いた点も、他のディスクブレーキモデルと共通のスペックだ。いずれのモデルも各種完成車とフレームセットで販売される。詳しいスペックは東商会のブランドページから確認して欲しい。




サーヴェロ New S5
シマノDURA-ACE Di2完成車 1,580,000円(税抜)
スラムRED eTap完成車 1,420,000円(税抜)
シマノULTEGRA Di2完成車 1,150,000円(税抜)
シマノULTEGRA完成車 790,000円(税抜)
フレームセット 590,000円(税抜)

サーヴェロ New S3 Disc
シマノULTEGRA Di2完成車 890,000円(税抜)
シマノULTEGRA完成車 620,000円(税抜)
フレームセット 380,000円(税抜)

サーヴェロ New S3
シマノULTEGRA Di2完成車 850,000円(税抜)
シマノULTEGRA完成車 570,000円(税抜)
フレームセット 380,000円(税抜)

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