集団スプリントを制しカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が感情を爆発させたジロ第8ステージ。今大会初優勝を飾ったユアンや、マリアローザを守ったコンティ、総合成績を虎視眈々と狙うログリッチェらのコメントを紹介します。



ステージ優勝したカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)

咆哮をあげるカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)咆哮をあげるカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) photo:Kei Tsuji
今日チームは本当に良い動きをしてくれた。トーマス・デヘントやヴィクトール・カンペナールツが完璧に集団をコントロールしてくれ、他のメンバーもプロトンの前方に位置取り私を守ってくれた。今大会ですでに4~2位という順位には入ったものの優勝には届いておらず、とにかく勝利が欲しかったんだ。

濡れた路面といくつものコーナーによってかなり危険なフィニッシュになると分かっていた。だからこそ常に前にいることを心がけたんだ。最後のコーナーはゴールからわずか200m手前で、そこで完璧な位置取りをしなければならなかった。もしコーナーの立ち上がりからスプリントをしていたら最後まで持たなかった。だからアッカーマンのすぐ後ろに付けて、タイミングを待って集団の3番手からスプリントを開始したんだ。

スプマンテを開けるカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)スプマンテを開けるカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) photo:Kei Tsuji
逃げを捕まえるために仕事をしてくれたジャスパー・デブイストとトッシュ・ファンデルサンドはドロップしており、スプリントの牽引役はおらず。自分自身でポジション取りをしなければならなかった。今大会最長ステージだったが、以前224kmのレースでも勝利した経験があった。このような長い距離を経てもスプリントができる力が残っていることは素晴らしいことだと感じているよ。

今日ステージ優勝できたことでホッとしている。明日のタイムトライアルが終わればようやく休息日だ。あと2日間は勝利の余韻に浸れるね。とにかく、ロット・スーダルに移籍して最大の勝利を飾ることができた。今年はトップ3に入るレースはたくさんあったけど、シーズン前半で見れば今日ほど嬉しいことはない。本当に意味のある勝利となったよ。

惜しくも3位に終わったパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)

惜しくもステージ勝利とならなかったパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)惜しくもステージ勝利とならなかったパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) photo:Kei Tsuji
誰しも毎日勝つとは限らない、今日は単純にユアンが最速だった。今日の位置取りが問題だったかどうかは分からない。ユアンが最高のパフォーマンスを見せつけたまでさ。でも表彰台に上れたことは嬉しく思うし、ポイント賞ジャージもキープできている。明日のタイムトライアル、その後の休息日が終わればまたスプリンター向けのステージが続くね。

総合首位を守ったヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ)

マリアローザをキープしたヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ)マリアローザをキープしたヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチームエミレーツ) (c)CorVos
トリッキーなフィニッシュだったが、今日もチームは最高の仕事をしてくれトラブルなく走り切ることができた。明日のタイムトライアルでベストを尽くせるよう、そしてマリアローザを守れるよう、今はできるだけリラックスして休むようにするよ。

マリアローザを見据えるプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)

普段のチームジャージ姿でリラックスした様子のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)普段のチームジャージ姿でリラックスした様子のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ) (c)CorVos
チームは今日も完璧な働きを見せてくれ、すべて順調に進んでいる。明日のタイムトライアルが楽しみでならないよ。総合争いにとって非常に重要なステージとなるだろう。すべて出し切る覚悟でベストをつくすよ。明日は個人の勝負。敵は誰になるかって?もちろん自分自身さ。

終盤に逃げを試みたルイス・フェルファーク(ベルギー、サンウェブ)

ラスト25kmは非常にテクニカルで、集団もスピードをコントロールしづらく逃げに有利に働くと分かっていた。大きなタイムギャップを稼ぎ出せればそのまま逃げ切りも可能だと考えたんだ。3人での逃げはうまく決まったものの、終盤にかけて協調体制が崩れてしまい残り10km地点で集団に捕まってしまった。ステージ優勝のチャンスを掴めず非常に残念だ。ただ、まだまだ素晴らしいチャンスはあるはず、チームとしてチャレンジを続けていくよ。

マリアビアンカをキープするジョヴァンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニCSF)

ヤングライダー賞ジャージのマリアビアンカを着用するジョヴァンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニCSF)ヤングライダー賞ジャージのマリアビアンカを着用するジョヴァンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニCSF) (c)CorVos
スプリンターステージであっても、このホワイトジャージを守るには最善を尽くさなければならない。ステージ前半は何も問題なく通過できたけど、ゴールが近づくにつれてストレスは多くなっていったね。幸い雨には降られなかったし、トラブルなくステージを終えることができた。今日は僕のホームコースを、このマリアビアンカジャージとともに走ることができて、本当に特別でエキサイティングな1日となった。


text:Yuto.Murata