4月のリエージュ~バストーニュ~リエージュで落車し、肩甲骨と肋骨2本を骨折したジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)が練習を再開。ツール出場も視野に、慎重に回復に務めると語っている。



ツールもまだ諦めていないと語るジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)ツールもまだ諦めていないと語るジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:CorVos
「このまま回復が順調に進めば、ツール・ド・フランス出場の可能性も残されている。常にツールのことは頭の片隅にあるものの、いま大事なことは焦らず、忍耐強くいること。医療スタッフと話し合い、彼らのアドバイスに従ってレース復帰の時期を決めていく」。現世界選手権王者のジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)は5月24日、チームの公式リリースを通して現状を伝えた。

「検査の結果、リエージュ~バストーニュ~リエージュの落車以来初めて自転車に乗る許可が下りた。幸い肺(気胸)は完治した。依然として骨折した箇所は痛み、こちらの方はまだまだ時間がかかるものの、医師からトレーニング再開が許された」。

リリースのちょうど1ヶ月前の4月24日、アラフィリップはモニュメントの1つであるリエージュ~バストーニュ~リエージュ(UCI1.ワールドツアー)に出場。優勝候補に目されながらも残り60km地点の下り区間で起きた落車に巻き込まれた。傾斜のある路肩の下まで転がったアラフィリップには、緊急搬送された現地の病院で肩甲骨と肋骨2本の骨折、また外傷性気胸という診断が下った。

4月のリエージュ~バストーニュ~リエージュで落車し怪我を負ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル)4月のリエージュ~バストーニュ~リエージュで落車し怪我を負ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:A.S.O.
「(練習再開後の)数日間はローラー台で様子を見て、この上ない感触だったので数時間の実走に出た。数日が経っても体調が悪くなることはなかったので、シアラネバダ(スペイン)で行われるチーム合宿に合流したんだ。ここで普段のリズムを取り戻したい」と、来月11日に30歳の誕生日を迎えるアラフィリップは語っている。

「もちろん他の選手たちと同じメニューはこなせない。トップコンディションに戻すにはまだまだ時間が必要で、怪我を悪化させないよう細心の注意しなければならない。だが仲間と一緒にいることができてスーパーハッピーだし、ここには最高の雰囲気と環境が揃っている」。

アラフィリップが目指すツール・ド・フランスの開幕は7月1日。そして9月25日には3連覇のかかる世界選手権が控えている。「日々身体の回復を実感している。また再手術なども必要ないため、とにかく時間をかけて回復を務めるしかない。前を向き、常に楽観的に物事を捉えるよう心がけているが、まだまだ時間が必要だ」とアラフィリップはリリースを締めくくった。

text:Sotaro.Arakawa

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