7月16日(土)、関東近郊のサイクリストにとってはなじみ深い荒川の羽根倉橋のたもとに、「SAN-ESU BASE 羽根倉通り」がオープンする。その名が示すように、アイディア溢れるプロダクトを提案する東京サンエスが手掛けるサイクリスト向けのコミュニティカフェ&ショールームとなる。



荒川の堤防から見える黄色い建物。これがSAN-ESU BASE 羽根倉通り荒川の堤防から見える黄色い建物。これがSAN-ESU BASE 羽根倉通り
週末、いや平日であっても多くのサイクリストが行きかう荒川サイクリングロード。その中でも集合・解散場所として、はたまた都心からであれば目的地としても人気なのが彩湖や秋ヶ瀬公園といった大きな公園が集まる中流域だ。

数多くの人が集まる一方で、意外とサイクリストが集まれる拠点となるスポットが少ないエリアでもある。1日のライドの終わりに仲間と腰を落ち着けて語らうためには、居心地の良いスペースと美味しい飲み物、そして補給かつクールダウンになるようなソフトクリームがあれば最高だ。

まるでホテルのエントランスのような雰囲気の通路は、3つのS字からなり、サンエスを示しているのだという。まるでホテルのエントランスのような雰囲気の通路は、3つのS字からなり、サンエスを示しているのだという。
そんなサイクリストの夢を叶えるのが、秋ヶ瀬公園の北端に位置する羽根倉橋の西詰にオープンした「SAN-ESU BASE 羽根倉通り(以下、サンエスベース)」。荒川右岸の堤防道路を上流から走っていくと、右手に見えるパステルイエローの建物がサンエスベースだ。

羽根倉通りに立地しているサンエスベースだが、自転車で訪れるのであればアプローチはより簡単。堤防道路から羽根倉通りへと降りる小道が国道463号線の脇にあり、そこからは北側へ路側帯を自転車を押していけばすぐそこだ。

もともと、東京音楽大学の研修寮だったビルをリフォームした全四階の建物のうち、サイクリストに開放されているのは、煉瓦で舗装されたS字のエントランス通路の先にある階段を上った二階部分となっている。

東京自転車製造卸協同組合の扉がレトロモダンな雰囲気を醸し出す東京自転車製造卸協同組合の扉がレトロモダンな雰囲気を醸し出す
ビンディングシューズから履き替えられるようにとスリッパが用意されているビンディングシューズから履き替えられるようにとスリッパが用意されている 荒川の土手を眺められるカウンター席。週末は多くのサイクリストが行きかうという荒川の土手を眺められるカウンター席。週末は多くのサイクリストが行きかうという


爽やかなミントグリーン木枠を用いたレトロな扉の硝子には「東京自転車製造卸協同組合」の文字が。あれ、東京音大の寮だったんじゃ?と怪訝な顔をしていると、タネ明かしが。

「実は2年前まで御徒町のサンエス本社の近くにあった『東京自転車製造卸協同組合』さんから譲り受けたものなんです。レトロモダンな雰囲気がとても素敵だなと思っていただいたのですが、しばらく使うあてもなく保管していたんです。それが今回、このサンエスベースの話が出てきて、イメージにピッタリだなと」と語ってくれたのは東京サンエスの坂井社長だ。

ソフトクリームショップKURUのみなさん。右が坂井社長だ。ソフトクリームショップKURUのみなさん。右が坂井社長だ。
坂井社長自らソフトクリームを用意してくれる坂井社長自らソフトクリームを用意してくれる
そんな歴史と想いがこもった扉の向こうに広がる広々とした空間がソフトクリームショップ"KURU"。入口右手にはカウンターがあり、ここでソフトクリームやドリンクを注文できる。「荒川を通るサイクリストはもちろん、地域の皆さんが気軽に『来る』ことが出来るようなお店になればと思って、名付けたんです」と坂井社長が語ることからもわかるように、実はこのKURU、社長肝煎りの事業なのだという。

「もともとソフトクリームが大好きで、実は、御徒町の本社の一角でソフトクリームショップを始めようと考えていたんですよ。でも、コロナ禍でパタッと人出が途絶えてしまって。どうしようかと考えていた時に、この建物を使えることになって、長年の夢を叶えることが出来ました」という。

ソフトクリームショップを開くことが夢だったという坂井社長ソフトクリームショップを開くことが夢だったという坂井社長
今回いただいたのは生姜シロップをトッピングした今回いただいたのは生姜シロップをトッピングした"OnebyESU"
KURUのソフトクリームはスタンダードなミルクソフトで、暑い夏の今は乳脂肪分少な目でさっぱりとした涼やかな味わいのものを選んでいるのだとか。そこに6種類(※オープン現在)のトッピングが用意されている。それぞれが東京サンエスの展開するブランドにちなんだもので、例えば最も歴史のある"ViVA"は日本で長く愛されている五色あられをまぶし、MTBパーツを多くラインアップする"grunge"はココアパウダーによってオフロードを表現するなど、ひとひねり効いたセンスが光る。

ちなみに今回私が選んだのは、有機生姜を使った「生姜シロップ」をたっぷりかけた"OnebyESU"。自分では決めきれずオススメを伺った結果ではあるのだが、これが大正解。さっぱりした甘味のソフトクリームに、ピリッとスパイシーな生姜シロップが絶妙な相性。ちょっと味の想像がつかなかった分の新鮮な驚きもあり、これは是非一度試してもらいたい逸品だ。

広々としたKURUの空間広々としたKURUの空間
テリーやロコゴワのウエアも展示されているテリーやロコゴワのウエアも展示されている 周辺のサイクリングマップを展示。荒川河口から、そして秩父からちょうど30kmほどと真ん中にに位置するのがこのサンエスベースだ。周辺のサイクリングマップを展示。荒川河口から、そして秩父からちょうど30kmほどと真ん中にに位置するのがこのサンエスベースだ。


新作のチタンディスクロードのプロトタイプ。様々な工夫により、幅広い楽しみ方が出来るマルチなバイクに仕上がる予定だという。詳細はぜひサンエスベースで聞いてみてほしい。新作のチタンディスクロードのプロトタイプ。様々な工夫により、幅広い楽しみ方が出来るマルチなバイクに仕上がる予定だという。詳細はぜひサンエスベースで聞いてみてほしい。
さて、KURUのスペースにもOnebyESUのバイクやrocogowaのウエアなど、東京サンエスが展開するプロダクトが展示されているが、実は更に奥には"UX"と名付けられたショールームが用意されている。

このUX、サイクルモードの東京サンエスブースが常に用意されている、とでも表現すればよいだろうか、はたまた、あの「サンエスカタログ」の実物版とでもいうべきか。とにかく、東京サンエスファンにとっては夢のような空間が広がっている。

圧巻のハンドルラインアップ。東京サンエスの歴史の積み重ねを感じる壁面だ。圧巻のハンドルラインアップ。東京サンエスの歴史の積み重ねを感じる壁面だ。
グラベルブームもあり、注目を集めているヴェノのハンドルバーグラベルブームもあり、注目を集めているヴェノのハンドルバー 展示されているハンドルは簡単に外して握り心地などを確かめられるという展示されているハンドルは簡単に外して握り心地などを確かめられるという


その中でも圧巻なのが、最も広い壁面を全て埋め尽くすハンドルたち。なんとサンエスのラインアップする全モデル、全サイズが実際に触れられるようになっているのだという。「サイズを含めて全てのモデルが確認できると嬉しいかなと」と語るのはアイディア溢れるサンエスのプロダクトの多くを手掛ける上司氏。

「ショップで全部揃えるのも難しいでしょうし、ここで実際の感触を体験してもらって近くのお店で注文してもらうような流れが出来ると理想的ですね」との言葉通り、このUXはあくまでショールームであり、販売などは予定していないという。ショップとサイクリストとの良好な関係がより豊かな自転車ライフに繋がるという東京サンエスの理念が伝わってくる取り組みだ。

オフセットやコラム径など様々な種類が用意されるカーボンフォークオフセットやコラム径など様々な種類が用意されるカーボンフォーク コットンを使った気づきベルやバーテープもカラーラインアップを全種類展示コットンを使った気づきベルやバーテープもカラーラインアップを全種類展示


ステムも各サイズ、各カラーが揃うステムも各サイズ、各カラーが揃う クランクやチェーンリング、ペダルなども一通りそろえているクランクやチェーンリング、ペダルなども一通りそろえている


オープンを迎え、走り出したサンエスベース。基本的にKURUは土日の10時~16時の営業となり、UXも大体同じタイミングでオープンしているという。営業カレンダーは東京サンエスのオフィシャルサイトにて確認できるとのことだ。ちなみに7月・8月の営業カレンダーはコチラから

今後、KURUでは店主のアイディアひらめく限定トッピングなども追加予定だという。また、いくいくは様々なイベントなども開催していきたいとのことだ。新たな荒川サイクリストの拠点として、サンエスベースから目が離せなさそうだ。



SAN-ESU BASE 羽根倉通り
住所:埼玉県志木市上宗岡3-12-10
営業日等はこちらのSNSアカウントから:https://mobile.twitter.com/kuru_sbh_2022

text&photo;NaokiYasuoka