シクロクロスの世界王者奪還を目指すマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が、復帰初戦で早速の勝利を挙げた。レース後「何度もミスを犯したが、いまの調子には満足している」と喜ぶファンデルプールのコメントを紹介する。



UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第7戦 男子エリート表彰台UCIシクロクロスワールドカップ2022-2023第7戦 男子エリート表彰台 photo:UCI
11月27日(日)、オランダ南西部のフルストで行われたUCIシクロクロスワールドカップ第7戦。マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)は前日レースで優勝したトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)のメカトラによる棄権を追い風に、2021年1月のシクロクロス世界選手権以来となる勝利を挙げた。

レース後のインタビューでファンデルプールは「本当に久しぶりのシクロクロスとなった。復帰できてとても嬉しいが、トップレベルに戻ってくるには練習が必要だ。だが今日の結果は素直に嬉しいよ」とコメント。「このフルストでの初戦に向けて良い準備ができた。いま現在のコンディションには満足しているが、レースでは何度もミスを犯してしまった。だがこれも(復帰戦では)普通のことだろう」と勝利を喜びながらも反省を語った。

他の選手同様、何度か転倒したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)他の選手同様、何度か転倒したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos
2021年に負った背中の怪我により2021-23年シーズンは僅か2レースの出場に留まったファンデルプール。レース前には「大きな問題ではないものの、いまも背中の怪我は少なからず(走りに)影響を与えている」としながらも、「そんな中でも第1弾となるシクロクロス・トレーニングを無事に終えることができた。また、筋力と体幹トレーニングに多くの時間を費やしたおかげか、いま自分の身体に対する不満がほどんどない状態だ」と現状を率直に話した。

レースではスリッピーかつ重たい泥で転倒するシーンを見せたファンデルプールは「(トップレベルに戻すには)あと数レースは走る必要がある。スペインで積んだトレーニングのおかげで調子は上向きであるものの、もっとクロスバイクで練習する必要がある。12月にはトップレベルに戻せるよう努力したい」とその目標を語っている。

今季の目標について聞かれると「最大の目標は世界選手権。だからといってそれ以外のレースを疎かにするわけじゃない。常に勝利は欲している」とファンデルプール。そのシクロクロス世界選手権は、来年2月5日に母国オランダのホーヘルハイデで開催される。

text:Sotaro.Arakawa

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