先日、1月24日、25日に東京の浅草で開催されたサイクルパーツ合同展示会。後編ではアキボウとグロータック、東京ライフ、ミズタニ自転車、カーボンドライジャパンなどのブースを紹介していく。



アキボウ チャレンジから新しいタイヤ"SANREMO"が登場

チャレンジの新作タイヤ photo:Michinari TAKAGI

イタリアンタイヤブランドであるチャレンジからトレーニングや通勤にピッタリなローバイク用タイヤ"SANREMO"が登場。バルカナイズド(加硫圧着)製法を採用した、しなやかで耐久性に優れたエンデュランスタイヤである。サイズは25Cと27Cのサイズが用意され、3,630円(税込)とリーズナブルな価格設定もまた魅力的。入荷予定は2月下旬を予定している。

シューズブランドのシディはフラッグシップモデル"SHOT 2"の限定カラー「DEEP TEAL」と「DZero」を展示していた。DEEP TEALは見る角度によって色味が変わるメタリックブルーで、DZeroはアッパーにシディ創業者のディーノ・シニョーリ氏の印象的な言葉で埋め尽くした斬新なデザインが目を惹く。価格はDEEP TEALが57,200円(税込)、DZeroが59,400円(税込)で2月発売予定だ。

限定カラー「DEEP TEAL」と「DZero」は2月発売予定 photo:Michinari TAKAGI

エコイのヘルメットを取り扱うアキボウ

また、ウェアブランドのエコイからは多くのヘルメットやアイウェアが展示され、着用感を試している来場者が多数。さらに、元プロ選手の別府史之とのコラボレーションウェアもブースに並び、注目を集めていた。



グロータック 新しいアイデアパーツを展示

グロータックEQUALコントロールレバー 現在市場にある各社のコンポと段数をほぼカバーする photo:Makoto AYANO

サイクリストのあったらいいな、をカタチにする日本のブランド、グロータック。そんな同社が現在力を入れているのがEQUALシリーズと銘打った一連のプロダクト群だ。既に多くのサイクリストから高い評価を受けている機械式ディスクブレーキキャリパーのEQUAL BRAKEを先鋒としたEQUALシリーズは2023年に大幅にラインアップを拡充。リム、ハブ、ペダル、デュアルコントロールレバーなど、多くのニュープロダクトが今年リリース予定となり、その全てが並んだグロータックブースは、常に人だかりが出来ていた。

中でも注目を集めていたのは"EQUAL CONTROL LEVER"。ブランドや用途(ロード/MTB)を問わず、あらゆる機械式ディレイラーと、クランク/チェーンリングの組み合わせに対応する究極の互換性を持つコントロールレバーとして開発された意欲作だ。基本的にはフリクション式のワイヤー巻き取り機構を内蔵したレバーなのだが、「インデックスプレート」と名付けられた穴あきプレートによってインデックスシフトにも対応。この穴の間隔や個数は使用するドライブトレインの組み合わせによって異なるため、注文時に使用する環境を伝えることで製作してくれるとのことだ。もちろん、多くの方が使用するであろう組み合わせについては定番品としてラインアップ予定だという。

EQUALのコントロールレバーは握りやすさを追求しているという photo:Michinari TAKAGI
インデックスシフトを可能とするインデックスプレート。使用する環境に応じた穴を空けることで、ほぼ全ての組合せに対応する photo:Michinari TAKAGI


細身のブラケットの中に複雑な機構を詰め込む

更にこのレバーがユニークなのは、シフトケーブルを2本接続することが出来るという点にもある。この機構により、変速に加えて様々なケーブル引き機構をリモートで操作可能。例えばリモートロックアウトを備えたサスペンションや、ドロッパーポストのコントロールも出来るため、デュアルコントロールレバーというよりかは「マルチコントロールレバー」と呼ぶべき存在だろう。

更に、このシフトケーブル2本出し構造を応用することで、機械式変速ながらいわゆるスラムのダブルタップ方式の変速操作までも可能としているのも興味深いポイントだ。さらに今後はこのレバーを前提にコントロール機構を搭載したプロダクトも構想中だという。EQUALエコシステムとも呼べる環境が実現する日も近いのかもしれない。

内部構造にのみ気を取られがちだが、レバーとしての使用感に大きく影響する握り心地も非常にこだわったポイントだという。どんな手の大きさの人でも握りやすく、どんなバイクに合わせてもマッチする、そんなデザインを目指して試行錯誤の末辿り着いた形状とのことだ。個人的な感想としては、かなりしっくりくる握り心地。特にブレーキレバーがホールドしやすく、繊細なブレーキコントロールも得意そうで実際のライドで試してみたくなる一品だった。発売時期は11~12月ごろを予定しているとのことで、ぜひ注目していてほしい逸品だ。

テーマは「手組・ルネサンス」 photo:Michinari TAKAGI
グロータックEQUALハブ カセットボディには噛みつき防止プレートが備わり、左右キャップをアーレンキー等で取り外してメンテナンスできる photo:Makoto AYANO
スラムXD(左)とカンパのカセットボディ。ケミカルラビリンス構造により放水・防塵性に優れるという photo:Makoto AYANO

あえてトラブルの少ない3ポール式ラチェットを採用したという photo:Makoto AYANO
多彩なカラーを揃えるグロータックEQUALハブ。生産は欧州トップブランドと同じ工場とのことで精度も同レベルという photo:Makoto AYANO


さらにEQUALブランドでオリジナルのハブとカーボンリムが発売予定だ。テーマに掲げるのは「手組・ルネサンス」。木村代表は「完組ホイールが全盛期ではあるが、各社のホイールが画一的になってしまったことで個性がなくなった。だからこそ今、ライダー一人ひとりに合わせてハンドビルドする手組みホイールの良さを改めて知ってもらいたい」とこのプロダクトに込めた思いを語る。

リムはハイト30~50mmから選択可能で、レッドやブルー、ゴールドなどのカラーが用意されたハブは防水・防塵やメンテナンス性に優れた一品。こちらは特殊な性能を追求したというよりは、一流ブランドに負けない高精度と高い信頼性を持つプロダクトを、手に届きやすい価格と選びやすいデザインで送り出すというコンセプト。奇をてらった構造ではなく、ベアリングにしっかり与圧するなど工学的な王道を突き詰めた設計によってディスクブレーキ時代における手組向けハブのスタンダードを目指した。

多くの調整機構を持つペダルも展示

もう一つの新製品であるペダルもまた、グロータックの独創性が詰まった一品。こちらはこれまでのペダルに無かった様々な機構を盛り込んだ意欲作。クリートの角度、前後位置、Qファクター、スタックハイトおよびカント角をペダル側で調整可能とする機構を盛り込んだ、これまでにない調整幅を有するペダルだ。従来クリート側の取り付け位置やシムなどを挟むことで対応していた足周りのセッティングをペダル側で対応することにより、シューズを履き替えたり、複数のシューズを使用したりする際にもポジションを再現しやすくなるだろう。

「自分らしい自転車をつくろう」というスローガンを軸にアイデア溢れるプロダクトを次々に発表するグロータック。今後の動向からも目が離せなさそうだ。

グロータックの代表取締役である木村将行氏のおすすめはEQUALのハブとカーボンリム photo:Michinari TAKAGI



東京ライフ イザドアとアルバオプティクスを展示

イザドアとアルバオプティクスを取り扱っているTOKYOlife photo:Michinari TAKAGI

アルバオプティクスのアイウェア photo:Michinari TAKAGI
アルバオプティクスのアクセサリーポーチはサングラスの収納に便利 photo:Michinari TAKAGI


イザドアやアソスといったウェア、そしてアルバオプティクスや100%といったアイウェアを取り扱う東京ライフ。スロバキアのウェアブランド「イザドア」はデザイン性が高いカラフルなウェアやフロントバッグなどのアイテムが展示されていた。

アルバオプティクスは大きな一眼レンズを搭載し、レンズサイズが選べる"MANTRA"やフレームレスでフィット感が高い”STRATOS”を展示。ちなみに、スタッフの小川さんのイチオシはSTRATOS。「私自身もSTRATOSをシクロクロスで使用しているのですが、抜群のフィット感にもう手放せません。身体の動きが大きなオフロードでも、ずれる気配もないほどです。アイウェアのフィット感にお悩みの方は是非一度お試しください!」と、その魅力を熱く語っていただいた。



ミズタニ自転車 DMTのシューズ試着会を実施

MET TRENTAのポガチャルシグネーチャーモデルとDMTのシューズが一押し photo:Michinari TAKAGI

2023年モデルとして登場したSH10とKR30も試着が可能になっていた photo:Michinari TAKAGI
ロード用からMTB用まで幅広く展示 photo:Michinari TAKAGI


ミズタニ自転車ではヘルメットブランドの"MET"とシューズブランド"DMT"を展示。METのブースにはロード用とMTB用のヘルメットが数多く展示されていたが、その中でも一際目を引かれたのはタデイ・ポガチャルのシグネチャーカラーで彩られたTRENTA 3K CARBON MIPS。実際に製品を見たのは今回が初めてだったが、見る角度によって見え方が変わるラメカラーで、ポガチャルのロゴマークやトレードマークの「ポガ毛」が入った特別仕様に相応しいデザインに仕上げられている。

DMTのブースでは人気モデルのKR1、KR0などに加え、2023年モデルとして登場したSH10とKR30も試着が可能に。ニット素材を使用したシューズの中でもDMTは特徴的な履き心地で、ブースではハーフサイズまで細かくフィッティングできたこともあり、多くの来場者が試し履きをしていた。



カーボンドライジャパン GRX専用のビッグプーリーケージキットをリリース

カーボンドライジャパン代表取締役の早川洋文氏のおすすめはカスタムペイントのビッグプーリーとCDJ HYPER CHAIN OIL photo:Michinari TAKAGI

抵抗軽減と持続力を備えた「CDJ HYPER CHAIN OIL」 photo:Michinari TAKAGI
GRX専用のビッグプーリーケージキットをリリース photo:Michinari TAKAGI


スタッフの野澤さんの一押しはR7100のビッグプーリーケージ photo:Michinari TAKAGI
自転車の検索サイト「Cycle Mikke(サイクルミッケ)」が4月からスタート予定 photo:Michinari TAKAGI


カーボンドライジャパンはグラベルコンポーネント"GRX"に対応するビッグプーリーケージキットをリリース。さらに、ビッグプーリーで使用されているフルセラミックベアリング専用オイルの開発をヒントに、従来のチェーンルブを凌駕する低抵抗と持続力を備えたという「CDJ HYPER CHAIN OIL」が展示されていた。

また、興味深いウェブサービスも展開中。「Cycle Mikke(サイクルミッケ:https://cyclemikke.jp/)」と名付けられたこれは、一言でいえば「全国のショップ在庫車を検索できるポータルサイト」。
イメージとしてはカーセンサーやグーネットの自転車版。地域やメーカーや身長といったカテゴリーで検索可能となっており、自分の探している自転車をサイクルミッケに登録しているショップの中から見つけることができる。利用店舗が広がれば、ショップにとってもユーザーにとっても非常に魅力的なサービスになりそうだ。現在も加盟店舗は増加中で、今後の成長に期待大。



iRC レーシングクリンチャータイヤ「ASPITE PRO」を展示

iRCはレーシングモデルからアーバンモデルタイヤまでを展示 photo:Michinari TAKAGI

iRCはフックレスリム対応チューブレスタイヤ「FORMULA PRO HOOKLESS TUBELESS RBCC」やレーシングクリンチャータイヤ「ASPITE PRO」を展示。特にクリンチャーでありながら、フックレスリムに対応するというASPITE PROは、他にはないコンセプトもあり注目度は高かった様子。

レーシングタイヤに加え、街乗りに適したアーバンモデルタイヤや軽快車向けのタイヤなども展示されていたのは、サイクルパーツ合同展示会ならでは。なかでも「足楽」はiRCらしいタフで頑丈な造りで、負荷のかかる電動アシスト向けのタイヤとして評価が高い逸品。自分のスポーツバイクだけでなく、家族が使う自転車のタイヤにも良いモノを使ってみては?



ウエイブワン 肩紐までデザインできるレジェフィットリープパンツ

ウエイブワンはチームブリヂストンサイクリングを長年にわたってサポートを続けている photo:Michinari TAKAGI

レジェフィットリープパンツは肩ひもや背面のパネルまでデザインできるようになった photo:Michinari TAKAGI

チームブリヂストンサイクリングを長年にわたってサポートを続けているオーダーウェアブランド、ウエイブワン。サポート選手からのフィードバックを生かして、エアロ性能に優れるオーダーウェアをラインアップしている。

レジェフィットリープパンツはテープ状の肩ひもを採用することで、圧迫を減らし、より快適な着心地を実現した新しいビブショーツ。これまで背中のパネルや肩紐はシンプルなホワイトなど単色だったが、デザインをプリントできるようになり、カスタムの幅も広がっている。



ファストフォワード 多くのリムハイトのカーボンホイールをラインアップ

ファストフォワードはRYOTシリーズのチューブレスレディカーボンホイールが人気があるという photo:Michinari TAKAGI

タイムトライアルやトライアスロンで使用しやすいディスクホイール photo:Michinari TAKAGI

2006年にオランダで創業したFFWD(ファストフォワード)もブース出展。ハイエンドモデルのRYOTシリーズはディスクブレーキ用チューブレスレディ対応カーボンホイールである。33mm、44mm、55mm、77mmの4種類のリムハイトが展開され、レースシーンやライドスタイルに合わせたホイール選択が可能となっている。また、タイムトライアルやトライアスロンで活躍してくれるディスクホイールの"DISC FCC DB"も展示されていた。



ボーマ エアロロード"ラソアⅡ"など2023年モデルが登場

ボーマは新作エアロロード photo:Michinari TAKAGI

ボーマはエアロロード"ラソア"のディスクモデル"ラソアⅡ"を発売開始。細めのシートステイを採用することで振動吸収性に優れ、高剛性でありながら快適さも加えたディスクエアロロードに仕上がっている。更にエンデュランスロードのアルマーディスクには、オレンジが2023モデルの新色としてラインアップされていた。



サンボルト 宇都宮ブリッツェンと愛三工業レーシングチームのウェアを展示

宇都宮ブリッツェンと愛三工業レーシングチームをサポートするサンボルト photo:Michinari TAKAGI

宇都宮ブリッツェンに加え、愛三工業レーシングチームのウェアサポートを開始したオーダーウェアブランドのサンボルト。オーダーウェアの印象が強い同社だが、豊富なカラーリングの通常ウェアのラインアップも展示され、多くの来場者の興味を集めていた。


ヴィプロス ディスクブレーキ専用クリーナーCleansをリリース

ケミカルブランドのヴィプロスからはディスクブレーキ専用クリーナーCleansが登場 photo:Michinari TAKAGI

ケミカルブランドのヴィプロスからはアルコール系洗浄剤3種を独自ブレンドしたディスクブレーキ専用クリーナー Cleans(クレンズ)が登場。鉄粉や油汚れ、ブレーキフルードなどのあらゆる汚れに対応。汚れや油分を除去し、ディスクブレーキ本来の優れた制動力を回復する。また、洗車で活躍するバイクシャンプーは99%生分解性で環境にも配慮されている。



ウィンスペース エアロロード"T1500"やキネティックのスマートトレーナーを展示

ウィンスペースはエアロロード photo:Michinari TAKAGI

ウィンスペースはエアロロード「T1500」や同社の傘下であるホイールブランドLúnWheelsのHYPERカーボンホイールを展示。さらに、アメリカのスマートトレーナーブランドであるKINETIC(キネティック)のスマートローラー”RSパワーバイクトレーナー”がリリースされている。乾電池2本で稼働し、電源がなくても使用できるため、どこでも使用できるのが特徴だ。価格は59,800円(税込)。

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