「ハルヒル」や「富士ヒル」などを控えるヒルクライムシーズン真っ只中のGWのクライマーの聖地こと檜原都民の森で突撃取材を実施。全3編で、vol.3は取材中に偶然にも大学のトレーニングで都民の森まで駆け上がってきた明治大学体育会自転車部の学生バイクをピックアップ。



林原聖真さん(明治大学2年生) ピナレロ DOGMA F12

林原聖真さんとピナレロ DOGMA F12

明治大学2年生の林原聖真さん。バイクは高校3年のインターハイから乗り始めたというピナレロのフラッグシップロードバイク”DOGMA F12”。なんと、鳥取県の倉吉東高校3年生の時にこのバイクでインターハイで優勝しているという思い出のチャンピオンバイクである。

コンポーネントはシマノ DURA-ACE R9120シリーズを搭載。ギア比はフロントが52-36T、リアが11-28Tでロードレースやクリテリウムまで幅広く使えるという。ハンドルやステムはピナレロのパーツブランドであるモストで統一される。サドルはプロのショートノーズサドル"STEALTH"を装着。

プロのショートノーズサドル「STEALTH」
コックピット周りはモストで統一


コンポーネントはシマノ DURA-ACE R9120シリーズを搭載
シマノWH-RS171とパナレーサー AGILEST DUROの組み合わせ


今回はトレーニングということもあり、シマノWH-RS171とパナレーサー AGILEST DUROを使用していたが、レースではカンパニョーロ BORA WTO 45とコンチネンタル GRAND PRIX 5000Sの組み合わせで使用しているという。

「練習は好きではないですけど(笑)、レースで勝った時に楽しいと感じるので頑張っています。修善寺の5kmサーキットが好きで、登りのインターバルが得意な脚質ですね」と語る林原さんの今後の目標を尋ねると、「長野のインカレで優勝を目指したいです!」と力強いコメントを残してくれた。



鈴木澪さん(明治大学1年生) ルック 785 HUEZ RS

鈴木澪さんとルック 785 HUEZ RS

高校を卒業し、大学に入学したばかりの1年生である鈴木澪さん。昨年まで愛媛県の強豪校である松山学院高等学校に在籍し、昨年の全日本選手権男子ジュニアのスクラッチで全日本チャンピオンにも輝き、栃木国体の少年男子個人ロードレースでは6位入賞を果たすなど、脚質はルーラーでロードもトラックも得意な選手である。

そんな鈴木さんの愛車はルックの軽量クライミングバイクである"785 HUEZ RS"。「リムブレーキモデルの方が軽いので、ディスクブレーキモデルは選びませんでした」とバイク選びのこだわりを話してくれた。「綺麗なペダリングが苦手で、力強く踏んでしまうので、剛性感があるフレームに合わせてフルクラム RACING ZEROにしています」と自身の個性に合わせたバイクカスタムに。

PRO VIBEエアロパーシュートのハンドル
サドルは中学生のころから長年愛用中のフィジーク ANTARES R5


「リムブレーキモデルの方が軽いので、ディスクブレーキモデルは選びませんでした」とのこと
剛性感があるフレームに合わせてフルクラム RACING ZEROに


コンポーネントはシマノのDI2コンポーネントが搭載され、STIレバーとフロントディレイラー、リアディレイラーはULTEGRA、クランクとブレーキキャリパーはDURA-ACEをミックスして使用していた。ギア比はフロント52-36T、リアは11-30Tの組み合わせでどのレースでもこのギア比で走っているという。

「今シーズンは全日本選手権トラック競技のスクラッチ、夏のインカレ、UCIレースのツール・ド・北海道を目標に日々トレーニングしています。あと、U23の強化指定選手になることやVC FUKUOKAの下部組織に所属しているので、プロチームの方に所属できるように頑張りたいです!」と力強いコメントをしてくれた。今後に期待だ。



永野昇海さん(明治大学2年生) ブリヂストン RP9

永野昇海さんとブリヂストン RP9

続いては、小学4年生からMTBに乗り始め、中学3年からはロードバイクとシクロクロスに乗り始め、今年で自転車歴10年目を迎えたという明治大学2年生の永野昇海さん。3種目の自転車競技に取り組んでいる永野さんの選んだバイクはブリヂストンのフラッグシップエアロロード"RP9"。納車して1週間というタイミングで都民の森愛車取材になったという。

コンポーネントは ULTEGRA R8170シリーズで統一され、ギア比はフロントが52-36Tで、リアが11-30Tの組み合わせ。「マージーンのスパイダー型パワーメーターのPES-P505パワーメーターを注文しているので、納品待ちです!」とパワーメーターも装着予定。

TNIのカーボンエアロハンドル「AEROFAST」
納車して1週間というタイミングでピカピカの新車


コンポーネントは ULTEGRA R8170シリーズで統一
サイコンはガーミン EDGE 530


「完成車の状態ではノーマル形状のハンドルがついていたのですが、エアロロードなのでエアロハンドルを取り付けました。」と、TNIのカーボンエアロハンドル"AEROFASTカーボンバー"が装着され、ステムはRP9の専用ステムが取り付けられていた。サドルはフィジーク ARIONE R3 OPEN。

トレーニングホイールのDTスイス P1800にはブリヂストン R1X 25Cが装着されていた。レースではホイールがシマノ DURA-ACE C50でタイヤはコンチネンタル GRAND PRIX 5000の組み合わせで使用しているという。「納車後すぐにアップダウンがある道志みちで走ってみたのですが、すごく気持ちよく走れました」と新しい相棒を気に入っている様子だった。



中川挺太さん(明治大学1年生) タイム ALPE D'HUEZ 21

中川挺太さんとタイム ALPE D'HUEZ 21

最後に登場するのはキナンレーシングチームの山本元喜選手の母校である奈良北高校出身の中川挺太さん。高校生から自転車競技を始めて、昨年のインターハイのロードレースで3位入賞を果たしている明治大学期待の1年生だ。そんな中川さんの愛車はタイムの軽量オールラウンドバイク"ALPE D'HUEZ 21"。

コンポーネントはシマノ DURA-ACE R9150が搭載され、クランクのみローター VEGASTを使用。カスタムのポイントについて、「こだわりポイントはチェーンリングを楕円にしているところです。下死点で軽くなって抜けが良いので気に入っています!」とのこと。

こだわりポイントはローターの楕円チェーンリング
130mmのデダ・エレメンティ ZERO 1 ステム


K-Edgeのチェーンキャッチャー
シマノ DURA-ACE C24とヴィットリア CORSA N.EXT 26Cの組み合わせ


ホイールはシマノ DURA-ACE C24でタイヤはヴィットリア CORSA N.EXT 26Cの組み合わせ。「タイヤは消耗品ですが、練習でも安全のために良いタイヤを使うようにしています!」。レースでは部で所有しているカンパニョーロ BORA ONEを使用しているとのこと。コックピット周りのセッティングは、ハンドルにPRO VIBE AERO CARBON、130mmのデダ・エレメンティ ZERO 1 ステム、ワフー ELEMENT BOLTサイクルコンピューターという組み合わせ。

今後の目標について尋ねると、「早生まれでカテゴリーがジュニアなんです。ジュニアカテゴリーの強化指定選手にも選ばれているので、まずはネイションズカップのメンバーに選ばれたいです。さらに、そこで結果を出して、世界選手権に出場したいです!」

西沢倭義コーチと明治大学体育会自転車部の皆さん


西沢倭義コーチと明治大学体育会自転車部の皆さん、トレーニング中に取材のご協力ありがとうございました!応援しています!

text:Michinari TAKAGI
photo:So Isobe