残り18kmでフェルミールスを振り切ったマテイ・モホリッチ(スロベニア)が、グラベル世界選手権の2代目王者に輝く。4位にはアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)が入り、序盤で落車したワウト・ファンアールト(ベルギー)は8位で初出場のレースを終えた。



初出場となったワウト・ファンアールト(ベルギー) photo:Jumbo-Visma

グラベル世界選手権2023 コースマップ&プロフィール photo:CorVos
第2回目を迎えたグラベル世界選手権を締めくくるのは、男子エリートレース。コースは昨日行われた女子エリートと同じくレ・バンディエ湖を出発し、一度フィニッシュ地点のピエーヴェ・ディ・ソリーゴを通過した後、東と西に設定された周回コースを巡る163kmだ。

総獲得標高差1,890mのレースには前回王者のジャンニ・フェルミールス(ベルギー)をはじめとした224名が出場。昨年3位のマチュー・ファンデルプール(オランダ)は不出場だったものの、そのライバルであるワウト・ファンアールト(ベルギー)が初参戦し、その他にも昨年ロードを引退してグラベルレースに臨むアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)や今年のアンバウンド・グラベルの優勝者であるキーガン・スヴェンソン(アメリカ)などが顔を揃えた。

序盤からハイペースに持ち込まれたレースは、フェルミールスやファンアールトを含む約20名の先頭集団が形成される。その後後続が追いつき60名まで拡大した集団から、ファンアールトがメカトラと落車で脱落。すぐさまレースに復帰したものの、バルベルデやマテイ・モホリッチ(スロベニア)、シクロクロス選手でもあるフロリアン・フェルミールス(ベルギー)らロードレースでお馴染みの5名による先頭集団から、約10分の遅れを取った。

序盤にメカトラと落車に見舞われたワウト・ファンアールト(ベルギー) photo:CorVos

未舗装路を進んでいく選手たち photo:CorVos

レースも後半に入り、先頭集団に更にシャッフルがかかるとモホリッチとフェルミールス、そしてコナー・スウィフト(イギリス)の3名に絞られる。それをバルベルデやスヴェンソンのいる追走集団が追いかけたものの、最後まで届くことはなく、勝負は先頭3名に絞られた。

先頭集団から最初にスウィフトが遅れ、登りや下り区間を利用したモホリッチのアタックにフェルミールスは食らいつく。しかし残り18.6km地点でフェルミールスはモホリッチから遅れ、更に残り14.5kmでフェルミールスはチェーンが落ちるトラブルに見舞われた。

モホリッチとフェルミールス、スウィフトの3名がレース先頭に立つ photo:CorVos

独走のリードが拡大したモホリッチは順調にピエーヴェ・ディ・ソリーゴのフィニッシュ地点を目指して突き進む。残り3.5kmで落車するシーンがあったものの、素早く立ち上がったモホリッチはそのままフィニッシュラインを通過。第2回グラベル世界選手権男子エリートの覇者となった。

独走で優勝を掴んだマテイ・モホリッチ(スロベニア) photo:CorVos

2013年のU23ロード世界選手権以来となるアルカンシエルを纏ったモホリッチ。「この結果を誇りに思う。素晴らしい気持ちだし、自転車選手として最高の一日となった。今日のコースは素晴らしく、とてもテクニカルかつ急勾配の登りが登場した、僕に適したレイアウトだった。またフロリアン(フェルミールス)とコナー(スウィフト)を祝福したい。彼らはとても強かったが、僕には軽い体重という登りでのアドバンテージがあった」と語った。

4位には43歳のバルベルデが入り、落車後もリタイアすることなく淡々と踏み続けたファンアールトは8位でフィニッシュしている。

グラベル世界選手権2023男子エリート表彰台:2位フェルミールス、1位モホリッチ、3位スウィフト photo:CorVos
グラベル世界選手権2023男子エリート結果
1位 マテイ・モホリッチ(スロベニア) 4:53:56
2位 フロリアン・フェルミールス(ベルギー) +0:42
3位 コナー・スウィフト(イギリス) +3:39
4位 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン) +6:47
5位 キーガン・スヴェンソン(アメリカ) +6:48
6位 クインテン・ヘルマンス(ベルギー) +7:23
7位 シモーネ・ヴェラスコ(イタリア) +7:51
8位 ワウト・ファンアールト(ベルギー) +8:21
9位 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア) +9:07
10位 セバスティアン・シェーンベルガー(オーストリア) +9:42
11位 ジャンニ・フェルミールス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) +10:50
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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